李世民り・せいみんは9夜連続で婉言えんげん甘露殿かんろでんに召したが、夜中に承慶殿しょうけいでんへ行き、武如意ぶ・にょいと語り明かす日々を送っていた。婉言えんげんには指一本触れていない。ある時、李世民り・せいみん長孫無忌ちょうそんむき婉言えんげん文徳ぶんとく皇后に価ていることを話し、彼女の入宮の真意を探らせる。

李世民り・せいみん武如意ぶ・にょいは夜毎の語らいで次第に心を通わせていく。ある朝、武如意ぶ・にょい李世民り・せいみん承慶殿しょうけいでんの外へ連れ出し、宮中の日常風景を見せた。毎日違う出来事があるのだと教え、李世民り・せいみんも新鮮な思いを抱く。

一方、蕭薔しょう・ちょう婉言えんげんに会い、李世民り・せいみんが毎晩承慶殿しょうけいでんへ行っていることを告げる。婉言えんげんは信じようとしないが、徳妃とくひの手下からも武如意ぶ・にょいに警戒するよう忠告を受ける。

婉言えんげん武如意ぶ・にょいを訪ね、李世民り・せいみんが自身を召しながらも何もしてくれないと訴える。武如意ぶ・にょいは言葉を濁すが、婉言えんげんは彼女の嘘を見抜き、武如意ぶ・にょいの真の姿を悟る。

婉言えんげん徳妃とくひ武如意ぶ・にょいを殺したいと打ち明け、毒入りの鴛鴦壺を受け取る。婉言えんげん武如意ぶ・にょいを食事に誘い、毒酒を振る舞うが、武如意ぶ・にょいには効果がない。逆に婉言えんげんが突然倒れ、七竅流血して息絶える。最期の言葉は「武如意ぶ・にょい、ごめんなさい」だった。

第5話 感想

第5話は、武如意ぶ・にょい李世民り・せいみんの心の距離が縮まる一方で、婉言えんげんの悲劇的な最期が描かれ、非常に切ない回でした。李世民り・せいみん婉言えんげん文徳ぶんとく皇后の面影を求めて侍寝させているものの、真に心惹かれているのは武如意ぶ・にょい婉言えんげんへの態度は残酷にも映りますが、皇帝という立場ゆえの孤独や、亡き皇后への想いが複雑に絡み合っているようにも感じられます。

武如意ぶ・にょい李世民り・せいみんに宮中の些細な出来事の面白さを伝え、彼の心を掴んでいきます。彼女の機転と明るさは、宮廷の重苦しい空気を一変させる力を持っているかのようです。しかし、その裏には計算高さも見え隠れし、今後の展開が不安になる要素でもあります。

つづく