雉奴は雨に打たれて風邪をひき、高熱を出した。侍医によると、風邪自体は治るものの、生まれつき病弱な雉奴には後遺症が残る可能性があり、特に風疾は薬で抑えるしかないと診断された。皇帝は雨の中、雉奴を長時間跪かせたことを深く後悔した。
寝言でさえ武媚娘の名を呼ぶ雉奴を案じ、皇帝は王内侍に雉奴が御書房に来る前に誰と会い、何をしたかを調べるよう命じた。
皇帝は掖庭獄を訪れ、武媚娘を問い詰めた。太子と通じ、今は雉奴に近づき、一体何を企んでいるのかと。武媚娘は冷淡に、太子はもう失脚したのだから、新たな後ろ盾が必要だと答えた。
楊淑妃は武媚娘の身辺を調べているうちに、謀仮の濡れ衣を著せられた李牧のことを知った。李牧は楊淑妃の侍女、青玄に助けられ、宮中に匿われた。韋貴妃は武媚娘が大理寺に移送される前に、獄中自殺に見せかけて殺すよう部下に命じた。
雉奴は武媚娘の命乞いをしに楊淑妃の元を訪れた。楊淑妃は雉奴に掖庭獄への通行許可証を渡し、青玄に李牧を連れて行くよう指示した。重臣たちと焉耆の仮乱について話し合っていた皇帝は、突如武媚娘を自ら尋問すると宣言し、掖庭獄へ向かった。
雉奴は許可証を見せたが、獄丞は皇帝の勅命で武媚娘との面会は一切禁止されていると拒否した。青玄は先に入った者がなぜ出てこないのかと問いただし、李牧は獄丞に剣を突きつけ、扉を開けさせた。李牧は中へ突入し、警備の兵士たちと戦いを始めた。
武媚娘は夢の中で皇帝に首を絞められる悪夢を見た。それは夢だったが、現実では宦官に白綾で首を絞められていた。間一髪、李牧が駆けつけ宦官を倒し、武媚娘は命拾いをした。意識が薄れる中、武媚娘は自分を助けた男の指環を見て、李牧だと気づいた。
皇帝が掖庭獄に著くと、負傷した李牧が気を失った武媚娘を担いで出てきた。皇帝は武媚娘を受け取り、李牧の治療を侍医に命じた。楊淑妃は李牧に李故という金吾衛の身分を与え、青玄は李牧にその身分を完璧に覚え込むよう言い聞かせた。武媚娘は一命を取り留め、獄丞は皇帝に連行され尋問を受けた。韋貴妃は皇帝の追及が自分に及ぶことを恐れた。
徐慧は見舞いに訪れ、皇帝に武媚娘の助命を嘆願できなかったことを詫びたが、武媚娘は徐慧を責めなかった。武媚娘は廃位もされていない太子がなぜ謀仮を起こし、このような末路を辿ったのか理解できなかった。武媚娘は徐慧に李牧に助けられたことを打ち明け、秘密にするよう頼んだ。徐慧は武媚娘を害するようなことはしないと約束した。
第39話の感想
第39話は、息もつかせぬ展開で、手に汗握る緊迫感がありました。武媚娘の窮地、李牧の活躍、そして皇帝や楊淑妃、徐慧といった主要人物たちの思惑が複雑に絡み合い、物語は大きな山場を迎えます。
特に印象的だったのは、李牧の武媚娘救出シーンです。韋貴妃の刺客に襲われ、絶体絶命の武媚娘。そこに颯爽と現れる李牧の姿は、まさにヒーローそのもの。一度は死んだと思われていた彼が、こうして再び武媚娘の前に現れ、命を救うという展開は、非常にドラマチックで胸を熱くさせられました。李牧が武媚娘を助けたのは、過去の恩義か、それとも別の感情が芽生えているのか、今後の展開が気になるところです。
つづく