韋貴妃い・きひは死の間際、魏王ぎおうに武媚娘びじょう殺害を誓わせ、自らの手首を陶片で切り裂いて自害した。翌日、獄吏は皇帝に韋貴妃い・きひの死を報告した。

魏王ぎおう韋貴妃い・きひの死と韋家の没落を受け入れられず、何も食べられない状態が続いていた。

一方、武媚娘びじょうは毎日のように図書室で雉奴ちぬに北漠の風習や北伐の事例を学ばせていた。雉奴ちぬは古書の学習に退屈し、魏王ぎおうに対抗する機会を失うことを危惧していた。武媚娘びじょうの説得により、雉奴ちぬは渋々学習を続けた。

魏王ぎおうの部下である楚客そきゃくは、武媚娘びじょう雉奴ちぬに奏上文を読ませ、古書を学ばせていることを報告した。魏王ぎおうは女の指示で付け焼き刃の勉強をしても無駄だと鼻で笑った。

深夜、武媚娘びじょう瑞安ずいあんを図書室に呼び出した。瑞安ずいあん文娘ぶんじょうの死を悲しみ、やつれていた。瑞安ずいあん文娘ぶんじょうが殺されたと疑っており、部屋から燭台がなくなっていることから、燭台で殴打されたと考えていた。

二人は東宮の件についても話し合った。武媚娘びじょう瑞安ずいあんに、綾羅を届けた際に誰かを見かけたか尋ねた。瑞安ずいあん文娘ぶんじょうしか見ていないと答え、文娘ぶんじょう徐慧じょ・けいが紙片をすり替えた可能性に気づいた。武媚娘びじょうはこれ以上調査しないよう忠告した。

徐慧じょ・けい李牧りぼくの正体を奏上文に記し、皇帝に提出した。武媚娘びじょう李牧りぼくの謀仮人の身份を隠蔽するために宮廷に入ったと主張し、皇帝の安全のために李牧りぼくを処罰するよう進言した。

皇帝は朝廷で蘇楼寒の件について諸臣や皇子たちの意見を聞いた。呉王ごおうは即時北伐を主張し、魏王ぎおうは時期尚早だと仮対した。その時、雉奴ちぬが現れ、自らの考えを述べた。

第42話の感想

第42話は、それぞれの思惑が複雑に絡み合い、今後の展開がますます気になるエピソードでした。韋貴妃い・きひの自害は、魏王ぎおうにとって大きな打撃となり、彼の復讐心はさらに燃え上がるでしょう。武媚娘びじょうへの憎悪を募らせる魏王ぎおうと、静かに力を蓄える武媚娘びじょう。二人の対立は、今後さらに激化していくことが予想されます。

雉奴ちぬは、武媚娘びじょうの指導の下、帝王学を学んでいますが、まだ未熟さが残ります。武媚娘びじょうの真意を理解しきれていない様子も描かれており、今後の成長が期待されます。彼がどのように皇帝としての資質を身につけていくのか、注目したいところです。

瑞安ずいあんは、文娘ぶんじょうの死の真相を探ろうとしますが、武媚娘びじょうに止められます。武媚娘びじょうは、瑞安ずいあんの身を案じているのかもしれませんが、同時に何かを隠しているようにも見えます。この謎めいた部分も、今後の展開に大きく関わってくるのではないでしょうか。

つづく