あらすじ
第十一話は、張小敬と崔器が猟犬を使って聞染を探す様子、そして李必が狼首・曹破延俳優:の企みによって引き起こされるかもしれない危機に対処する様子が中心に描かれています。曹破延俳優:は聞染から右刹の裏切りの情報を聞かされても信じず、上元節の騒ぎを起こすために潜伏を続けています。聞染は表向きは闕勒霍多に会わせる約束をしますが、実際は長安を破壊しようと企んでいます。
一方、李必は物資リストから可燃物を見つけ出すという難題に直面し、狼衛がひそかに原料を運び込み危険物を製造している可能性に気づきます。郭力士は李必に聖上の口諭の裏にある複雑な意味を説明し、靖安司内に内通者がいる可能性を指摘、太子の立場が危うくなっていることを示唆します。李必は急いで太子と会い、宮廷の宴で最後のチャンスを掴むよう進言します。
また、檀棋は永王に働きかけ、張小敬を釈放させようとしますが、永王は冷淡な態度で、張小敬の身分に対してだけ奇妙な反応を示します。物語全体は、様々な勢力の駆け引きが繰り広げられ、緊迫した空気が次第に高まっていく様子を描いています。
ネタバレ
張小敬は聞染を追跡するため、崔器に宣輝院から細犬を借りるよう命じる。内宮管理の宣輝院への依頼に崔器は躊躇するも、張小敬の命令には逆らえず、宮中の知り合いに頼み込む。一方、檀碁は望楼を使って曹破延俳優:逃亡の報を長安中に広める。李必は曹破延俳優:が窮鼠猫を噛むように長安に放火する事を恐れ、市中の可燃物の捜索を指示する。
曹破延俳優:は麻格尔と共に聞染を匿い、上元の灯篭流しに乗じた混乱を狙う。聞染は右刹の裏切り、長安での豪遊、狼衛を金で釣って死地に追いやった事を暴露するが、曹破延俳優:は信じない。麻格尔は死んだ仲間を思い悲しみに沈む中、聞染は自分たちの襲撃が張小敬を救ったと主張し、真の闕勒霍多に会わせる代わりに長安破壊への協力を持ちかける。
徐賓は長安への物資搬入記録から可燃物を探すが、時間不足に焦る。李必は狼衛が原材料を運び込み加工するはずだと助言するも、徐賓はなおも困難を感じ、李必に支援を求めるが叱責される。
崔器は細犬を手に入れ張小敬に渡す。二人は細犬と共に聞染を追うが、道行く人の香粉で犬の嗅覚が狂ってしまう。張小敬は犬を洗い、崔器に肉を買ってくるよう命じる。崔器は不満ながらも従う。
驃騎大将軍郭利仕と宦官高力士が靖安司を訪れ、聖上の言葉を伝える。李必への労いの言葉の裏に隠された真意、聖上による監視と警戒を郭利仕は李必に伝える。狼衛の事件で上元が台無しになれば、李必と太子は責任を問われる可能性があると警告する。郭利仕自身も濡れ衣を著せられ、今は李必や太子を庇う力はないと告げる。
李必は靖安司内に内通者がいると疑い、郭利仕に太子への取りなしを頼むが、郭利仕は断る。李必は太子に内通者の存在を伝え、避難を勧める。太子は自身の立場より税製改革と藩鎮の軍管法が頓挫する事を憂慮し、夜の宮廷晩餐で最後の望みを託す決意をする。そして李必には深入りせず、逃亡した狼衛二人を捕らえるよう忠告する。
永王は馬球の試合中、檀碁に呼び出される。永王は試合を口実に檀碁を冷たくあしらうが、張小敬の伝言で捕らえた者を解放するよう求められると、あっさり承諾する。檀碁は永王の仮応と張小敬の正体に疑問を抱き、詮索しようとするが、永王は張小敬の過去を探るなと釘を刺す。
第11話の感想
第11話は、それぞれのキャラクターの思惑が交錯し、緊張感が高まるエピソードでした。張小敬は聞染の行方を追うことに執念を燃やし、崔器を利用して細犬を手に入れます。崔器の苛立ちも描かれ、二人の関係性の変化が今後の展開に影響を与えそうです。
李必は曹破延俳優:の逃亡により、長安の安全を脅かされる危機に直面します。聖上からの言葉の裏に隠された真意を読み取り、自身の立場が危うくなっていることを悟ります。太子との会話では、国を思う太子の覚悟と李必の焦りが対比され、二人の運命がどうなるのか気になります。
つづく