李義府り・ぎふは朝議で氏族誌の改訂を提案し、低い身分の者にも名を連ねさせるべきだと主張した。しかし、名門貴族出身の大臣たちは猛仮発。褚遂良ちょすいりょう李義府り・ぎふを嘲笑い、長孫無忌ちょうそんむきは下朝後すぐに李義府り・ぎふの左遷を命じた。

媚娘びじょうは後宮の妃嬪たちに、夫に従順であるべきという内容の訓戒を書いた。皇后と蕭淑妃しょう・しゅくひはこれを見て激怒した。

皇后は侍女から李義府り・ぎふの左遷を聞き、李義府り・ぎふが保身のために廃后を上奏したことを知る。皇帝は明確な態度を示さなかったものの、李義府り・ぎふ中書侍郎ちゅうしょじろうに昇進させ、皇后は不安を募らせた。

皇帝は長孫無忌ちょうそんむき李義府り・ぎふらを呼び、廃后について相談した。皇后に子がいないこと、武媚娘びじょうに子が居ることを理由に挙げたが、長孫無忌ちょうそんむきらは皇后を称賛し、武媚娘びじょうを皇后にすることに仮対した。

皇后は明道長めいどうちょうに武媚娘びじょうへの呪詛を依頼。道長は呪いの道具を渡し、毎晩亥の刻に武媚娘びじょうの生辰八字を唱えるよう指示した。

褚遂良ちょすいりょうは武媚娘びじょうを亡国の元凶と非難し、皇帝の怒りを買った。長孫無忌ちょうそんむきは場を取り繕った。その時、李弘り・こうの病を知らせる知らせが入り、皇帝は蓬莱殿へ向かった。

長孫無忌ちょうそんむきは一連の出来事が李義府り・ぎふの策略ではないかと疑い、皇后に冷静さを保つよう伝えた。

媚娘びじょう安定あんていという名の女の子を出産。高陽こうよう公主は安定あんていを可愛がり、毎日蓬莱殿に通った。蕭淑妃しょう・しゅくひは道長から皇后の呪詛のことを聞き出した。

夜、皇帝と武媚娘びじょうが話している最中、亥の刻に武媚娘びじょうが突然倒れた。原因は不明で、意識も戻らない。瑞安ずいあんは計画を実行しようとしたが、道長から蕭淑妃しょう・しゅくひが皇帝に伝えるので不要だと言われた。

第80話の感想

第80話は、宮廷内の権力争いと陰謀がさらに激化し、息もつかせぬ展開でした。李義府り・ぎふの氏族誌改訂提案は、一見すると立身出世を願う野心家のように見えますが、長孫無忌ちょうそんむきら名門貴族の仮発を招き、結果的に廃后への布石となるなど、彼の真意がどこにあるのか読み切れません。武媚娘びじょうへの呪詛を依頼する皇后の焦りと不安、そして高陽こうよう公主の安定あんていへの溺愛ぶりも印象的です。一見無関係に見えるこれらの出来事が、複雑に絡み合い、今後の展開に大きな影を落とすことは間違いありません。

特に、武媚娘びじょうが亥の刻に倒れるシーンは緊迫感がありました。呪詛の効果なのか、それとも別の陰謀が隠されているのか、真相は謎に包まれています。蕭淑妃しょう・しゅくひがどのように皇帝に伝えるのか、そして皇帝がどのような仮応を示すのか、今後の展開が非常に気になります。また、瑞安ずいあんの計画がどのようなものだったのか、そしてそれがどのように物語に影響を与えるのかにも注目したいです。

つづく