高陽公主は精鋭部隊を率いて感業寺外の騰龍穀に陣取り、皇家禁衛軍への攻撃を開始した。一方、武媚娘は李績の陣営を訪れ、ある玉佩を見せた。それは李績の妻の物だった。皇家禁衛軍に守られている妻の安全を人質に取られ、李績は武媚娘の要求に従い、感業寺へ救援に向かうことになった。
勝利を確信していた高陽公主だったが、李績の突然の来襲に遭い、部隊は壊滅状態に。高陽公主は混乱に乗じて馬で逃走した。
一年後、高陽公主は皇帝に跪き、命乞いをしていた。一年間ずっと悔い改めてきたこと、謀仮は房遺愛に唆されたことなどを訴え、唯一の妹である彼女を皇帝は許した。
房遺愛は薛万徹、柴令武らと共に処刑された。最期まで高陽公主がなぜ会いに来ないのかと気に掛けていた。高陽公主は辯機の遺骨を抱え、森の中を彷徨っていたところを武媚娘の手下に捕らえられた。武媚娘は高陽公主の行き先を問い詰める。太監たちが持つ白綾を見て、高陽公主は凍り付いた。
一年経っても皇帝が高陽公主を許したことに武媚娘は納得していなかった。罪を他人に押し付けても死からは逃れられない、陰謀によってどれだけの信頼を裏切ったのかと高陽公主を責めた。高陽公主は他人の生死などどうでもよく、辯機のことしか頭にないと叫ぶ。高陽公主が辯機と共に葬られたいと願っていることを見抜いた武媚娘は、その望みを葉えるつもりはなかった。
武媚娘は安定期を殺した犯人を決して許さないと宣言する。高陽公主は安定期を心から愛していたが、彼女を殺し、武媚娘と王皇后を争わせなければ、皇帝は長孫無忌に対抗するために武媚娘を守ろうとはしなかっただろうと、苦衷を訴えた。
武媚娘は、かつて徐慧と高陽公主の二人の女性を最も親しい友と思っていたが、女の浅ましい愛憎劇によって全てが壊されたと嘆く。高陽公主は武媚娘を刺そうとするが、逆に太監たちに白綾で首を絞められ、木に弔るされて死んだ。
第85話の感想
武則天の生涯を描いたドラマもいよいよ佳境に入り、第85話は高陽公主の最期という衝撃的な展開で幕を閉じました。権力闘争の渦中に巻き込まれ、愛する人を失い、最後は自らも命を落とす高陽公主の姿は、悲劇的ながらも強く印象に残ります。
特に、森の中で辯機の遺骨を抱え、逃げるように彷徨う姿は、彼女の心の脆さと孤独を象徴しているようで胸が締め付けられました。愛する辯機を失った悲しみ、そして謀仮という大罪を犯した自責の念に苛まれながらも、最期まで彼への想いを貫き通す姿は、哀れでありながらも、ある種の美しさを感じさせます。
つづく