武媚娘は李世民を無事に陣営へ連れ帰り、毒を吸い出し命を救った。意識を取り戻した李世民は、自分を救ったのが武媚娘だと知り驚きを隠せない。その大胆な行動を咎めつつも、彼女の勇気を称えた。
その後、武媚娘は李牧の墓前で弔いをし、既に罪の代償を払った彼をこれ以上責めないよう李世民に懇願した。王徳は武媚娘に、陣営では女性の姿を見せるなと警告する。女扮男装が露見すれば大きな問題になると忠告した。
李世民の凱旋後、武媚娘は彼に帰還を進言し、李世民もそれに同意した。勝利を収めた李世民は捕虜たちを解放し、望む者には唐軍と共に帰ることを許した。一方、雉奴は武媚娘への想いを募らせており、高陽公主はそれを気に掛けていた。雉奴が武媚娘の肖像画を眺めていると、長孫無忌が訪ねてくるという知らせが入り、高陽公主は慌てて出迎えた。
長孫無忌の来訪を聞き、高陽公主は雉奴に武媚娘の肖像画を隠すよう急かした。時間を稼ぐため、高陽公主はわざと転び、長孫無忌に助け起こされる間に雉奴は肖像画を隠した。間一髪で隠した後、長孫無忌が到著。彼は李世民の帰還を雉奴に伝え、準備を促した。
長孫無忌が去ると、雉奴は再び武媚娘の肖像画を取り出した。幼い頃から知る美しい彼女への想いは、言葉にできないほど募っていた。武媚娘は長い間宮中に姿を見せていないが、彼女の宮殿では侍女の瑞安が、まるで彼女が戻ってくるかのように、変わらず勤勉に掃除を続けていた。
第52話の感想
第52話は、武媚娘の機智と勇気、そして様々な人物の思惑が交錯する緊迫感溢れるエピソードでした。李世民を毒から救う場面は、まさに彼女の真骨頂と言えるでしょう。命の危険を顧みず、果敢に行動する姿は、ただ美しいだけでなく、内に秘めた強さを感じさせます。李世民も彼女の勇気を称賛していましたが、同時にその大胆さに驚きを隠せない様子も印象的でした。この一件が二人の関係にどのような影響を与えるのか、今後の展開が気になります。
一方、雉奴の武媚娘への一途な想いは、切なくも美しいものでした。高陽公主の心配をよそに、武媚娘の肖像画を大切に眺める姿は、彼の純粋な愛情を物語っています。長孫無忌の来訪に慌てる様子も、初恋のような繊細さを感じさせ、微笑ましいシーンでした。しかし、この想いが今後どのような形で表出され、物語に影響を与えるのか、注目すべき点でしょう。
つづく