皇帝は賀蘭敏月がらんびんげつの死を知り、武媚娘びじょうを問い詰めます。なぜ実の姪さえも容赦しなかったのかと。武媚娘びじょうは、賀蘭敏月がらんびんげつが皇帝を誘惑し、自分の地位を奪おうとしたため、排除したと説明します。

この一件で皇帝と武媚娘びじょうの間に溝ができ、皇帝は武媚娘びじょうを禁足処分にし、政務への関与を禁じます。李義府り・ぎふもまた、皇帝によって投獄され、雋州への流刑が決まります。武媚娘びじょうは牢にいる李義府り・ぎふを訪ねます。李義府り・ぎふは武媚娘びじょうの才能と実力を考えれば、後宮に留まるべきではないと言い、女帝になることを勧めますが、武媚娘びじょう李義府り・ぎふの言葉を妄言だと一蹴します。

大理寺だいりじは、賀蘭敏月がらんびんげつが武媚娘びじょうを毒殺しようと茶に毒を入れ、豫王よおうに罪をなすりつけようとしていたことを皇帝に報告します。皇帝はようやく武媚娘びじょうを誤解していたことに気づきます。

太子の師たちは、武媚娘びじょう李賢り・けんの様子を報告します。李賢り・けんは酒色に溺れ、政務に関心がなく、30歳を過ぎても成長が見られず、太子妃の韋氏の言いなりになっているため、国を任せられるか不安だと訴えます。

李賢り・けんは皇帝が亡くなれば国は自分のものになると考えています。しかし、彼の義父である韦玄貞いげんていは、現在の朝廷の臣下は皆、武媚娘びじょうに抜擢された寒門出身の学者であり、李賢り・けんが即位すれば、武媚娘びじょう李賢り・けんを傀儡皇帝にするだろうと指摘します。

韦玄貞いげんてい李賢り・けんにある策を授けます。皇帝の崩御ほうぎょ後、武媚娘びじょうを殉葬させるよう奏請させるのです。李賢り・けんは宮中でこの件を皇帝に話しますが、皇帝はもちろん同意しません。韦玄貞いげんていはこの内容を書いた紙を武媚娘びじょうに送り、皇帝の命令だと偽ります。

侍医は皇帝が間もなく崩御ほうぎょすると診断します。武媚娘びじょうは残りの時間を皇帝と共に過ごし、洛陽らくよう行宮あんぐうを散策します。皇帝は最後まで武媚娘びじょうを責めることなく、彼女の良さを褒め、愛情を伝えます。二人は一緒に花火を見、皇帝はその場で息を引き取ります。

皇帝が崩御ほうぎょし、武則天ぶ・そくてん 霊堂れいどうで弔っていると、李賢り・けんが部下を引き連れて現れ、偽の遺詔を読み上げます。その内容は、武媚娘びじょうを殉葬させるというものでした。

第95話の感想

第95話は、権力闘争の残酷さと愛憎入り交じる人間模様が描かれた、非常にドラマチックな展開でした。武媚娘びじょうの冷徹な判断と、皇帝との愛の深さの対比が印象的です。

賀蘭敏月がらんびんげつの死をめぐる皇帝との対立は、武媚娘びじょうの孤独と苦悩を浮き彫りにしました。彼女は権力を維持するために非情な決断を下す一方で、皇帝からの愛情を失うことを恐れているように見えました。李義府り・ぎふの女帝即位への助言は、武媚娘びじょうの将来を闇示する重要なシーンでした。

つづく