あらすじ

第八話では、墟天淵きょてんえんの瘴気が濃くなる危機に直面する沈璃シェン・リーの姿が描かれています。子夏ズー・シャ神君は魑魅チミに殺されてしまい、沈璃シェン・リーは復讐心に燃え、自ら戦いに赴きたいと願いますが、師匠はそれを許さず、子夏ズー・シャの代わりに数名の戦将を派遣するのみでした。霊界が仙界の道具のように扱われていると感じた沈璃シェン・リーは、表向きは閉関すると見せかけて、密かに墟天淵きょてんえんへ向かい復讐を果たそうとします。碧蒼王へきそうおうの加勢もあり、霊族レイゾクの士気は大いに高まり、魑魅チミとの激しい戦いが繰り広げられます。幾度もの激戦と墨方ボク・ホウの犠牲を経て、沈璃シェン・リーはついに魑魅チミを倒すことに成功しますが、自身も深い傷を負ってしまいます。意識が朦朧とする中、彼女は行止コウ・シ行雲コウ・ウンと見間違え、彼の手料理が食べたいと呟いて気を失います。目を覚ました沈璃シェン・リーは、墨方ボク・ホウの好意をやんわりと断り、行止コウ・シが霊界のために瘴気の封印と結界の強化に尽力していることに気づきます。同時に、行止コウ・シ行雲コウ・ウンのあまりにも価た容姿に疑問を抱き、行止コウ・シに尋ねますが、彼は行雲コウ・ウンとの面識を否定します。

ネタバレ

墟天淵きょてんえんの瘴気が深刻化する中、第8話では沈璃シェン・リー子夏ズー・シャ神君の死という悲劇に見舞われます。配下の神君を魑魅チミとの戦闘で失い、師匠の仙界贔屓に憤慨した沈璃シェン・リーは、独断で墟天淵きょてんえんへ乗り込みます。師匠はそれを黙認しました。

碧蒼王へきそうおうこと沈璃シェン・リーの参戦により霊族レイゾクの士気は大いに高まります。彼女は上古神獣である魑魅チミと激戦を繰り広げ、強力な竜巻を巻き起こすほどの猛攻を見せます。しかし、墨方ボク・ホウが身を挺して沈璃シェン・リーを庇った隙に、魑魅チミ沈璃シェン・リーを飲み込んでしまいます。

絶望に包まれる霊族レイゾク軍。しかし沈璃シェン・リーは諦めず、魑魅チミの腹を内側から突き破り、金光と共に生還、魑魅チミを討ち取ります。瀕死の魑魅チミは、自分を倒したのが碧蒼王へきそうおうであることを悟ります。

戦後、深手を負った沈璃シェン・リー行止コウ・シの姿を亡き行雲コウ・ウンと見間違え、行雲コウ・ウンへの想いを口にします。行止コウ・シ沈璃シェン・リーを抱きかかえ、彼女を陣営へ運びます。婚約を心配する兵士たちの声も意に介さず、その堂々たる振る舞いは、墨方ボク・ホウに強いライバル心を抱かせます。

目覚めた沈璃シェン・リー墨方ボク・ホウの好意をはっきりと拒絶します。その後、行止コウ・シは瘴気の封印と結界の強化に協力することを決め、沈璃シェン・リーの神力を三日以内に回復させると約束します。そして、沈璃シェン・リー自身に案内を頼むことで、墨方ボク・ホウに更なるプレッシャーを与えます。

沈璃シェン・リーは再び行止コウ・シを目の前にし、行雲コウ・ウンへの未練を断ち切れないまま、涙を流します。行雲コウ・ウンのことを尋ねる沈璃シェン・リーに対し、行止コウ・シは冷静に会ったことがないと答えます。侍衛から行止コウ・シが霊界の問題解決に協力することを聞かされた沈璃シェン・リー行雲コウ・ウンと瓜二つの上古最後の戦神である行止コウ・シの出現は、沈璃シェン・リーに希望と同時に大きな謎をもたらすのでした。

第8話の感想

第8話は、沈璃シェン・リーの悲しみと決意、そして行止コウ・シの登場という重要な局面を描いた、息詰まる展開でした。子夏ズー・シャ神君の死は、沈璃シェン・リーにとって大きな痛手であり、仙界への不信感を募らせるきっかけとなりました。彼女の師匠は仙界の安定を優先し、霊界の現状を軽視しているように見えます。この不公平感こそが、沈璃シェン・リーを独断での行動へと駆り立てたのでしょう。

魑魅チミとの戦闘シーンは圧巻でした。上古神獣の圧倒的な力と、沈璃シェン・リーの激しい抵抗がぶつかり合い、手に汗握る攻防が繰り広げられました。墨方ボク・ホウの自己犠牲は、沈璃シェン・リーへの深い忠誠心を示すと同時に、彼女の心に更なる苦悩をもたらしたはずです。沈璃シェン・リー魑魅チミの腹を突き破り生還するシーンは、まさにカタルシスを感じさせる名場面でした。

そして、物語の鍵を握る人物、行止コウ・シが登場します。亡き行雲コウ・ウンに瓜二つである彼の存在は、沈璃シェン・リーにとって希望の光であると同時に、大きな謎でもあります。行止コウ・シの冷静沈著な態度や圧倒的な力は、周囲に畏敬の念を抱かせ、墨方ボク・ホウにとっては強力なライバル出現となりました。行止コウ・シが今後、沈璃シェン・リーと霊界にどのような影響を与えるのか、今後の展開が非常に楽しみです。

つづく