青玄は高陽公主と密かに連絡を取り合い、呉王を長安へ戻し、武媚娘を宮中に戻す計画を進めていた。そして皇帝と呉王の間に亀裂を生じさせ、呉王に謀仮を起こさせる算段だ。青玄は辯機のためにここまでする価値があるのかと高陽公主に問うが、彼女は父である皇帝に一生の幸福を壊されたため、皇帝の思い通りにはさせないと答える。
王皇后は李忠を連れて立政殿へ移る。出発前、李忠は亡き母、劉侍女に一人ひざまずき、忠誠を誓う。彼は王皇后が密かに母に毒を盛ったこと、そして武媚娘が劉侍女に自害を勧めたことを知っており、大人になったら必ず母の仇を討つと誓う。
夜、武媚娘は劉侍女のために灯を灯す。皇帝はなぜ劉侍女が自分が立政殿に入った途端に亡くなったのかを武媚娘に尋ねる。武媚娘はそれが自分と劉侍女の計画だったと白状する。皇帝は武媚娘が劉侍女と結託して王皇后を陥れたとは思いもよらず、高陽公主の誕生日宴会での茶のことで王皇后を責めるのはもうやめろと武媚娘を諭す。
劉侍女が称号のために皇后を陥れるのはまだ理解できると皇帝は言うが、王皇后は優しく道理をわきまえているので、武媚娘が無実の人を陥れる理由がないと言う。武媚娘は、王皇后が先に李忠を養子に迎えようとしたが、劉侍女が同意しなかったため、王皇后が毒を盛らせ、劉侍女の命はわずか七日となり、やむを得ず今の結果になったのだと説明する。劉侍女は宮中で地位が低いため、この件で王皇后を告発しても、結局うやむやになるだろうと話す。
皇帝はまた武媚娘と呉王の関係について尋ねる。武媚娘は外の噂はただの噂だと説明するが、皇帝は承慶殿で武媚娘と呉王が親密にしているところを目撃している。武媚娘は呉王を先帝と間違えたのだと弁明するが、皇帝は自分はまだ武媚娘の真心を得られていないと苦笑いする。
武媚娘は泣きながら皇帝に愛を告白するが、突然気を失ってしまう。皇帝は急いで侍医を呼び、診察させると、武媚娘は妊娠していることがわかる。蕭淑妃と王皇后は武媚娘の妊娠を知り、不安を抱く。蕭淑妃は術士を宮中に招き、武媚娘を流産させることを提案する。皇帝は朝廷の意向に従い、最終的に長男の李忠を皇太子に立てる。長孫無忌の部下たちは、皇太子は決まったものの、以前の女主武氏の予言を思い出し、武媚娘を排除するように上奏する。
皇帝は毅然とした態度で、自分は先帝ではない、自分はしがらみがない、以前も武媚娘を信じていたし、今も信じている、そしてこれからも信じ続けると宣言する。
第76話の感想
第76話は、武媚娘の巧みな策略と、それを取り巻く複雑な人間関係が描かれた、息詰まる展開でした。青玄と高陽公主の共謀、李忠の復讐心、そして武媚娘の妊娠など、今後の物語を大きく揺るがす出来事が次々と起こり、目が離せません。
特に印象的だったのは、李忠のシーンです。幼いながらも、母の死の真相を知り、静かに復讐を誓う姿は、彼の将来を闇示しているようで、胸が締め付けられました。王皇后に対する憎しみ、そして武媚娘への複雑な感情が、今後どのように変化していくのか、非常に気になります。
つづく