宦官が李淳風りじゅんぷうの部屋に侵入し、何かを探していた。李淳風りじゅんぷうは戻ると異変に気づき、隠れている者に姿を現すよう促した。すると、ちん内侍が現れた。彼は誰かの指示で武媚娘びじょうを陥れようとしており、李淳風りじゅんぷうに協力を求めた。具体的には、皇帝に宮中を厳しく調査させるよう進言し、偽造した皇帝闇殺計画の密書で武媚娘びじょうを嵌める魂胆だった。しかし、李淳風りじゅんぷうは武媚娘びじょうが女主武氏であるという理由でこそ死すべきだと考え、偽の罪で陥れることに仮対し、ちん内侍を追い払った。

ちん内侍が去った後、李淳風りじゅんぷうは別の宦官姿の人物に声をかける。それは変装した武媚娘びじょうだった。彼女は李淳風りじゅんぷうの首に刀を突きつけ、なぜ自分が女主武氏だと断定するのか問いただした。李淳風りじゅんぷうは確信があると答える。武媚娘びじょうは刀を下ろし、自分が女主武氏ではないことを必ず証明すると宣言した。

その時、皇帝が星雲閣に突然訪れた。李淳風りじゅんぷうは慌てて武媚娘びじょうを隠した。皇帝は李淳風りじゅんぷうに女主武氏が武媚娘びじょうである確信のほどを尋ね、李淳風りじゅんぷうは六割だと答えた。皇帝はさらに十日間を与え、女主武氏の正体を占うよう命じた。

李淳風りじゅんぷうは卜占に専念する一方、外では唐王朝が三代で滅び、女主武氏が取って代わるという噂が広まっていた。長孫無忌ちょうそんむきは武媚娘びじょうが皇帝ではなく皇子を狙っていると推測し、現在の皇子たちの力量では武媚娘びじょうを抑えきれず、皇帝が退位した後に女主武氏が表舞台に登場すると分析した。

十日後、朝廷の重臣たちは星雲閣の外で李淳風りじゅんぷうの卜占結果を待っていた。皇帝も到著したが、李淳風りじゅんぷうはなかなか出てこない。皇帝は王徳おうとくに扉を開けるよう命じると、李淳風りじゅんぷうは死んでいた。彼の握りしめた紙には武媚娘びじょうの生辰八字が記されていた。

実は、韋貴妃い・きひ李淳風りじゅんぷうに武媚娘びじょうを陥れるよう依頼していたが、断られたため、春盈しゅんえいに命じて李淳風りじゅんぷうの食事に海鮮を混ぜさせた。海鮮アレルギーの李淳風りじゅんぷうは窒息死し、紙切れも春盈しゅんえいが仕込んだものだった。

皇太子は武媚娘びじょうを殺すよう皇帝に進言しようとしたが、魏徴ぎちょうはそれを止めた。皇太子は自分の策略にばかり気を取られ、外の様子が見えていないと指摘した。魏王ぎおう韋源承いげんしょう韋貴妃い・きひに接近しており、皇太子は後宮の支持を得られていない。皇帝は武媚娘びじょうを殺すつもりはなく、皇太子も皇帝の意向に従うべきだと諭した。

第21話の感想

李淳風りじゅんぷうの死はあまりにも突然で、衝撃的な展開でした。女主武氏をめぐる陰謀が渦巻く中、彼の存在は武媚娘びじょうにとって大きな支えだっただけに、その喪失は彼女をさらに追い詰めることになるでしょう。武媚娘びじょう自身も李淳風りじゅんぷうから女主武氏と疑われていることを知り、身の危険を感じているはずです。今後、彼女はどのようにしてこの危機を乗り越えていくのか、非常に気になります。

特に印象的だったのは、李淳風りじゅんぷうが死の間際に武媚娘びじょうの生辰八字を握りしめていたシーンです。韋貴妃い・きひの策略によって殺されたとはいえ、彼が最後に武媚娘びじょうのことを考えていたのか、それとも別の意味があったのか、様々な解釈が可能です。この紙切れが今後の物語にどう影響していくのか、重要な鍵となることは間違いありません。

つづく