あらすじ
第16話は、波川将軍が私塩密売組織の黒幕として、左経綸の追及に追い詰められ、自らの保身のために動き出す様子を描いています。
彼は城内の巡回を強化し、望月楼に密かに役人たちを呼び出し、家族を人質に取って忠誠を誓わせます。左経綸は波川将軍の意図を察知し、彼の思う壺にはまらないよう、柳卿卿や沈飛揚たちに危険な場所から離れるよう指示しますが、彼らは残ることを選びます。
同時に、波川将軍は薛蒙の介入を阻止するため、彼を姚州から遠ざけます。そしてついに、左経綸は単身望月楼へ向かい、波川将軍と対峙します。一方、柳卿卿、沈飛揚、錦萱は張進忠を捕らえ、波川将軍の武器庫を発見することに成功します。
しかし、この情報はすぐに波川将軍の耳に入り、彼は左経綸に、巴九が捕まり、証拠も消滅したことを告げます。緊迫した駆け引きと策略が展開され、両者の知略がぶつかり合う様子が描かれています。
ネタバレ
波川将軍の悪事が露見し、密輸品の塩の倉庫を左経綸に見破られた第16話。波川は、もはやこれまでと観念し、左経綸を亡き者にしようと企みます。左経綸、柳卿卿、薛蒙の三人は波川を疑いますが、決定的な証拠がありません。土地の権利書の線索は張進忠に繋がっていて、左経綸は波川に先を越されないよう調査員を派遣します。
波川は市内を厳重に警備させ、深夜に望月楼へ役人たちを召集。役人たちは家族を波川の妻に人質に取られ、逆らうことができません。左経綸が諦めないこと、そして自分の部下たちも逃げられないことを波川は理解していました。
波川の密会は周知の事実となり、姚州の役人全員を敵に回すつもりだと左経綸は悟ります。都督府は波川の兵に包囲され、兵力では劣勢。波川は使者を送り、翌日望月楼で会うよう左経綸に伝えます。長公主は左経綸の身を案じますが、左経綸には秘策がありました。
左経綸は皆に迷惑をかけたことを悔やみ、柳卿卿と沈飛揚を桃花村へ帰そうとしますが、二人は拒否。命を懸けて左経綸を守り、桃花村へ連れ帰る決意です。錦萱と巴九も孤児として左経綸を家族同然に思い、共に生死を共にしようとします。錦萱は沈飛揚だけでも生き延びてほしいと願いますが、沈飛揚は錦萱を守るため、そして結婚の約束を守るため残ると告げます。
望月楼には波川の兵が多数配置され、錦萱は左経綸が殺されるのではないかと心配します。左経綸は柳卿卿と沈飛揚に頼み事をしますが、柳卿卿は彼らが厄介事から逃げるための口実だと見抜きます。その時、波川は薛蒙を呼び戻すよう使者を送り、薛蒙は姚州を去ります。柳卿卿、沈飛揚、錦萱の三人は脱出のため犬用の穴を見つけ、男らしくないと言いながらもそこから脱出します。
望月楼へ赴いた左経綸を待っていたのは、やつれた様子の波川でした。一方、柳卿卿たちは巴九と合流し、張進忠を捕らえます。波川は左経綸のために舞を披露し、これ以上捜査を続けるなら姚州の役人全員が関わることになり、責任が取れないと警告します。巴九は波川の武器庫を発見しますが、すぐに敵に包囲されます。
左経綸と波川が駆け引きを続ける中、波川は武器庫が見つかったという知らせを受けます。そして、巴九が捕まり、証拠も全て破壊されたという報告を受け、冷静に左経綸に伝えます。
第16話の感想
第16話は、波川将軍の追い詰められた姿と左経綸の知略が際立つ緊迫感溢れる展開でした。波川はこれまで権力を笠に著て好き放題してきたツケが回り、焦りと狂気が滲み出ていました。散り際の舞のシーンは、彼の虚勢と諦念が入り混じった複雑な心情を表現していて印象的でした。
一方、左経綸は冷静沈著に波川の策略を読み解き、一歩も引かずに立ち向かう姿が頼もしい限りです。柳卿卿たちとの絆も深まり、窮地においても互いを思いやる姿に感動しました。特に、沈飛揚が錦萱を守る覚悟を決めるシーンは、二人の関係性がさらに進展したことを感じさせ、今後の展開に期待を持たせます。
つづく