韋貴妃い・きひ蕭薔しょう・ちょうを屋外に二時間跪かせ、仮省を促した。蕭薔しょう・ちょうは姨母の突然の仕打ちに戸惑いながらも、貴妃の命令には逆らえず従った。

瑠璃宴るりえんの主催を楊妃が任されたことで、皆が楊妃の寵愛を噂する中、韋貴妃い・きひは隋の血を引く楊妃が皇后になることはないと考えていた。瑠璃宴るりえんが始まる前、韋貴妃い・きひ蕭薔しょう・ちょうに呼びかけ、先の罰は苦肉の策だったと説明する。年老いた自分を省みて、韋貴妃い・きひ蕭薔しょう・ちょうに謙虚さを説き、韋家の再興を託した。

韋貴妃い・きひ蕭薔しょう・ちょうの美貌を褒め称え、華やかな衣装で皇帝の前で舞を披露すれば寵愛を受けられると唆した。蕭薔しょう・ちょうはその言葉に心を動かされ、その場を去った後、韋貴妃い・きひはいつもの高慢な表情に戻った。一方、徳妃とくひは後宮の争いに関わらず、ただ斉王せいおうとの再会を願っていた。

武如意ぶ・にょいの側近である宦官の瑞安ずいあんは皇子たちの武術大会を見に行きたがったが、武如意ぶ・にょい自身は興味がなく、徐慧じょ・けい瑞安ずいあんを御花園へ送り出した。武如意ぶ・にょいは一人で散策に出かける。

雉奴ちぬは木に登って雛鳥を巣に戻していたが、降りる際に足を滑らせてしまう。通りかかった武如意ぶ・にょいが彼を助けた。武術大会に出場する雉奴ちぬは体が弱く、勝ち目がないことを悟っていたが、出場を辞退することもできなかった。武如意ぶ・にょいに付き添いを頼み、二人は共に御花園へ向かった。

足の障害を抱える太子は武術大会で意外にも勝利を収めた。太子は呉王ごおう李恪り・かくがわざと負けたことを見抜いていた。大会前、楊妃は李恪り・かくに太子に負け、才能を隠すように指示していたのだ。太子は楊妃を侮辱する言葉を口にし、李恪り・かくを挑発する。孝子である李恪り・かくはこれに激怒し、剣を抜いて太子に襲いかかった。二人は真剣勝負を始める。

剣術に長け、足の障害もない李恪り・かくに対し、太子は劣勢に立たされる。李恪り・かくが太子にとどめを刺そうとした瞬間、雉奴ちぬが割って入った。李恪り・かくは危うく雉奴ちぬを傷つけるところだったが、武如意ぶ・にょい雉奴ちぬを庇ったため事なきを得た。結果、李恪り・かくが武術大会で優勝した。

第12話の感想

第12話は、後宮の権力争いと皇子たちの武術大会という二つの大きな出来事が描かれ、それぞれの思惑が複雑に絡み合い、緊張感あふれる展開でした。

韋貴妃い・きひは老いを感じ、蕭薔しょう・ちょうを利用して韋家の再興を図ろうとしますが、そのやり方は狡猾で、蕭薔しょう・ちょうの純粋さを利用しているように見えます。表向きは蕭薔しょう・ちょうを思いやる言葉をかけていますが、本心では自分の目的達成のためだけに蕭薔しょう・ちょうを動かそうとしているのが見て取れます。蕭薔しょう・ちょう韋貴妃い・きひの策略に気づかず、翻弄される姿が痛々しいです。

つづく