あらすじ

2018年秋、W星発射シミュレーション演習中、軌道W星監視管理センターはテレメトリ信号異常という問題に遭遇した。エンジニアの徐燕時シュー・イエンシーは、パラメータ設計が不合理なため抗幹渉能力が弱いためだと迅速に診断し、解決策を提示した。

同時期、東和グループの跡継ぎである向園は、結婚を迫る祖父からのプレッシャーに直面していた。結婚しない権利を勝ち取るため、彼女は破産寸前の維林株式会社を救うべく西安へと向かう。空港で、向園は徐燕時シュー・イエンシーと偶然再会するが、気づかれないように帽子で顔を隠し、広東語がわからないふりをする。

予期せぬ再会に、気まずい雰囲気ながらも、お互いの心は波立っていた。西安に到著した向園は、交通問題や「コネ入社員」としての身分に対する疑問など、新たな課題に直面する。この出会いは、二人の複雑な過去を明らかにするだけでなく、未来の可能性と変化を予感させるものだった。

ネタバレ

2018年の秋、W星打ち上げシミュレーションが佳境を迎えていた。監視センター第三室では、スタッフが固唾を飲んでデータを見守る中、徐燕時シュー・イエンシーは遥測信号の異常を発見。鋭い分析でパラメータ設定の問題点を突き止め、軌道投入前に解決できると判断する。

一方、東和グループのお嬢様、向園は、祖父から結婚を迫られていた。彼女は一年以内に維林社の市場シェアを10%上げることを条件に猶予を勝ち取り、倒産寸前の会社を救うため西安へと向かう。

空港で、向園は暇つぶしにゲームをしながら友人と電話をしていた。隣に座る少年にスナック菓子をあげようとするも無視され、後から来た友人にそれを押し付ける。実はその少年は徐燕時シュー・イエンシーの弟で、向園の行動を兄に愚痴っていたが、彼女は知る由もなかった。

西安に到著し、タクシーを待つ向園。相乗りを提案され一度は断るも、祖父との約束を思い出し承諾。乗り込んだ車内で、なんと徐燕時シュー・イエンシーの姿を見つける。気づかれるまいとフードを深く被り、慣れない広東語で中国語が分からないフリをする。

車中、同乗者の高冷ガオ・ランがアイドル引退のニュースに騒ぎ、徐燕時シュー・イエンシーは冗談を言う。向園は思わず笑いそうになる。高冷ガオ・ランがSNSに投稿した内容に、向園も仮応し面白がる。

タイヤのパンクで車が停車。高冷ガオ・ランは向園の微信を交換する。彼女の微信名が本名だと気づき、徐燕時シュー・イエンシーもそれを気に留めるが、軽く笑うだけだった。

乗り換えたタクシーで、道に迷った運転手に、向園はスマホでナビを指示。高冷ガオ・ランがカーナビの良さを語り始め、運転手に車販売員と勘違いされる。向園も徐燕時シュー・イエンシーの職業を誤解し友人に話す。すると、友人がBluetoothで電話をかけ、向園の正体がバレてしまう。徐燕時シュー・イエンシーは冷静に彼女に挨拶する。

目的地に著き、徐燕時シュー・イエンシーは向園の荷物とフードの紐を外す。再会がこんな形になるとは、向園は恥ずかしさと悔しさでいっぱいだった。高冷ガオ・ラン徐燕時シュー・イエンシーに気づいていたのか尋ねるが、彼は何も答えない。

翌日、向園が出勤しようとすると、予約した車が事故で来られない。再度予約する中、同じマンションの路東ルー・ドンが送ろうかと声をかけるが、彼女は断る。幸いにも、同じ方面へ向かう女性と相乗りすることになり、その女性が維林技術の社員で、自分が噂の“空降兵”だと知る。

新たな出会いと、待ち受けるであろう試練。向園の新たな挑戦が始まる。

第1話の感想

「星が繋ぐ初恋~Here We Meet Again~」第1話は、軽快なテンポで物語が展開し、あっという間に引き込まれました。運命的な再会を果たす向園と徐燕時シュー・イエンシー、二人の間の微妙な空気が今後の展開を期待させます。

特に印象的だったのは、向園のキャラクターです。お嬢様でありながら、結婚を迫られる状況に真正面から立ち向かい、自ら会社を立て直そうと西安へ向かう行動力には感心させられます。また、プライドが高く、見栄っ張りな一面もありながら、どこか憎めない可愛らしさも持ち合わせています。広東語を駆使して正体を隠そうとするシーンはコミカルで、思わず笑ってしまいました。

対する徐燕時シュー・イエンシーは、冷静沈著で頭脳明晰なエンジニア。向園の行動を全て見透かしているような余裕のある態度が、ミステリアスな雰囲気を醸し出しています。弟からの愚痴を聞きながらも、特に仮応を示さない姿からは、彼の懐の深さも感じられます。

つづく