あらすじ
第15話は、長玥と祁元寶の複雑な恋愛模様と、長玥への疑念と非難を中心に展開します。二人の関係は、思いがけないキスや互いの気持ちの確認など、甘い時間を過ごしますが、その後、霍叔崖をはじめとする周囲からの強い反対や誤解に直面します。霍叔崖は長玥が妖狐だと確信し、周囲の人々、かつて長玥に命を救われたと語っていた父親でさえも説得しようと試みます。長玥への非難の声が高まる中、祁元寶の心は揺らぎ始めます。特に、長玥が赤尾銀狐であることを示唆する証拠を目にしたことで、祁元寶は騙されていたと感じ、事実を受け入れられずに気を失ってしまいます。
一方、孫浅浅は薛含玉への想いを告白します。また、霊子と屍傀王の秘密が仄めかされ、今後の展開への伏線が張られています。
ネタバレ
長玥は突然祁元寶を引き寄せ、キスをした。この場面を霍叔崖と薛含玉(せつがんぎょく)が目撃してしまう。長玥は祁元寶の告白を聞いたと言い、祁元寶は大喜びで、長玥に花束をプレゼントする。数日前に出会ったばかりの長玥を選んだ祁元寶に、霍叔崖はすっかり失望する。
その後、長玥と祁元寶は互いの気持ちを打ち明け、心の交流を深める。長玥の宿に招かれた祁元寶は少し恥ずかしがり、長玥を戸口で待たせて新しい服を買いに行く。以前、祁元寶が贈った服は、誤解から霍叔崖に渡ってしまっていたからだ。
長玥は人心の複雑さを知っているが、祁元寶を信じようと決めていた。一方、帰宅した霍叔崖は父に、かつて自分を助けた狐の姿を尋ねる。霍叔崖の父は長玥が恩人だと答えるが、霍叔崖はそれを信じず、長玥こそが妖狐だと疑う。
他の門派から、一か月前に遭遇した妖狐の退治を依頼された祁元寶の父。祁元寶は信じられないものの、確かに狐族による傷跡を目にしていた。霍叔崖は長玥を執拗に中傷し、実際に長玥にも傷があることから、祁元寶は疑念を抱き始める。しかし、長玥は以前、祁元寶のために薬草を取りに行った際に負った傷だと説明していた。
霍叔崖の父は改めて長玥が恩人だと主張するものの、今度は彼を陥れようとする。長玥と親しい祁元寶にも疑いの目が向けられる。霍父は祁元寶に狐族の証である扇子を見せる。さらに、長玥は赤尾銀狐であり、心魂を取り戻すために祁元寶に近づいたのだと聞かされる。祁元寶は信じたくないと思いながらも、長玥との出来事を思い返し、心が揺らぎ始める。そしてついに、長玥は心魂のために近づき、自分のことを本当に愛してはいないのだと信じ込み、気を失ってしまう。
祁元寶の父は彼女の傍らで見守り、蘇浅浅(そんせんせん)と薛含玉は長玥を非難する。薛含玉は長玥に仕返しに行こうとするが、怪我を心配した蘇浅浅に気絶させられる。実は蘇浅浅は薛含玉に想いを寄せていたのだ。霍叔崖の父が長玥に罪をなすりつけたのは、息子が祁元寶が長玥に惑わされていると感じていたためだった。彼はさらに、祁元寶が尸傀王を解放し強大な霊力を得るための鍵となる“霊子”ではないかと疑っていた。蘇浅浅の姉も長玥に疑念を抱くが、証拠は揃っており、どう弁護すれば良いか分からずにいた。蘇浅浅は姉が長玥に好意を抱いていることを見抜いていたが、姉はそれを隠していた。
第15話の感想
第15話は、愛と陰謀が複雑に絡み合い、物語が大きく動き出した回でした。長玥と祁元寶の愛が深まる一方で、周囲の疑念と策略が彼らを追い詰めていきます。特に、キスシーンは二人の想いが通じ合った感動的な場面でしたが、同時にそれが悲劇の始まりを予感させるようで、胸が締め付けられました。
霍叔崖の嫉妬と執著は、物語に暗い影を落とし、祁元寶の心は大きく揺さぶられます。長玥を信じたい気持ちと、突きつけられる証拠の間で葛藤する彼女の苦悩は、見ているこちらにも辛く伝わってきました。真実を知りたい一心で、父に助けを求める霍叔崖の姿は、幼く未熟な印象を受けました。彼の行動が、物語をさらに混沌へと導いていくのか、今後の展開が気になります。
つづく