韋貴妃は蕭薔を助けようと、侍寝の手配役の宦官に頼み込み、蕭薔は甘露殿で独り夜を明かし、風邪をひいたという話を李世民に伝えさせ、蕭薔の侍寝を取り付ける。
一夜を李世民と過ごした後、蕭薔は才人から婕妤に昇格する。一方、中書侍郎鄭仁曦の娘、鄭婉言は五年もの間、文徳皇后の立ち居振る舞いを真価て過ごしてきた。その姿は文徳皇后に瓜二つだった。殷大人は妹の徳妃に婉言を託し、宮廷で面倒を見るよう頼む。
新しく入宮した才人や宮女たちは、慣例に従い嬪妃たちに挨拶をする。徳妃以外の嬪妃たちは、文徳皇后にそっくりな婉言を見て驚愕する。徳妃は兄に婉言を入宮させた理由を問う。かつて李世民に一族百人以上を殺された殷大人は復讐を企てていた。徳妃は仇を忘れようと諭すが、殷大人は斉王を長安に戻すため、婉言を利用して李世民の心を掴む計画を明かす。
蕭薔は宮女に晨脂を取ってくるよう命じるが、宮女は晨脂を知らず、蕭薔に叱責される。婉言は蕭薔を宥め、自ら晨脂を採りに行くと申し出る。徐慧と武如意も手伝い、夜に晨脂を採りに行く。
徐慧は晨脂を採りながら阿弥陀経を唱える。婉言は経の内容を尋ね、徐慧は極楽浄土について語る。徐慧にとって、遠くから好きな人の姿を見ることこそが極楽だが、婉言は情のある人と添い遂げることが極楽だと考える。
宦官は李世民に、文徳皇后に瓜二つの才人がいると報告する。李世民はすぐさま婉言に会いに行き、その瓜二つの容姿を確認すると、婉言を侍寝に召し出す。
深夜、武如意は承慶殿で一人で書写をしていた。そこに李世民が現れ、物陰から武如意の様子を伺う。武如意はうたた寝をし、顔に墨を付けてしまう。李世民はそんな武如意を可愛らしく思うのだった。
第4話の感想
第四話は、宮廷内の権力争いとそれぞれの思惑が交錯する、緊張感あふれる展開でした。韋貴妃の蕭薔への援助、殷大人の復讐心、そして徐慧と武如意の対照的な極楽観など、様々な人間模様が描かれています。
特に印象的なのは、鄭婉言の存在です。文徳皇后に瓜二つという設定は、李世民の心を揺さぶるだけでなく、宮廷内の力関係にも大きな影響を与えそうです。彼女の登場により、今後の物語がどのように展開していくのか、非常に興味深いです。
また、蕭薔の昇格や、武如意への李世民の密かな想いの芽生えなど、今後の伏線となるような描写も散りばめられていました。それぞれのキャラクターの思惑が複雑に絡み合い、今後の展開がますます予測不可能になっていきます。
つづく