武如意は菊花の中で最も美しい一輪を選ぶよう問われ、一つを摘み取り、それが最も美しいと答えました。すると彼女の部下が菊畑に火を放ち、他の菊が全て燃えてしまったため、残った一輪が最も美しいという結果になりました。皆が驚愕する中、武如意は菊畑を燃やしたことを皇帝に謝罪しますが、皇帝は彼女の機転を称賛しました。
次に、木図王子が皇帝に弓術の勝負を挑みます。王子は帽子を空中に投げ、見事矢で射抜きましたが、武如意は馬に乗りながら摘んだ菊を口にくわえ、皇帝は見事にその菊を射落としました。王子の完敗です。
木図王子は大唐の人材の豊富さに感嘆し、武如意の名を尋ねます。しかし、皇帝は彼女に「媚娘」という新しい名前を与え、側仕えとして仕えるよう命じました。武如意は武媚娘となりました。
その夜、鄭大人は長孫無忌の行動ルートを張内侍に渡します。鄭婉言殺害の犯人を明かすという約束を仮故にされた鄭大人は、張内侍に刃を突きつけますが、晨夕宮の羽林衛に阻まれます。張内侍は徳妃が犯人だと明かし、鄭大人を殺害しました。
晩餐会で、皇帝は武媚娘の功績を称え、褒美を与えようとします。武媚娘は徳妃の謹慎を解くよう願い出ます。徳妃への罰は十分であり、大朝会への貢献も大きかったと訴える武媚娘の願いを皇帝は聞き入れました。晨夕宮は元の状態に戻ります。
皇帝は武媚娘と花火を見上げます。武媚娘は大唐の盛世に生まれた喜びを口にします。一方、徳妃は張内侍に裏工作をしないよう警告しますが、張内侍は殷家の滅亡を語り、李氏への復讐心を忘れるなと徳妃に忠告します。しかし、徳妃は復讐を望んでいない様子でした。
第17話の感想
第17話は、武媚娘の機転と冷酷さ、そして皇帝の寵愛が一層深まる様子が描かれた、非常に印象的な回でした。菊のエピソードは、彼女の知略と大胆さを象徴する名シーンと言えるでしょう。ただ美しい花を選ぶのではなく、状況を作り出し、唯一無二の存在にする発想は、常人離れした才覚を感じさせます。同時に、多くの菊を燃やすという非情さも垣間見え、今後の展開への不安と期待が膨らみます。
皇帝との弓術のシーンでは、武媚娘は自らの存在をアピールする術に長けていると感じました。皇帝の腕前を際立たせつつ、自身も印象的な形で登場することで、皇帝の心を掴む手腕は並大抵ではありません。名前を賜り、側仕えとなる展開は、彼女の運命が大きく変わるターニングポイントとなるでしょう。
つづく