あらすじ

第一話では、左経綸さけいりんが偶然桃花村とうかそんに迷い込む物語が描かれています。中原の戦乱後、人々は西へ移り住み、桃の花に覆われた仙境、桃花村とうかそんに定住しました。族長の指導の下、争いを避けて静かに暮らしていました。左経綸さけいりんは姚州城の新しい左都督として赴任する途中、馬が驚いた拍子に桃花村とうかそんへ迷い込んでしまいます。族の掟では、外部からの侵入者は死罪に処せられることになっていました。しかし、新任の指導者である柳卿卿りゅうけいけいは彼を殺すことができず、左経綸さけいりんが毒に傷つけられていることを知ると、彼を治療することを選びます。共に過ごす時間が増えるにつれ、二人の関係は微妙なものへと変化していきます。柳卿卿りゅうけいけいは族の掟を守ることと、左経綸さけいりんを守ることの間で葛藤するようになります。

ネタバレ

戦乱の世、人々は西へ逃れ、桃の花に包まれた桃源郷「桃花村とうかそん」を発見、定住した。数百年後、平和な世の中となっていたが、桃花村とうかそんの伝説は語り継がれていた。

姚州城に赴任予定の左都督の息子、左経綸さけいりんは、赴任前に現地視察のため姚州へ向かう途中、濃霧の森で馬が驚き、彼自身も霧の中へ迷い込んでしまう。

一方、桃花村とうかそんでは、心優しい柳卿卿りゅうけいけいが新たな族長となり、伝統の鹿血祭天と運命の夫選びの儀式を行っていた。桃花を水面に浮かべた時、偶然にも迷い込んだ左経綸さけいりんが現れ、運命の人として選ばれてしまう。

桃花村とうかそんの掟では、部外者は処刑される。危険を察知した左経綸さけいりんは逃げようとするが、足の怪我で葉わず、柳卿卿りゅうけいけいに捕らえられる。

柳卿卿りゅうけいけい左経綸さけいりんを殺すことができず、沈飛揚しんひようが掟の執行を申し出る。柳卿卿りゅうけいけいは自らこの問題に対処しようと決意する。左経綸さけいりんは持参の銀針で毒見をしつつ食事をとる。長老に相談した柳卿卿りゅうけいけいは、百余年前、外から来た者が後に仲間を連れて桃花村とうかそんを襲おうとしたため、部外者を殺す掟ができたことを知る。

桃花村とうかそんの外では、左経綸さけいりんの失踪に家族は焦燥していた。期日までに赴任しなければ抗命とみなされるからだ。柳卿卿りゅうけいけいが掟を実行しようとした時、左経綸さけいりんは衰弱して倒れる。瀕死の人間には手を出せない柳卿卿りゅうけいけいは、名医の阿源あげんに治療を頼む。阿源あげん左経綸さけいりんが内傷と中毒だと診断、柳卿卿りゅうけいけいは彼を牢から安全な場所に移し看病する。目を覚ました左経綸さけいりんに、柳卿卿りゅうけいけいは外に出ないように警告するが、実は左経綸さけいりんは毒のある植物をわざと食べて柳卿卿りゅうけいけいの慈悲を試していたのだった。

日を追うごとに、柳卿卿りゅうけいけいは決断を下すことができずにいた。沈飛揚しんひよう龍婆りゅうばあは手を貸そうとするが、左経綸さけいりんに見破られてしまう。左経綸さけいりんは弱者を装い、沈飛揚しんひようの攻撃にもわざと弱みを見せる。柳卿卿りゅうけいけいが小屋に戻ると、左経綸さけいりんは絵入りの本を読んでいるふりをして、字が読めないと思わせる。

心優しい柳卿卿りゅうけいけいは自分の行動が正しいのか悩み続け、左経綸さけいりん桃花村とうかそんの生活に馴染んでいく。二人の関係は微妙なものとなり、柳卿卿りゅうけいけいは掟を守りたい気持ちと罪のない左経綸さけいりんを傷つけたくない気持ちの間で葛藤する。

第1話の感想

運命の悪戯か、それとも必然か。桃花村とうかそんという桃源郷を舞台に繰り広げられる、ファンタジーロマンスの幕開けに心奪われました。

まず目を引くのは、美しい桃花村とうかそんの情景描写。現実世界から隔絶された幻想的な空間は、視聴者を物語の世界へと誘い込みます。そして、その中で出会う柳卿卿りゅうけいけい左経綸さけいりん。二人の対照的な境遇と性格が、今後の展開への期待感を高めます。

心優しい族長・柳卿卿りゅうけいけいは、掟と自分の気持ちの間で揺れ動く姿が印象的。責任感の強い彼女が、左経綸さけいりんとの出会いを通してどのように成長していくのか、見守りたいところです。一方、左経綸さけいりんは謎めいた雰囲気を纏い、どこか掴みどころのない人物。知略に長けている様子が窺え、彼の真意はどこにあるのか、今後の行動に注目が集まります。

つづく