あらすじ
第四話では、沈璃と行雲の互いへの理解と愛情が深まっていく様子が描かれています。
当初、沈璃は行雲の素性に強い疑念を抱き、彼のノートをこっそり読んで手がかりを探ろうとしますが、行雲に見つかってしまいます。時が経つにつれ、沈璃は怪我の癒えない行雲の世話をするために留まることを決意し、二人は共同生活を始めます。沈璃は行雲のために料理を作るなど、これまで経験したことのない温かい時間を過ごします。
そんな中、彼らは街の少主、顧成睿の嫌がらせを受けます。沈璃は行雲を守ろうと立ち向かい、その際に彼の目の怪我に気付きます。報復を避けるため、行雲は沈璃を連れて顧成錦の助けを求めます。この過程で、行雲は沈璃が他の人と交流することに不満を示します。
ネタバレ
神域の碧蒼王、沈璃は行雲の正体を探ろうと、彼の留守中に機の上のノートをこっそり見てみた。内容は天気や植物の観察記録ばかりで、つまらない男だと彼女は思った。しかし、ふと顔を上げると、行雲が目の前に座っていた。慌てて、落ち葉を挟んでいたと言い訳する沈璃。
行雲の生活は質素で、収入源も不明。絵を描いたり、月を眺めたり、ぼーっとしていることが多い。正体は依然として謎だが、沈璃は彼の怪我が治るまで一緒にいることにした。
碧蒼王でありながら、沈璃は行雲のために料理を始める。行雲も彼女の存在に慣れてきて、あれこれと指図するようになる。しかし、行雲に優しく食事に呼ばれた時、沈璃は今まで感じたことのない温かさ、まるで自分が守られているような感覚を覚えた。
ある日、城主の座を狙う顧成睿が、占いを頼みに押しかけてきた。行雲が断ると、彼は行雲に暴力を振るい始めた。沈璃はすかさず成睿とその手下を懲らしめた。しかし、行雲が目を負傷していることに気づき、この弱々しい男がなぜあんなに冷静でいられたのか、疑問に思った。
夜、行雲は沈璃の手の傷に薬を塗ってくれた。沈璃はその優しさに心を打たれる。一方、成睿は復讐を企て、苻生に相談する。行雲は報復を予感し、翌日、沈璃を連れて顧成錦の元を訪れた。
錦月府で、沈璃は小さな河童を見つけるが、成錦が妖怪を大切にしている様子を見て、捕獲を諦めた。行雲は成錦と沈璃の親しげな様子に嫉妬しているようだった。
最終的に、成錦は行雲の話を信じ、彼らを助けることを約束した。錦月府を出て、行雲はもらったお金を握りしめ、肉が食べられると喜んだ。行雲の作る紅焼肉はとても美味しかった。しかし、沈璃は自分がここにいることが行雲にとって危険だと悟り、天界も自分を捜索していることから、そろそろ帰るべき時だと感じ始めていた。
第4話 感想
第四話は、沈璃と行雲の静かな共同生活を通して、二人の距離が少しずつ縮まっていく様子が丁寧に描かれていました。沈璃は行雲の正体を疑いながらも、彼の穏やかな人柄に触れ、次第に心を許していく過程が繊細に表現されています。特に、行雲に優しく食事に呼ばれたシーンは、沈璃の心の変化が感じられ、印象的でした。
行雲は一見頼りなく見えますが、顧成睿の横暴な振る舞いにも動じず、沈璃の手の傷を優しく手当てするなど、芯の強さと優しさを持ち合わせていることが分かります。彼の謎めいた部分も、物語の今後の展開への期待を高めています。
つづく