武媚娘は承慶殿で皇帝を待ち続けていた。周りの宮女たちは彼女を「狂った才人」と陰口を叩いていたが、武媚娘は気にせず、ただ皇帝に一目会いたい一心だった。彼女は後宮の女として、皇帝のために命を懸ける覚悟だと宣言した。長孫無忌は武媚娘の執著を知り、皇帝に彼女を早く処分するよう進言した。
夜、皇帝は承慶殿を訪れた。椅子でうたた寝をしていた武媚娘は目を覚ますと皇帝の姿を見つけた。皇帝は彼女に翌日巳の刻、甘露殿で蘭陵王の舞を舞うよう命じた。
翌日、甘露殿に赴いた武媚娘は、別の女性が皇帝のために蘭陵王を舞っているのを目撃した。皇帝がその女性を抱き寄せ、仮面を外すと、それは徐慧だった。皇帝は武媚娘に、彼女がかつて自分に特別な蘭陵王を舞うと言ったことを持ち出し、しかし自分にとっては誰が舞っても同じだと冷たく言い放った。落胆した武媚娘は甘露殿を飛び出した。
激しい雨の中、武媚娘は泣き崩れ、ついに浄出池のほとりで倒れてしまった。徐慧は自分が皇帝に利用されたことを理解していたが、それでも彼に仕える喜びを感じていた。彼女は武媚娘のように皇帝の傍に仕え、彼の苦労を少しでも軽くしたいと願っていた。王内侍は武媚娘が浄出池に身を投げたと皇帝に報告し、皇帝は徐慧を置いて武媚娘の元へ駆けつけた。
侍医は武媚娘が心労と冷えから病に倒れたと診断し、熏蒸療法が必要だと告げた。心配する皇帝は自ら武媚娘の体を温め、一緒に熏蒸を受けた。目を覚ました武媚娘は楊淑妃に皇帝が来たかどうか尋ねたが、楊淑妃は嘘をついた。しかし武媚娘はそれを信じなかった。
武媚娘は皇帝の寝宮へ行き、王内侍に頼み込んで中に入れてもらった。彼女は眠る皇帝の顔に触れ、自分が冷遇されていることを理解していると告げた。夜遅く、徐慧は一人で承慶殿で仮面をつけて鏡に向かって舞い、皇帝の言葉を思い出しながら涙を流した。
三ヶ月後、括地誌完成の日、魏王は太子を祝賀の宴に招待しようとしたが、称心に阻まれた。魏王は諦めず、機会を伺うよう部下に命じた。皇帝は驪山への行幸に武媚娘を同行させることを決め、武媚娘は喜びに満ちた。
第24話の感想
第24話は、武媚娘と徐慧、二人の女性と皇帝の複雑な関係性が描かれた、切ないエピソードでした。武媚娘の皇帝への一途な想いと、それとは対照的な皇帝の冷酷な仕打ちが見ていて辛かったです。特に、甘露殿で徐慧が蘭陵王を舞うシーンは、武媚娘の絶望感がひしひしと伝わってきて、胸が締め付けられました。
雨の中、泣き崩れる武媚娘の姿は、彼女の脆さと同時に、強い愛情を表現しているようで印象的でした。皇帝は冷酷に見えながらも、武媚娘が倒れたと聞いて駆けつけるなど、彼女への想いが全くないわけではないように感じられます。二人の関係が今後どうなっていくのか、ますます目が離せません。
つづく