蕭淑妃しょう・しゅくひ常孝通じょうこうつうを皇帝に謁見させ、常孝通じょうこうつうは夜空を観察していると宮中で穢気が渦巻いているのを発見し、武媚娘びじょうが突然病気になったのは巫蠱の術によるものかもしれないと述べた。皇帝は宮中の穢気がどこから来たのかと尋ねると、常孝通じょうこうつうは百福殿の東側だと答えた。

皇帝は内侍監ないじかんに最も近い立政殿を捜索するよう命じた。内侍監ないじかんの常侍である劉孝りゅうこうは、宮中に突然刺客が現れたことを理由に立政殿を捜索する。おう皇后は、立政殿だけでなく、他の者も疎かにすることはできないと告げ、劉孝りゅうこうは仕方なく賢霊宮などの妃嬪の住居にも人を派遣して捜索させた。

最終的に内侍監ないじかん蕭淑妃しょう・しゅくひの寝殿で厭勝の物を見つけ、そこには武媚娘びじょうの生年月日が書かれていた。常孝通じょうこうつうは皇帝に、この厭勝の物を燃やせば武媚娘びじょうは目を覚ますだろうと告げた。その晩、蕭淑妃しょう・しゅくひ掖庭えきてい獄に幽閉された。元々蕭淑妃しょう・しゅくひおう皇后を陥れるために立政殿を監視させていたが、おう皇后はすでに彼女の策略を見抜いており、憐芝れんしに厭勝の物を賢霊宮に置かせていた。

明道長めいどうちょうは実際には武媚娘びじょう許敬宗きょけいそうに探させた道士であった。許敬宗きょけいそう明道長めいどうちょうの父親の命を救ったことがあり、そのため明道長めいどうちょうは忠実に武媚娘びじょうのために働いていた。

媚娘びじょうは目を覚まし、掖庭えきてい獄を訪れて蕭淑妃しょう・しゅくひに面会した。蕭淑妃しょう・しゅくひは武媚娘びじょうに、皇帝が武媚娘びじょうを欺いていることを知りたいかどうかと尋ねたが、武媚娘びじょうは拒否し、蕭淑妃しょう・しゅくひに挑発しないよう警告した。蕭淑妃しょう・しゅくひは、皇帝はおう皇后が武媚娘びじょうの子供を殺害したことを知っていながら黙っていると言い、皇帝が武媚娘びじょうを宮中に留めておくのは、自分の能力が先帝に劣っていないことを証明するためだと叫んだ。

宦官がおう皇后に、皇帝が武媚娘びじょうの世話をしたために風疾が再発したと告げた。おう皇后は急いで明道長めいどうちょうを連れて蓬莱殿に向かった。おう皇后は蓬莱殿で安定あんていを見つけ、その手を触れた。高陽こうよう公主は闇闇の中でこれを見ており、おう皇后が去った後、高陽こうよう公主は部屋に入ってきて安定あんていを絞め殺した。

媚娘びじょうが蓬莱殿に戻ると、安定あんていが死んでいるのを発見し、安定あんてい的の遺体を抱きしめて泣き崩れた。侍女は武媚娘びじょうに、おう皇后が先に蓬莱殿を訪れたことを告げた。高陽こうよう公主は武媚娘びじょうを訪ねてきて、おう皇后的の行為を早く暴露するよう促した。武媚娘びじょう安定あんてい的の遺体を抱きしめ、安定あんてい的の顔に印があることに気づいた。武媚娘びじょうは、この印が高陽こうよう公主が身につけている指輪と一緻することに思い至った。

第81話 感想

媚娘びじょうおう皇后、蕭淑妃しょう・しゅくひの三つ巴の争いが激化していく第81話。呪詛の道具を使った陰謀、皇子の死、そしてそれぞれの思惑が複雑に絡み合い、息もつかせぬ展開でした。

蕭淑妃しょう・しゅくひは武媚娘びじょうを失脚させようと呪詛の道具を仕掛けますが、おう皇后によって逆に罠にはめられてしまいます。常孝通じょうこうつうの証言、そして賢霊宮で見つかった証拠により、蕭淑妃しょう・しゅくひ掖庭えきてい獄へと送られることに。自らの策略が失敗に終わり、怒りと絶望に満ちた蕭淑妃しょう・しゅくひの姿は、権力争いの残酷さを改めて示しているようでした。

つづく