あらすじ
第二十三話は、沈璃と苻生の激しい戦闘、そしてそれによって明らかになった墨方の内通者としての正体を中心に描かれています。
戦闘中、苻生は止水術と傀儡を使って沈璃に立ち向かいますが、沈璃は強大な対応力を見せつけます。墨方が現れ、苻生に退却を命じた時、沈璃は墨方が裏切り者であるという衝撃の事実を知ることになります。旧友の裏切りに、沈璃は心の底から苦悩しますが、感情の葛藤の中で墨方に手をかけることができませんでした。
苻生が功力を増し、沈璃を攻撃する中、墨方は沈璃を逃がそうとしますが、沈璃はついに苻生に重傷を負わされます。碧海倉珠を敵の手に渡さないため、沈璃は自らを犠牲にして苻生と心中することを選びます。
ネタバレ
沈璃は苻生と激戦を繰り広げていた。苻生は止水術で巨大な波を繰り出したが、沈璃は軽々と避けた。苻生は更に大量の傀儡を操り、沈璃の体力を消耗させようとした。仮撃に出ようとしたその時、沈璃は墨方の姿を見つける。苻生は墨方を「少主」と呼び、沈璃を倒す許可を求めた。墨方は沈璃に複雑な感情を抱きながらも、苻生に兵を退くよう命じた。しかし、碧海倉珠が目前に迫っているため、苻生は聞き入れなかった。
沈璃は失望に打ちひしがれた。前回の霊界大戦での敗北は、墨方の裏切りが原因だったのではないかと疑念を抱く。かつての友が敵に回り、沈璃は墨方に罪を認めるよう問い詰めた。墨方は再び苻生に退却を促したが、逆に拘束されてしまい、傀儡による攻撃は続いた。ついに沈璃は湖底に沈められ、氷漬けにされてしまう。
しかし、沈璃は結界を破り、苻生と墨方を倒した。裏切り者である墨方に、沈璃はとどめを刺すことができない。その隙に、苻生は闇の力を吸収しパワーアップ、空は闇雲に覆われた。墨方は沈璃に逃げるよう指示し、方向を指し示した。沈璃は迷いながらも、涙を流しながら墨方の言葉に従った。だが、苻生は追いつき、黒い爪で沈璃の心臓を貫いた。沈璃の体内で碧海倉珠が激しく揺れ動き、今にも奪われそうになった。
大切なものを敵の手に渡すまいと、沈璃は自爆を選択。苻生もろとも消滅し、碧海倉珠を守り抜いた。最期の瞬間、沈璃は行止と彼の作ってくれた料理を思い出し、無念の涙を流した。
尚北仙君は沈璃の遺品を持ち帰った。目覚めた霊尊は沈璃の死を深く悲しみ、婚約を破棄した。尚北仙君は仙界へ報告に向かう。凌霄殿で尚北仙君と出会った拂容は、異変に気付く。
沈璃の戦死の報を聞いた行止は激昂し、尚北仙君の首を掴んで問い詰めた。沈璃の遺体が見つかっていないことを知り、行止は自ら東海の真相を探るべく旅立つ。
第23話の感想
第23話は、まさに怒涛の展開でした。沈璃と苻生の戦闘シーンは迫力満点で、止水術や傀儡を使った苻生の攻撃は見ていて圧巻でした。しかし、それ以上に心に響いたのは、沈璃と墨方の再会シーンです。かつての友が敵として現れ、沈璃の戸惑いと悲しみは痛いほど伝わってきました。墨方はなぜ裏切ったのか、真意はまだ分かりませんが、彼の複雑な表情からは、何か事情がありそうです。
沈璃の自爆シーンは、涙なしでは見られませんでした。愛する者と大切なものを守るための、彼女の決断はあまりにも切なく、そして勇敢でした。最期に、行止と彼の料理を思い出したシーンは、彼女の深い愛情を感じさせ、胸が締め付けられました。行止が沈璃の死を知った時の様子も、彼の沈璃への想いの深さを物語っています。沈璃の遺体が見つかっていないことから、もしかしたら生きているという希望も捨てきれません。行止が真相を突き止め、沈璃が生きていることを願わずにはいられません。碧海倉珠の行方も気になります。今後の展開に目が離せません。
つづく