早朝、宦官たちが浄出池で文娘ぶんじょうの遺体を発見。検視役は溺死と判断したが、瑞安ずいあん文娘ぶんじょうの頭の傷に疑問を抱き、彼女の部屋を調べたいと申し出る。徐慧じょ・けいはやむなく承諾する。

部屋に入った瑞安ずいあんは、文娘ぶんじょうがほぼ刺繍し終えた鴛鴦の錦帕を見つけ、彼女の想いを知る。悲しみに暮れる瑞安ずいあんだが、贈ったはずの燭台が見当たらず、不審に思う。

一方、侯君集こうくんしゅうは遊興の最中、謀仮の罪で羽林衛に捕らえられ、天牢へ送られる。数日後、皇帝が見舞いに訪れ、吏部尚書への復帰を命じる。侯君集こうくんしゅうはこれを受け入れる。

侯君集こうくんしゅうは皇帝に楊淑妃よう・しゅくひ李孝常りこうじょうの密通を告げるが、皇帝は疑念を抱く。そこへ魏徴ぎちょうが意識を取り戻したとの知らせが入り、皇帝は魏徴ぎちょうの元へ駆けつける。魏徴ぎちょうは死の間際、太子の廃立について皇帝の真意を問う。

魏徴ぎちょうが亡くなり、太子は弔いのため焼香する。太子妃に見守られながら、太子は邙山ぼうざんへ行ったことを悔やみ、魏徴ぎちょうの死を悼む。

釈放された侯君集こうくんしゅうはすぐに東宮を訪れ、太子と謀仮の計画を練る。黒い紗なら決行せず、白い紗なら挙兵することで合意する。

魏徴ぎちょうの葬儀の日、棺は皇城を一周する。東宮前を通過する際、太子は棺に掛けられた白い紗を確認し、決起を決意する。御書房前では、武媚娘びじょうも白い紗を見て、心中で安堵する。

夜、太子と侯君集こうくんしゅうは翌日の文徳ぶんとく皇后の生誕祭が好機だと考え、皇帝が承慶殿しょうけいでんにいる隙を突く計画を立てる。

徐慧じょ・けいは皇帝に武媚娘びじょうと太子の内通を密告する。武媚娘びじょうの書いた手紙を証拠として提示し、皇帝の身の安全を案じていると訴える。

徐慧じょ・けいは武媚娘びじょうに太子の謀仮を伝え、武媚娘びじょうは太子を止めようと東宮へ向かう。皇帝を引き止めるよう徐慧じょ・けいに頼み、東宮に著くと、兵を率いて出発しようとする太子を見つけ、剣を奪い彼を製止しようとする。しかし、逆に太子に捕らえられ、閉じ込められてしまう。

太子は兵を率いて承慶殿しょうけいでんへ突入するが、皇帝は既に殿外で待ち構えていた。太子は皇帝に退位を迫る。

第37話の感想

第37話は、これまでの伏線が一気に回収され、緊張感と衝撃に満ちた怒涛の展開でした。特に印象的なのは、様々な思惑が複雑に絡み合い、それぞれのキャラクターの運命が大きく揺れ動く様子です。

文娘ぶんじょうの死をきっかけに、瑞安ずいあんは彼女の秘めた想いに気付き、悲しみに暮れます。しかし、ただの事故とは思えない状況に、事件の真相が今後の展開にどう関わってくるのか、気になるところです。

侯君集こうくんしゅうは、皇帝の思惑によって釈放され、太子との謀仮計画を進めます。黒と白の紗による合図は、緊迫感を高める効果的な演出でした。魏徴ぎちょうの葬儀という厳粛な場面を利用した情報伝達は、見ている側にも緊張感を与えます。

つづく