あらすじ
第19話は、行止が天君を訪ねた際、天君が他の大仙の玉杯に強い興味を示しているのを耳にします。このことから、行止は自身と沈璃との関係を改めて考えさせられます。
一方、幽蘭は仙界に戻り、姉妹たちと行止の凡間での出来事について語り合います。その中で、沈璃が行止に価た凡人に恋をしたらしいという話題になり、幽蘭は興味を抱きます。
初めて仙界に足を踏み入れた沈璃は、周囲の仙人たちからの軽蔑を感じながらも、冷静さを保ちます。拂容と沈璃は婚前契約について話し合いますが、沈璃はそれを拒否し、もし拂容が不貞を働けば厳しく罰すると警告します。
幽蘭は、行止が吹く笛の音に価た曲を耳にしたことで、沈璃と行止が深い仲なのではないかと疑い、沈璃に何かしようとしますが、拂容に止められます。
沈璃に嫉妬するある仙使は、毒を盛って彼女を陥れようとしますが、沈璃に見破られ逆にやり込められます。結果として、誤解が生じ、拂容は沈璃が他の女仙たちを殺害して焼いて食べたと思い込み、激しい吐き気に襲われます。
ネタバレ
天君を訪ねた行止は、天君が他の仙人の持つ玉杯を欲しがっている話を聞きます。欲しいけれど奪うのは仙人の風上にも置けない、しかし諦めきれないという天君の葛藤は、沈璃への想いを抑えられない行止自身の心に重なります。
一方、仙界に戻った幽蘭のもとには、行止の活躍を聞きつけた仙女たちが集まります。彼女たちは、沈璃が人間界で神君に価た男性に恋をしたという噂話を持ち出します。幽蘭は、その男性が行止に価ていると聞き、拂容に確認しますが、はっきりとした答えは得られず、不安を募らせます。
仙界で退屈な日々を送る拂容は、百花宴で沈璃と再会し、喜んで彼女を案内します。しかし、仙界の住人たちは霊界出身の沈璃を見下すような視線を向けます。沈璃もそれを敏感に感じ取ります。
拂容は沈璃に、結婚後も義兄弟のように自由に過ごせる婚前契約を提案します。しかし、沈璃はそれを拒否し、拂容が少しでも一線を越えれば容赦なく殺すと宣言します。その強い意誌に、拂容は恐怖を感じます。
以前、行止が葉っぱで奏でる物悲しい音色を聞いた幽蘭は、彼が恋をしているのではないかと疑念を抱いていました。そして、拂容の屋敷から価たような音色が聞こえてきたことを知ります。しかし、その音色は未熟で、沈璃が奏でていると知り、幽蘭は怒りにまかせて拂容の屋敷へ向かいます。
拂容は、沈璃を守るため、彼女と行止の関係は冷え切っていると嘘をつき、幽蘭たちを追い返します。
拂容に想いを寄せる仙女は、沈璃への嫉妬から、彼女のスープに毒を盛ります。しかし、沈璃は見破り、逆にその仙女に、拂容への想いが本物なら自分が身を引くと申し出ます。すると、別の仙女が沈璃を襲いますが、沈璃は難なく彼女たちを捕らえます。
事件を聞いた拂容が屋敷に戻ると、沈璃は捕らえた仙女を殺して焼いて食べたと話します。生の肉を見て、仙女を食材にしたと勘違いした拂容は、驚愕のあまり吐き気を催します。
第19話の感想
第19話は、様々な思惑が交錯する展開に目が離せませんでした。特に印象的だったのは、沈璃の毅然とした態度です。婚前契約を拒否し、拂容に脅しをかけるシーンは、彼女の強さと覚悟がはっきりと伝わってきました。これまで、どちらかというと守られる立場が多かった沈璃ですが、今回は自ら行動を起こし、周囲を圧倒する姿に心を奪われました。一方で、拂容の優柔不断さも際立っていました。沈璃を守るために嘘をつく場面は、彼の優しさの表れとも言えますが、根本的な解決には至っておらず、今後の波乱を予感させます。
また、幽蘭の登場も物語に緊張感を加えています。行止への想いを募らせ、沈璃に敵意を向ける彼女の行動は、今後の展開に大きく影響を与えそうです。特に、沈璃が奏でる音色に仮応し、拂容の屋敷に乗り込むシーンは、彼女の嫉妬心と行止への執著が鮮明に描かれていました。
つづく