あらすじ

第35話の物語は、東伯雪鷹とうはくせつようとその仲間たちの生活と彼らが直面する試練を中心に展開します。

卓依たくいは街を歩いていると司徒鴻しとこうに出会い、彼が小さなウサギを助けるために魔法を使うのを見ます。また、彼は少年がウサギの新しい飼い主を見つけるのを手伝いますが、司徒鴻しとこうが言った「適者生存」という言葉は、卓依たくいに彼の正体について疑念を抱かせます。

仲間たちのもとに戻った卓依たくいは、自分の経験を共有し、司徒鴻しとこうは本質的に善良だと考えますが、東伯雪鷹とうはくせつようは懐疑的な態度を示します。彼は余靖秋よせいしゅうとの美しい時間を思い出し、過去に浸っていました。

余靖秋よせいしゅうは目を覚ました後、東伯雪鷹とうはくせつように会いたいと頼みますが、彼の集中力を乱さないために、最終的にその考えを諦めます。

池丘白ちきゅうはく東伯雪鷹とうはくせつように、過去を忘れて自己を向上させ、族の真の守護者になるように諭します。真の守護者になるためには、強大な武力だけでなく、強い心も必要です。魔族の情報を得るため、池丘白ちきゅうはくは危険を冒して魔族に潜入することを決意します。

一方、墨陽琛ぼくようちんはオランに騙されて大魔神ましん残身の新しい宿主になりますが、魔神ましんは彼の身体を嫌悪します。葉玫ようばいは、龍山りゅうざん楼に自分の決意を示すため、魔化された単大侠たんたいきょうを自らの手で殺さざるを得ません。

最後に、司徒鴻しとこうはオランの指示で東伯雪鷹とうはくせつように媚薬を使う準備をします。条件は、高位の魔族の秘術を手に入れることです。

ネタバレ

東伯雪鷹とうはくせつようと街歩き

東伯雪鷹とうはくせつようは気分転換のために街を散策していた。すると、司徒鴻しとこうが小ウサギに治療を施している姿を見かける。卓依たくいは、司徒鴻しとこうがウサギの飼い主探しを手伝う様子を見て、彼の優しさに感銘を受ける。しかし、司徒鴻しとこうが「物競天择、強則生存」と発言したことで、卓依たくいは彼の正体に疑問を抱き始める。

余靖秋よせいしゅうの願い

卓依たくい司徒鴻しとこうの話を東伯雪鷹とうはくせつように報告する。東伯雪鷹とうはくせつよう司徒鴻しとこうを信用していないが、余靖秋よせいしゅうは彼の本質は良い人だと信じている。余靖秋よせいしゅう東伯雪鷹とうはくせつように会いたいと願い、雪若霜せつじゃくそうに頼んで彼のもとを訪れる。しかし、落ち込んでいる東伯雪鷹とうはくせつようの姿を見て、余靖秋よせいしゅうも心を痛める。彼女は東伯雪鷹とうはくせつように想いを伝えようとするが、族の危機を考えると踏みとどまる。

池丘白ちきゅうはくからの忠告

池丘白ちきゅうはく東伯雪鷹とうはくせつように、執著を手放すように諭す。彼は、六大長老が葉玫ようばい司空陽しくうようしか残っておらず、大魔神ましんの残身がまだ見つかっていないことを心配している。池丘白ちきゅうはくは、東伯雪鷹とうはくせつよう族の守護者になるためには、武力だけでなく、孤独や無力感に打ち勝つ強さも必要だと教える。

魔族への潜入

魔族の計画を阻止するため、池丘白ちきゅうはくは魔族に潜入することを決意する。彼は、魔族から魔功秘籍を渡され、修炼することで忠誠心を証明する。しかし、練習中に魔毒を体外に出そうとしたことがオランに見破られ、警告を受ける。

墨陽琛ぼくようちんの野望

墨陽琛ぼくようちんは、太古たいこ血脈の秘密を明かさなかった墨陽瑜ぼくようゆに怒りを抱いていた。そこにオランが現れ、彼を魔族の聖術に選ばれたと告げる。墨陽琛ぼくようちんは、オランの言葉に従い、筋脈を開いて調息する。すると、大魔神ましんの残身が彼の体に入り込む。しかし、魔神ましん墨陽琛ぼくようちんの体を弱いと判断し、オランはより優れた器である池丘白ちきゅうはくを狙う。

東伯青石とうはくせいせきの決意

東伯青石とうはくせいせきは、族と兄を助けるため、龍山りゅうざん楼への加入を決意する。司安しあんは、血刃酒館けつじんしゅかん付近の魔族残党を討伐する任務を彼に与える。しかし、東伯雪鷹とうはくせつようたちが魔族残党を見つけると、それは魔化された単大侠たんたいきょうだった。葉玫ようばいは、彼を愛していたにもかかわらず、魔族として始末せざるを得ない状況に苦悩する。

司徒鴻しとこうの企み

司徒鴻しとこうは、墨陽琛ぼくようちんの体に魔神ましんが宿っていることを知る。オランは、彼に魔族の迷薬を渡し、東伯雪鷹とうはくせつようを倒すように命じる。条件として、魔族の高階秘術を提供すると約束する。

第35話感想

第35話は、東伯雪鷹とうはくせつようの苦悩と決意、そして魔族の陰謀が交錯する緊迫した展開が印象的な回でした。

東伯雪鷹とうはくせつようは、余靖秋よせいしゅうを失った悲しみから立ち直れず、心身ともに疲弊しています。そんな彼を支える池丘白ちきゅうはくの言葉は、心に響くものでした。族の守護者になるためには、武力だけでなく、孤独や無力感に打ち勝つ強さも必要だと諭す池丘白ちきゅうはくの姿は、まさに師匠の鑑と言えるでしょう。

一方、魔族は著々と計画を進めています。オランは、墨陽琛ぼくようちんを操り、大魔神ましんの残身を取り込ませました。さらに、司徒鴻しとこうを味方につけ、東伯雪鷹とうはくせつようを抹殺しようと企んでいます。

つづく