あらすじ
第13話は、沈璃、拂容、そして行止をめぐる出来事を描いています。
物語は、行止が沈璃を誘い、街のにぎわいを楽しむ場面から始まります。一方、拂容は一人で霊界の遊郭へ赴き、そこで騒動を起こしてしまいます。拂容が夜通し帰ってこないため、沈璃は人を連れ捜索に向かい、彼女が花魁と揉めている現場を見つけます。この拂容の行動に沈璃は呆れ、仙界に報告します。行止から問いただされた沈璃は、拂容のことは好きではないものの、霊尊を失望させたくないため、政略結婚の重要性を理解していると答えます。
その後、体調を崩した沈璃は、行止の神力によって熱を下げてもらいます。行止は、沈璃が無情蠱に侵されているのではないかと疑います。また、拂容は墨方のせいで再び問題を起こし、挙句の果てには婚約破棄を申し出ます。事態を収拾しようと、沈璃は自ら行動を起こし、軍営で武術の稽古をすると宣言します。行止も参加し勝利を収めた後、沈璃と兵士たち、特に墨方との関係を尋ねます。沈璃は、皆同僚であると説明します。最後に、行止が自分の行いを天君に報告したことを知った拂容は、大きな衝撃を受けます。
ネタバレ
行止は沈璃に兵器を探す口実で、市場を散策し、お茶を飲んだり軽食を楽しんだりするよう誘った。一方、拂容は退屈しのぎに魔界の遊郭へ繰り出し、そこで妖艶な花魁に魅瞭される。花魁は客たちの前で挑発的な踊りを披露した後、酒を勧めてきた。拂容は最高の料理を味わうため、大金をはたいて豪遊した。
翌朝、肉丫は沈璃に拂容が夜通し帰ってきていないことを伝えに走る。沈璃は墨方と共に拂容を探しに向かうと、なんと拂容は騒ぎを起こそうと花魁の足にしがみついていた。花魁は拂容を罵倒し、沈璃も驚きを隠せない。拂容の奔放さに呆れた沈璃は、仙界に手紙を書き、拂容の魔界での行動を事細かに報告した。
行止はなぜ沈璃が魔尊に手紙を書かないのかと尋ねる。沈璃は今回の婚姻が魔界にとって重要であることを理解しており、拂容は好きではないものの、魔尊を再び失望させたくないと考えていた。沈璃の心中を聞いた行止は、かつて自分が軽率に縁談をまとめたことを後悔し、自業自得だと苦い思いを味わう。
魔尊から碧海倉珠を返されて以来、沈璃は動悸に悩まされていた。そして数日後の夜、高熱にうなされる。肉丫はまず拂容を探すが部屋にはおらず、仕方なく行止を呼びに行く。行止は沈璃の脈を取り、自らの神力で熱を下げる。沈璃の容態が少し落ち著いたのを見て、行止は退出する。庭に出た行止は、沈璃が無情蠱に侵されているのではないかと疑い始める。
以前、花魁の足にしがみついた拂容は墨方に殴られた。墨方はいつも仏頂面だが、拂容は彼に興味を持ち、暇さえあれば軍営を訪れるようになる。沈璃は拂容の行動に手を焼き、これ以上振り回されるのはごめんだと考え、墨方を「自分の人」だと拂容の前で宣言する。婚前で他の男を自分のものと言う沈璃に、拂容は驚き、行止に結婚を破棄したいと訴える。その時、なんと拂容も軍営にいた。拂容はたまたま通りかかっただけだと弁解するが、自由に歩き回れるのだから当然だと開き直る。
沈璃が墨方を「自分の人」と言ったのを聞き、行止は嫉妬心を覚える。さらに、沈璃が軍営の兵士たちと親しく肩を組む様子を見て、いてもたってもいられなくなる。沈璃が軍営で武術の試合を行い、勝者には酒を振る舞うと聞いた行止は、自ら擂台に上がり沈璃と対戦する。沈璃は行止の行動に驚くが、十招戦っても勝つことができない。行止は身軽な動きで華麗な技を繰り出し、電光石火の速さで勝利を収め、周囲を感嘆させる。しかし、行止は酒を求める代わりに、沈璃に三つの質問を投げかける。
行止は沈璃に、先ほど親しげに話していた兵士たちとの関係を問う。二人の兵士は行止の意図が分からず困惑する。彼らは既婚者であり、目の前の人は自分たちの王なのだから。沈璃は同僚だと答えるが、行止が墨方を指して彼との関係を尋ねると、沈璃は自分が墨方を「自分の人」と言ったことが行止の気に障ったのだと理解する。しかし、つい先日墨方を断ったばかりであり、大勢の前で墨方に迷惑をかけるわけにはいかない。沈璃は墨方も同僚だと答えるしかない。満足のいく答えを得た行止は、皆で酒を酌み交わす。拂容は行止が自分のために動いたと思い込み、感謝の意を表する。しかし、行止が魔界での拂容の言動を天君に手紙で報告したと告げると、拂容は青天の霹靂に打たれたように言葉を失う。
第13話の感想
第13話は、沈璃と行止の関係に少しずつ変化が現れ始め、今後の展開が気になる回でした。特に、行止が沈璃への想いを自覚し始める様子が印象的です。市場でのデートシーンでは、沈璃のために気を配り、優しい一面を見せる行止。しかし、沈璃が墨方を「自分の人」と言った途端、嫉妬心を露わにし、ついには自ら擂台に上がって実力を見せつけるなど、男らしい一面も垣間見えました。
一方、沈璃は相変わらず自由奔放で、行止の気持ちに全く気づいていない様子。むしろ、墨方との関係を誤解されないよう、必死に否定する姿が微笑ましいです。二人のすれ違う想いがもどかしくもあり、今後の関係の変化に期待が高まります。
また、拂容の行動も相変わらずで、花魁への執著や、沈璃への仮抗的な態度は、物語に波乱を巻き起こす予感を感じさせます。特に、行止に結婚の破談を申し出るシーンは、今後の三角関係を闇示しているようで、目が離せません。
つづく