雉奴は李泰の子殺しを止めようとするも、李泰は既に正気を失い、雉奴を人質に李世民に皇位継承を迫る。この知らせを聞いた李恪は、母・楊淑妃に相談するが、彼女は李世民と他の兄弟を殺し、王位を奪うよう李恪に唆す。
楊淑妃は長年、一族が滅ぼされた恨みを忘れられず、息子に復讐を託していたのだ。当初、李恪は拒否するが、楊淑妃は彼の出生の秘密を明かす。実は、楊淑妃はかつて李世民の弟・李元吉の妻だったが、李世民に奪われ、李恪は李世民ではなく李元吉の子だったのだ。
自分が李世民の実子だと信じていた李恪は、この事実に衝撃を受ける。一方、武媚娘は李牧との待ち合わせ場所に行くと、数体の死体と李牧からの手紙を発見する。手紙には、宮中で大きな変事が起きるため、武媚娘は関わるべきではないと書かれていた。
手紙を読んだ武媚娘は急いで宮殿に戻り、李恪を探し、李泰と争うべきではないと忠告する。李泰は雉奴を宮門まで連れて行き、皇位継承争いから降りるよう迫る。雉奴は李泰を説得しようとするが、李泰は既に決意を固めていた。いずれ李世民に処罰されるなら、いっそ仮逆しようと。
李泰は雉奴と共に宮門前に到著し、李世民との面会を求める。しかし、門から出てきたのは李恪だった。雉奴は李恪を見て喜ぶが、李泰の手下に抑え込まれる。李恪は李泰と言葉を交わすが、痺れを切らした李泰は、李世民に会うため中へ入れるよう要求する。
第47話の感想
第47話は、緊迫感あふれる展開で、息をするのも忘れてしまうほどでした。李泰の狂気は、もはや後戻りできないところまで達しており、雉奴を人質にするという暴挙に出たことで、物語は一気にクライマックスへと突き進んでいく予感がします。これまで温厚なイメージの強かった李泰の豹変ぶりに、驚きを隠せません。彼の歪んだ野心と絶望感が、見ている側にもひしひしと伝わってきました。
一方、李恪は難しい立場に立たされています。母の復讐心と、自分自身の出生の秘密。どちらにも大きな衝撃を受け、彼の心は大きく揺れ動いていることでしょう。武媚娘の忠告を聞き入れ、冷静さを保てるのか、今後の彼の行動に注目が集まります。
つづく