武媚娘こと武如意が鄭婉言とずっと一緒にいたので、婉言の死後、韋貴妃たちに疑いの目を向けられました。李世民が知る前に、韋貴妃は武如意を拷問し、自白を強要しました。
韋貴妃は徳妃と二人きりになった時、慈悲深い仮面を脱ぎ捨てるよう促し、寵愛を受けていた婉言が死に、皇帝が気に掛けていた武如意が容疑者になった今が絶好の機会だと、武如意を陥れるよう唆しました。しかし、徳妃は拷問に加担せず、部屋に戻って念仏を唱えました。
徳妃付きの宦官が、なぜこの機会に武如意を追い詰めないのか尋ねると、徳妃は婉言を殺したのは自分だと告白し、殷大人への復讐はもう諦めるよう伝えました。殷家の末裔が今日まで生き延びただけでも幸運であり、これ以上騒ぎを起こすべきではないと諭しました。
徐慧は賢霊宮へ行き、楊淑妃に武如意の命乞いをしました。楊淑妃は、この件は徳妃と韋貴妃の管轄だと言いましたが、徐慧は韋貴妃はうわべだけの権力者で、真に皇帝に意見できるのは楊淑妃だと分かっていたので、楊淑妃は最終的に彼女の頼みを聞き入れました。
早朝を終えた李世民は鄭婉言の死を知り、内侍監で拷問を受けている武如意を見ました。李世民は表向きは武如意を気に掛けていないように見せかけましたが、裏では大理寺の戴青に事件の調査を命じていました。
内侍監から解放された武如意は承慶殿に戻りましたが、そこで刺客に襲われました。ちょうど李世民が承慶殿に著いたため、武如意は難を逃れました。後宮で次々と事件が起こることに李世民は苛立ち、戴青に捜査を急がせました。
戴青は酒壺に問題があることを発見し、それが婉言自身のものだったと突き止めました。皇帝に報告すると、婉言は武如意を陥れようとして、逆に騙されて殺された可能性が高いと推測されました。
楊淑妃は武如意に承慶殿の襲撃事件についてそれとなく話し、刺客は韋貴妃が送った可能性が高いと示唆しました。なぜこの機会に韋貴妃の正体を皇帝に明かさないのかと尋ねましたが、武如意は韋家の勢力が大きく、国への影響も大きいため、もし事実でなければ皇帝に迷惑をかけると考え、慎重な姿勢を示しました。
第6話の感想
第6話は、宮廷内の権力争いと陰謀がさらに激化し、息もつかせぬ展開でした。武如意はまたしても命を狙われ、誰が味方で誰が敵か分からない状況に追い込まれます。韋貴妃の冷酷さ、徳妃の意外な一面、そして楊淑妃の腹黒さなど、それぞれの思惑が複雑に絡み合い、物語に深みを与えています。
特に印象的だったのは、徳妃の告白です。これまで慈悲深い人物として描かれてきた彼女が、実は婉言を殺害した張本人だったという事実は衝撃的でした。その動機や背景はまだ明らかになっていませんが、今後の展開に大きく影響していくことは間違いありません。
また、武如意の冷静な判断力も注目すべき点です。韋貴妃の陰謀を暴く絶好の機会でありながらも、大局的な見地から行動を控える彼女の姿は、聡明さと共に強い意誌を感じさせます。
つづく