宮中で掃除をしていた瑞安ずいあんは、他の宮の女官たちに媚娘びじょうはもう戻らないと馬鹿にされ、怒って水を浴びせてしまう。文娘ぶんじょうのいた宮殿で、贈ろうとしていたハンカチを手に文娘ぶんじょうを偲ぶ瑞安ずいあん

しかし、通りかかった宦官たちにハンカチを奪われ、文娘ぶんじょうの悪口まで言われてしまう。怒った瑞安ずいあんは宦官たちと口論になり、激しい暴行を受け、傷だらけになってしまう。

一方、宮中に戻った李世民り・せいみんは、古い傷が再発し、昏睡状態に陥ってしまう。見舞いに来た雉奴ちぬは、王徳おうとくに父の病状を尋ね、以前の毒矢の傷が原因だと知る。雉奴ちぬ王徳おうとくの不手際を責めるが、徐慧じょ・けいは今は皇帝の看病が最優先だと雉奴ちぬを諭す。

そんな中、武媚娘びじょうが宮中に戻ってくる。瑞安ずいあんは再会を喜び、媚娘びじょうにこれまでの出来事を話す。特に徐慧じょ・けいの豹変ぶり、冷酷になった様子を伝える。

雉奴ちぬ李世民り・せいみんと政務について話し合っていたが、武媚娘びじょう帰還の知らせを受け、安堵する。徐慧じょ・けい媚娘びじょうと再会し、懐かしむそぶりを見せる。媚娘びじょうは他の妃嬪たちへの仕打ちについて尋ね、徐慧じょ・けいの変化に疑問を抱く。徐慧じょ・けいは入宮時にいじめられた経験から、強くあらねば生き残れないと嘘をつく。

第53話の感想

第53話は、様々な登場人物の感情が交錯する、緊迫感あふれる展開でした。瑞安ずいあんの武媚娘びじょうへの忠誠と、再会を心から喜ぶ純粋な姿には胸を打たれます。一方、宮中で虐げられ、媚娘びじょう不在の間も辛い思いをしていたであろう彼女の境遇には同情を禁じ得ません。宦官たちに暴行されるシーンは、見ていて辛くなるほどでした。

李世民り・せいみんの病状悪化は、今後の展開に大きな影を落とすでしょう。雉奴ちぬの焦りと、王徳おうとくへの苛立ちは、父を思う気持ちの表れであり、彼の責任感の強さを示しています。徐慧じょ・けいの冷静な対応は、彼女が宮中で生き残る術を身につけていることを改めて感じさせます。

つづく