あらすじ
天保三年一月十四日、大唐の長安の都は、上元節を前に賑わいを見せていた。特に西市は活気に満ち溢れ、毛修大師が制作した巨大な仙灯の展示を控え、聖上も自らご覧になる予定であった。その時、西市署吏が開市を宣言し、聖上の勅命を伝えた。「本日より上元節が終わるまでの十二時辰、長安全城の宵禁を解く」。
しかし、靖安司の内部は緊迫した空気に包まれていた。祝祭の裏に潜む危機を、彼らは察知していたのだ。突厥の狼衛が長安に潜入し、混乱を引き起こそうとしている事態を受け、司丞の李必は死刑囚の張小敬を起用することを決断する。かつて万年県不良帥であった張小敬は、靖安司に連行されると、潜伏中の崔六郎が殺害されたことを知らされる。そして捜査の中で、破損した長安の地図を発見し、より大きな陰謀の存在を推測する。
一方、曹破延俳優:は逃亡の最中、焦遂を殺害し、変装して人混みに紛れ込もうとしていた。刻一刻と時間が迫る中、張小敬と靖安司は、曹破延俳優:を始めとする潜在的な脅威を見つけ出し、上元節の平安を守ろうと奔走する。
ネタバレ
天保三載元月十四日、巳の刻。大唐の都、長安は上元節を前に賑わいを見せていた。西市にはペルシャやソグディアナなど遠方からの商人も集まり、祭りの活気に沸き立っていた。毛修大師が一年かけて製作した大仙灯の点灯と、聖上による花萼相輝楼からの観覧が予定されていた。
西市署吏が望楼から開市を宣言し、聖上の勅命を読み上げた。上元節が終わるまでの十二時辰、長安の宵禁は解除され、百八坊間の商取引は自由となる。民衆と商人は歓喜に沸いたが、靖安司の内部は緊迫していた。三十五名の官吏が情報整理と手がかり探しに奔走していた。繁栄の裏に、恐るべき陰謀が潜んでいることを彼らは知っていたのだ。
靖安司は太子が設立した新しい機関で、わずか四ヶ月で大きな試練に直面していた。司丞の李必は、死刑囚の張小敬にこの危機への対処を託すことにした。張小敬はかつて万年県の不良帥だったが、殺人容疑で死刑判決を受けていた。靖安司に連行された張小敬は、若き司丞李必と対面する。李必は状況を説明し、突厥の狼衛が長安に潜入し混乱を企てていること、そして潜入捜査官の崔六郎が殺害されたことを告げた。
李必は張小敬に靖安司を案内し、推理担当の主事徐賓や長安の沙盤模型を紹介した。李必は張小敬に逃亡は不可能だと警告し、長安全体が監視下にあることを示した。そして、狼衛の首領曹破延俳優:がまだ長安に潜伏している可能性が高いことを指摘した。
一方、秘書監の何執正は養子の何孚と共に靖安司に戻ってきた。何執正は張小敬の身分に興味を持ったが、李必は多くを語らなかった。逃亡中の曹破延俳優:は焦遂に助けられるが、口封じのために彼を殺害した。
張小敬は捜査を開始し、崔六郎の遺体を検分して不完全な長安の地図を発見、狼衛のより大きな陰謀を推測した。李必はその情報に基づき、死士を標的となりうる場所に配置した。曹破延俳優:は変装して理髪店に行き、店主の季師傅から聖上が今夜大仙灯を観覧することを聞き出した。
物語は進展し、張小敬は迫りくる災厄を阻止するため、曹破延俳優:と他の潜在的な脅威を速やかに見つけ出さなければならない。靖安司もまた、上元節の平安を確保するために全力を尽くしていた。
第1話の感想
「長安二十四時」第1話は、息もつかせぬ展開で視聴者を一気に物語の世界へ引き込みます。冒頭から、華やかな上元節の祝賀ムードと、靖安司の緊迫した雰囲気が対比的に描かれ、これから起こるであろう事件の不穏さを予感させます。
主人公・張小敬は、死刑囚でありながら、類まれな捜査能力を持つ複雑なキャラクターとして登場します。李必との初対面シーンでは、互いに探り合うような緊張感漂うやり取りが印象的でした。李必は若くして靖安司の司丞を任されるほどの才覚を持ちながらも、どこか危うさを感じさせるミステリアスな存在です。二人の対照的なキャラクターが、今後どのように関わっていくのか、非常に楽しみです。
つづく