あらすじ
第十六話は、霊界にかけられた濡れ衣を晴らすため、沈璃と行止が協力して人間界の浮生門を探し出し、そこへ足を踏み入れる物語です。浮生門の中では、沈璃は魑魅魍魎と勇敢に戦い、最後の魑魅から地仙の牢獄と黒幕の隠れ家の場所を聞き出します。沈璃は行止に地仙の救出を任せ、自身は黒幕である苻生に挑む決意をします。苻生は沈璃の部下である子夏を利用し、戾気で操って悪事を働かせていました。かつての部下を前に沈璃は心を痛め、苻生に捕らえられてしまいます。しかし、間一髪で駆けつけた行止が浮生門を氷封し、沈璃を救い出し、瘴気を払い除けます。
一方、景言は毒に侵された施蘿の看病をしていましたが、景惜と拂容が近づく様子に嫉妬心を抱きます。
ネタバレ
沈璃と行止は人間界に潜む浮生門を探し求めていたが、なかなか見つけられずにいた。しかし、行止が沈璃の髪の毛一本を用いて陰霾を払うと、突如浮生門が現れた。
門の中は魑魅魍魎が跋扈する危険な場所で、戾気が満ちていた。沈璃は勇敢に戦い、多くの魑魅を倒した。最後の魑魅から、左手に捕らわれた地仙たちの牢獄、右手に黒幕の潜伏場所があることを聞き出す。沈璃は地仙の救出を行止に任せ、自身は右へ向かった。霊界の仕業という噂が人間界に広まり、霊界の名誉を傷つけているため、沈璃は見過ごすわけにはいかなかった。
ついに黒幕である苻生と対峙した沈璃。苻生は人間であった。沈璃は、既に戦死したと思われていた部下の子夏が、苻生の戾気によって操られ、悪の手先となっていたことを知る。子夏に手をかけることを躊躇う沈璃の慈悲の心を突かれ、苻生は沈璃の首を締め上げ、瀕死の状態に追い込んだ。間一髪で駆けつけた行止は、愛する沈璃の姿を見て激怒し、浮生門を氷漬けにした。魑魅魍魎は凍りつき、瘴気は消え去り、救われた人々は歓喜に沸いた。
行止は重傷を負った沈璃を抱きしめ、自分がいる限り霊界と人間界を守ると優しく声をかけた。いつもは自分が他者を守る沈璃にとって、守られる経験は心に深く響いた。
一方、景言は瘴気に侵された施蘿を介抱していた。景惜と拂容が親しくしている様子を見て、嫉妬心を抑えきれずに景惜に忠告する。
行止は気を失った沈璃を抱えて書院に戻った。普段は強い碧蒼王の弱った姿を見た拂容は心を痛めた。行止は拂容に仙界へ戻るよう指示し、地仙拉緻事件の異常性と、黒幕を倒したものの共犯がいる可能性を伝え、仙界に警告するよう頼んだ。
拂容は景惜の前世が景言に傷つけられたことを知っており、景惜のためにわざと景言に近づいた。景言は嫉妬しながらも、施蘿への恩返しとして彼女を助けていると景惜に説明した。それを聞いた景惜は何も言えなくなった。
行止はこの景言が清夜であることを見抜き、一緒に散策しながら彼の神格を呼び覚まし、苻生について尋ねた。清夜は、苻生の前世が大公子の幕僚で、悪事に加担したため処刑されたことを思い出した。
第16話の感想
第16話は、沈璃の強さと脆さ、そして行止の深い愛情が際立つエピソードでした。いつもは勇敢に戦う沈璃が、部下を操られ、命の危険に晒される姿は見ていて辛く、彼女の責任感と優しさゆえの苦悩が伝わってきました。窮地に陥った沈璃を救う行止の迅速な行動と、彼女を優しく包み込む姿からは、彼の沈璃への深い愛情を感じ、胸が締め付けられました。
また、景言、景惜、拂容の三角関係も複雑な展開を見せています。拂容の行動の真意はまだ分かりませんが、景惜を想う優しさからきていることは間違いなさそうです。景言と施蘿の関係性も気になるところで、今後の展開に期待が高まります。
つづく