いつもの大朝会後、皇帝は武媚娘びじょうと散歩に出かけた。普段は文徳ぶんとく皇后と歩くのが常であった。一方、徳妃とくひちょう内侍を通じて殷大人いんたいじんに謀仮を止め、仲間を解散させるよう伝えた。さもなくば羽林衛に通報すると脅したが、ちょう内侍は既に遅く、殷大人いんたいじん斉王せいおうと共に長安へ向かっていると告げた。

東宮では、太子が酒を飲んでいた。称心しょうしんは政務を任されている太子に酒を控えるよう諫言したが、太子は今夜は何事もないだろうと取り合わなかった。しかし、部下から北漠軍が国境に集結しているとの報告を受け、太子は事態の異変に気付く。

承慶殿しょうけいでんで皇帝と武媚娘びじょうが話をしていると、羽林衛に扮した刺客が侵入し、皇帝に斬りかかった。武媚娘びじょうはとっさに刺客の刀を掴み、皇帝は背後から刺客の首を絞めて殺した。武媚娘びじょうの手は血まみれになり、皇帝は手巾で手当てをした。その時、大勢の刺客が襲いかかってきた。武媚娘びじょうは皇帝に逃げるよう促したが、皇帝は「一人も残すな」と命じ、外の羽林衛が窓から飛び込み、刺客を全滅させた。

晨夕宮のかく内侍は太子を訪ね、殷家の謀仮計画を明かし、太子に協力を持ちかけた。皇帝が死ねば、太子が皇帝になれると唆したが、太子はかく内侍の弑父への誘いに乗らなかった。かく内侍は太子を襲おうとしたが、称心しょうしんに捕らえられ、太子は仲間を白状するようかく内侍に迫った。

長孫無忌ちょうそんむきは宮殿に入り、殷大人いんたいじんの謀仮を皇帝に報告した。皇帝は一年前から殷大人いんたいじんの動きを察知し、密かに監視させていたという。長孫無忌ちょうそんむき徳妃とくひの関与を疑ったが、皇帝は徳妃とくひの潔白を信じ、賭けを申し出た。今夜、徳妃とくひ甘露殿かんろでんに来れば謀仮に関与しており、来なければ無実だという。

ちょう内侍は徳妃とくひに刺客が全員討たれたことを報告した。徳妃とくひは彼らの愚かさを責めたが、ちょう内侍はもはや手遅れだと嘆いた。しかし、徳妃とくひは夜明けまでに皇帝を殺せばまだ間に合うと呟いた。

第18話の感想

第18話は、スリリングな展開と登場人物たちの思惑が交錯する、息詰まるようなエピソードでした。武媚娘びじょうの機転と勇敢さが際立ち、刺客から皇帝を守るシーンは手に汗握る緊迫感がありました。愛する皇帝を守るため、自らの身を挺する彼女の姿は、まさにヒロインの鑑と言えるでしょう。

一方、太子は謀仮の誘いにも冷静さを保ち、かく内侍の企みを退けるなど、成長した姿を見せてくれました。酒に溺れる場面もありましたが、国境の異変に気付くなど、政治的な感覚も養われているようです。今後の彼の動向にも注目したいところです。

つづく