あらすじ

第19話は、柳卿卿りゅうけいけい沈飛揚しんひよう左経綸さけいりんの三人の間の複雑な関係を中心に展開します。柳卿卿りゅうけいけいは桃林へ向かう予定でしたが、左経綸さけいりんに「桃林は危険だ」と引き止められ、十日以内に調査する約束をさせられました。左経綸さけいりん柳卿卿りゅうけいけいをある屋敷に匿いますが、左経綸さけいりんを信用していない沈飛揚しんひようは、柳卿卿りゅうけいけいに近づこうと試みるも失敗します。

そんな中、街には桃源郷へ続く水路の地図が出回り始め、左経綸さけいりんは拡散を禁じる命令を出します。波川将軍はかわしょうぐんは、人々の不老の泉への関心につけ込み、桃源郷の情報を利用して画策します。同時に、左経綸さけいりんは皇帝が不老の泉を求める黒幕であることを突き止め、柳卿卿りゅうけいけいを守るため、この事実を隠蔽します。

沈飛揚しんひようは次第に左経綸さけいりんの行動に疑念を抱き、ついに柳卿卿りゅうけいけいと会い、全てを明かします。柳卿卿りゅうけいけい左経綸さけいりんに騙され、自由を奪われていたことに失望と怒りを覚え、左経綸さけいりんに桃源郷を傷つけるなと警告し、彼のやり方に強い不満を示します。

ネタバレ

柳卿卿りゅうけいけい沈飛揚しんひようが桃花林へ向かおうとしたところ、左経綸さけいりんが馬で駆けつけ、二人を止めた。桃花林には波川将軍はかわしょうぐんの残党が潜んでおり、卿卿の大切な桃花村とうかそんが危険にさらされると説明した。卿卿は納得し、左経綸さけいりんに10日間調査の猶予を与えた。波川将軍はかわしょうぐんはこの状況を静観しており、いずれ誰かが桃花村とうかそんに誘い込まれると確信していた。

左経綸さけいりんは卿卿を静かな屋敷に連れて行き、錦萱は沈飛揚しんひようを連れ出し、左経綸さけいりんが卿卿と二人だけで話したいと告げた。しかし、沈飛揚しんひよう左経綸さけいりんに不信感を抱いていた。錦萱は沈飛揚しんひようから桃花の簪を取り戻そうとしたが、沈飛揚しんひようの恨みを買っており、失敗に終わった。街には桃花村とうかそんへ続く水路の地図が出回り始め、左経綸さけいりんは民衆への拡散を禁じた。長公主ちょうこうしゅが卿卿の様子を尋ねたが、左経綸さけいりんはうまく言い繕うしかなかった。

屋敷に戻った左経綸さけいりんは、長公主ちょうこうしゅに卿卿がしばらく屋敷に滞在しないと伝え、長公主ちょうこうしゅが卿卿の故郷について調べていることに触れた。卿卿について詳しく聞こうとした矢先、碧春へきしゅんが現れ、話を遮られた。左経綸さけいりん碧春へきしゅんが持っていた手紙に何かあると疑い、密かに巴九は きゅうに手紙を盗ませた。不老不死の泉を探しているのは、なんと皇帝だったのだ。

波川将軍はかわしょうぐんは不老不死の泉への人々の関心に便乗し、桃花村とうかそんの情報を流し続けた。沈飛揚しんひようは卿卿に会おうと屋敷へ入ったが、侍衛に阻まれた。錦萱と左経綸さけいりんが何かを隠していると察した。巴九は きゅうは手紙を入手し、皇帝が黒幕である事実を突き止めた。卿卿を守るため、左経綸さけいりんはこの事実を卿卿に伏せることにした。

沈飛揚しんひよう左経綸さけいりんが水路の地図を漏洩した証拠を見つけられず、憤慨していた。左経綸さけいりんは自分の許可なく卿卿に近づくことを禁じた。卿卿が外出したいと言い出したため、左経綸さけいりんは自ら付き添い、警護も手配した。同時に沈飛揚しんひようを監視させ、行動を製限した。街の露店商は追い払われ、人気のない通りに卿卿は違和感を覚えた。沈飛揚しんひように会いたいと申し出たが、左経綸さけいりんは錦萱を口実に拒否した。

左経綸さけいりんの行動が理解できない沈飛揚しんひようは、食事も喉を通らなくなっていた。卿卿を軟禁しているか、桃花村とうかそんを襲撃するつもりだと考えた。この様子を見た錦萱は自分の非を認め、沈飛揚しんひようと卿卿を引き合わせることを約束した。錦萱は酒で侍衛を眠らせ、卿卿はようやく沈飛揚しんひようと再会を果たした。沈飛揚しんひようから全てを聞かされた卿卿は、左経綸さけいりんに騙されていたと感じ、閉じ込めた理由を問い詰めた。左経綸さけいりんは真意を説明できず、卿卿は怒りに任せ、左経綸さけいりんを鞭で打った。桃花村とうかそんに危害を加えれば許さないと警告した。左経綸さけいりんは卿卿を守るためだと主張し、沈飛揚しんひようの命を盾に卿卿を引き留めようとした。卿卿は左経綸さけいりんに完全に失望した。

第19話の感想

第19話は、左経綸さけいりんの行き過ぎた行動が引き起こす波乱と、それによって深まる誤解が描かれた、緊迫感あふれるエピソードでした。卿卿を守るという一心で動いている左経綸さけいりんですが、その行動はかえって卿卿を苦しめ、沈飛揚しんひようとの溝を深める結果となってしまいました。

特に、卿卿を屋敷に閉じ込め、沈飛揚しんひようとの接触を阻む左経綸さけいりんの姿は、まるで悪役のようにも見えてしまいます。彼の真意は卿卿の安全を守ることにあるのですが、説明不足と独断専行によって、卿卿からの信頼を失ってしまうという皮の無い行為でした。沈飛揚しんひように不信感を抱かれ、錦萱からも非を認められるなど、孤立していく左経綸さけいりんの姿は見ていて辛いものがありました。

つづく