あらすじ
第二話では、行雲の小さな家で怪我の療養をする沈璃の日常が描かれています。彼女は徐々に生活に慣れてきましたが、日々の食事には少し飽きていました。しかし、行雲の世話への感謝から、術を使って彼の生活を良くしようと試みます。残念ながら点石成金は失敗に終わります。
沈璃の願いを葉えようと、行雲は街に出て占いをして肉と金を稼ぎ、隠れた才能を見せます。出徴した夫を探してほしいという農婦の依頼に、行雲は心を痛めながらも、占いで人を欺くことはしないと決意します。
結局、沈璃は農婦の夫の魂がずっと傍で見守っていたことに気づき、行雲が術を使って夫婦を一時的に再会させます。
ネタバレ
沈璃は庭で過ごすうちに、傷の治りが早いことに気付く。行雲は規則正しく食事を与え、言葉も理解しているようだ。沈璃はしばらくここに留まり、体力を回復してから出発することに決めた。
数日後、行雲は手作りの桂花糕を持ってきたが、沈璃は少し飽きていた。肉を買って食生活を改善しようと提案するも、行雲は金欠で、洗った人参を薬屋と薬と交換しなければならないと話す。沈璃は同情し、恩返しにと、夜中にこっそり点石成金の術を試みる。何度も硬いくちばしで石をつつくが失敗し、行雲に冷ややかに見守られながらも諦めず、ついに脳震盪を起こしそうになり、倒れて眠ってしまう。
行雲は肉を買うことを決意し、翌朝早く出かけようとする。行雲がいつもと違って竹籠を背負っていないのを見て、沈璃は道具を持っていくように促す。行雲は今日は市に行くと言い、暇を持て余した沈璃を連れて行くことにした。
市場で新鮮な豚肉を見て、沈璃はよだれを垂らす。行雲は懐を探るが、金が足りないことに気付く。沈璃のために、易者の商売を横取りし、占いを始める。驚くほど正確な占いで、肉二切れと賭けに勝った十文を手に入れる。一石二鳥である。
美味しい食事を終え、沈璃は行雲の才能に感心し、なぜ山で人参を掘っているのか尋ねる。行雲は、幼い頃から不思議な力に気づいていたが、占いは良い商売ではないと語り、今の質素な生活に満足していると言う。せっかくの商売をしない行雲に、沈璃は驚きを隠せない。人間は裕福な暮らしを求めるものではないのか?
翌朝、行雲が扉を開けると、農婦が慌てて訪ねてくる。彼女は行雲を昼間の易者だと確信し、戦地にいる夫の居場所を占ってほしいと懇願する。沈璃は農婦の夫が戦死したことを察する。行雲も心を痛めるが、夫の居場所は占えないと告げる。
農婦が絶望して去っていくのを見て、沈璃は行雲を責める気持ちになる。行雲は何かを察しているようだが、口を開かない。夜、沈璃はこっそり農婦の家へ向かい、行雲も後を追う。
農婦の家に著くと、沈璃は昼間感じた奇妙な気配が、農婦の夫のものだと気付く。十五年前、農婦の夫は戦死し、その勇敢さを称えられ仙人となったが、農婦を心配して天界に行かず、側に留まり守っていたのだ。しかし、農婦はそれに気づかず、十数年間も夫を想い続けていた。
行雲は術を使い、夫を農婦の前に現れさせる。再会を喜ぶ夫婦の姿に、沈璃は心を打たれる。しかし、人間と仙人は長く一緒にいると、人間の寿命が縮まってしまう。行雲は沈璃に早く伝えるように促し、決断を迫る。時間は限られている。
第2話の感想
第二話は、沈璃と行雲の絆が深まるエピソードでした。最初は自分のことしか考えていなかった沈璃が、行雲の優しさや誠実さに触れ、少しずつ変化していく様子が丁寧に描かれています。点石成金に失敗するコミカルなシーンや、行雲の機転で美味しい豚肉を手に入れるシーンなど、笑いを誘う場面もありつつ、農婦とその夫の再会という感動的なシーンで締めくくられる構成は見事でした。
特に印象的だったのは、行雲の生き方です。不思議な力を持っているにも関わらず、それを金儲けに利用せず、質素な生活を送る姿は、現代社会において忘れられがちな大切な価値観を思い出させてくれます。沈璃が彼の生き方に疑問を抱くシーンは、私たち視聴者にも問いかけているように感じました。本当に大切なものは何なのか、改めて考えさせられるエピソードでした。
また、行雲が農婦の夫の居場所を占わなかった理由も気になります。何か事情があることは明らかですが、それが何なのか、今後の展開で明らかになることを期待しています。沈璃と行雲の関係性の変化、そして行雲の過去に隠された秘密など、今後の物語がますます楽しみになる第二話でした。
つづく