あらすじ
第17話は、祁元寶と霍叔崖の強制結婚、そして長玥との複雑な愛憎劇を中心に展開します。
霍叔崖は祁元寶を結婚に追い込むため、祁元寶と長玥の関係をでっち上げ、他人を唆して告発させ、今回の結婚式を企てました。祁元寶は父親に迷惑をかけたくない一心で、結婚に渋々同意しますが、本心では望んでいません。この一件を知った長玥は、狐の姿に変身して密かに祁元寶を訪ね、彼女を失いたくないという気持ちを伝えました。
結婚式当日、長玥は公然と姿を現し、祁元寶を連れ去ろうとしますが、霍叔崖に阻まれ、傷を負ってしまいます。祁元寶は長玥が殺人犯だと誤解し、剣で彼女を攻撃してしまいます。この仕打ちに、長玥は完全に絶望してしまいます。
しかし、薛含玉と蘇浅浅の助けにより、祁元寶は事の真相を知り、自分が長玥を誤解していたことに気づき、怒りに震えながら霍叔崖との関係を断ち切ります。自責の念と悲しみに苛まれた祁元寶は気を失い、その後、長玥への謝罪の手紙を書き始めます。長玥は祁元寶の行為に深く傷つきながらも、彼への想いを完全に断ち切ることはできずにいました。
ネタバレ
村人たちが祁元寶に詰め寄り、長玥との関係を問い詰めた。長玥が村人を殺したと疑われ、祁元寶にも責任があると考えたのだ。祁元寶の父は、事態収拾のため、祁元寶と霍叔崖の結婚を決め、民衆を納得させようとした。祁元寶は長玥の魂魄を自分が持っていることを明かし、返さないことを約束して、村人たちを一旦引き下がらせた。しかし、実はこの騒動は霍叔崖が仕組んだもので、祁元寶との結婚を迫るための策略だった。
目覚めた長玥は、祁元寶が霍叔崖に嫁ぐという知らせに驚きを隠せない。祁元寶は父の苦境を救うために結婚を受け入れたのだった。狐の姿に変身した長玥は、こっそりと祁元寶に会いに行く。再会は一瞬で、祁元寶の心中を察した長玥はすぐにその場を去った。祁元寶もまた、霍叔崖との結婚を望んではいなかったが、世論に押され、やむを得ず受け入れていた。
薛含玉も、祁元寶が霍叔崖に嫁ぐべきではないと考えていた。霍叔崖は喜服を眺め、喜びに浸っていたが、父は「無理強いは良くない」と忠告する。薛含玉と蘇浅浅は霍叔崖を訪ねた際に、父子による長玥への陰謀を偶然耳にしてしまう。薛含玉は霍叔崖に詰め寄ろうとするが、蘇浅浅に止められる。しかし、去り際に物音を立ててしまい、霍叔崖に気づかれてしまう。婚礼を邪魔されることを恐れた霍叔崖は、二人を捕らえてしまう。
婚礼の最中、長玥が現れ、祁元寶を奪おうとする。霍叔崖は祁元寶を守ろうとするが、長玥に返り討ちに遭う。その隙に薛含玉と蘇浅浅は縄を解き、護衛を気絶させて、霍叔崖の悪事を祁元寶に伝えようとする。しかし、祁元寶は長玥に剣を向け、村人殺しの犯人だと決めつけていた。長玥は祁元寶の真意を確かめるために来たのだが、祁元寶は長玥を刺してしまう。長玥は祁元寶に絶望する。真心で接していたにも関わらず、命を狙われたのだ。長玥は自分の胸に刺さった剣を抜き、喜の字に突き刺す。そして、霍叔崖の父に、自分が危害を加えたことがあるのかと問いただす。彼らは何も答えることができなかった。長玥は背を向け、立ち去る。祁元寶は長玥を誤解していたことに気づき、後を追おうとするが、霍叔崖に阻まれる。薛含玉と蘇浅浅から真実を聞かされ、霍叔崖も嫉妬から長玥を陥れたことを自白する。祁元寶は霍叔崖を平手打ちし、絶縁を宣言する。
悲しみに暮れた祁元寶は気を失い、霍叔崖は全てを失ったことを悟る。部屋に戻った霍叔崖は、祁元寶が長玥に贈るはずだった衣服を切り裂き、祁元寶との縁を完全に断ち切る。祁元寶の父は何も言わず、ただ赤い装飾を取り外すように命じる。祁元寶は部屋に閉じこもり、長玥への謝罪の手紙を書き続ける。
祁元寶に刺されたことで、長玥は深い絶望を味わったが、それでも祁元寶を忘れられずにいた。
第17話の感想
第17話は、まさに怒涛の展開でした。霍叔崖の陰謀が露呈し、長玥と祁元寶の悲劇的な別れが描かれる、非常に重要なエピソードです。
特に印象的なのは、長玥の絶望。愛する祁元寶に裏切られ、命まで狙われるとは、想像を絶する苦しみでしょう。祁元寶への深い愛情と、裏切られたことへの悲しみ、そして全てを諦めたような虚無感が、見ているこちらにもひしひしと伝わってきました。剣を喜の字に突き刺すシーンは、長玥の心情を象徴的に表しており、非常に胸を締め付けられました。
一方、祁元寶もまた、辛い立場に置かれています。愛する父と、愛する長玥の間で板挟みになり、最終的には誤解から長玥を傷つけてしまう。真実を知った後の彼女の表情は、後悔と悲しみに満ちており、見ていて辛かったです。
霍叔崖の嫉妬と陰謀は、物語全体を大きく揺るがすきっかけとなりました。彼の歪んだ愛情表現は、見ていて不快感を覚えるほどでしたが、同時に、彼もまた、悲しい人物であると感じました。
つづく