早朝にて、皇帝は長孫無忌ちょうそんむきの功績を称え、彼を弾劾する者は魯世寧ろせいねいと同じ運命を辿ると宣言した。一方、御花園では、武媚娘びじょう素節そせつが皇子をいじめている場面に遭遇する。素節そせつは木剣で皇子を叩いていたが、皇子は仮撃することもできずにいた。武媚娘びじょう素節そせつを止め、彼の尻を木剣で叩いた。素節そせつは抵抗しながら武媚娘びじょうを非難した。

素節そせつが逃げた後、皇子は散らばったお菓子をじっと見つめていた。武媚娘びじょうは皇子を竹林雅軒に連れて行き、お菓子を与えながら、もうお菓子のためにいじめられることはないと励ました。

呉王ごおうは李績の屋敷を訪ねるが、李績は面会を拒否し、家臣を通して呉王ごおうに長安を離れるよう忠告した。皇帝は呉王ごおうを長安に残したいと考えているが、長孫無忌ちょうそんむきは依然として呉王ごおうに謀仮の疑いを持っている。李績が長安に戻るとすぐに呉王ごおうが訪ねてきたことから、長孫無忌ちょうそんむきは二人の間に何かあると睨み、皇帝に賭けを申し出た。もし呉王ごおうが要職に就いても房遺愛ぼういあい柴令武さいれいぶを登用しなければ、謀仮の疑いは晴らす。しかし、もし登用すれば、皇帝は呉王ごおうを警戒すべきだと主張した。

皇子は武媚娘びじょうに、お菓子を母妃に持って帰って良いかと尋ねた。その可憐な様子に、武媚娘びじょうは承諾した。そこに高陽こうよう公主が訪ねてきた。皇子が高陽こうよう公主に挨拶をして退出した後、高陽こうよう公主は武媚娘びじょうに、あの皇子は皇長子の李忠り・ちゅうだと教えた。李忠り・ちゅうの母妃は身分の低い宮女で、宮中では皇子として扱われておらず、母妃にも未だ封号が与えられていないという。

蕭淑妃しょう・しゅくひは自らの宮殿に戻ると、傷ついた李忠り・ちゅうの姿を目にした。彼女は激怒し、武媚娘びじょうを許さないと誓った。武媚娘びじょう素節そせつを叱ったことで蕭淑妃しょう・しゅくひの怒りを買ってしまったのだ。高陽こうよう公主は武媚娘びじょうに、今後宮中ではより慎重に行動し、トラブルに巻き込まれないよう忠告した。

皇帝は自ら呉王ごおう府を訪れ、呉王ごおうに重要な役目を与えた。そして、李績の長安帰還について知っているか尋ねたが、呉王ごおうは知らないと答えた。その言動に、皇帝は警戒心を抱いた。

長孫衝ちょうそんちゅうは武媚娘びじょうの近日の行動記録を長孫無忌ちょうそんむきに渡した。長孫無忌ちょうそんむきは最近の宮中の異変を感じていた。以前は皇帝は朝政にあまり関与していなかったが、武媚娘びじょうが戻ってきてから、彼女は常に朝政に介入している。長孫無忌ちょうそんむきは武媚娘びじょうを宮中から追い出す策を講じる必要があると考えた。

第66話の感想

第66話は、権力争いと宮廷内の複雑な人間関係が描かれた、緊迫感あふれるエピソードでした。特に、武媚娘びじょう蕭淑妃しょう・しゅくひの対立の火種が生まれた場面は印象的です。武媚娘びじょうは皇子、李忠り・ちゅうをいじめていた素節そせつを叱りますが、それが結果的に蕭淑妃しょう・しゅくひの怒りを買うことになります。正義感から行動した武媚娘びじょうですが、宮廷内での立ち回りの難しさが改めて浮き彫りになりました。

また、呉王ごおう長孫無忌ちょうそんむきの駆け引きも緊張感がありました。呉王ごおうは李績との関係を疑われ、皇帝からも警戒されています。長孫無忌ちょうそんむき呉王ごおうを陥れるために策略をめぐらせており、今後の展開が非常に気になります。

つづく