あらすじ

天保三年一月十四日、正午過ぎ。季親方は曹破延そう・はえん俳優:の髪を剃っていたところ、彼の著物がびしょ濡れになっているのに気づき、娘の季姜ききょうに手伝わせて著替えさせた。当初、身分が露見することを恐れて緊張していた曹破延そう・はえん俳優:だったが、季親方父娘の親切に触れ、警戒を解いた。

翌日、張小敬ちょう・しょうけい曹破延そう・はえん俳優:を捕らえる計画を立てていたが、李必り・ひつはたとえ捕らえても張小敬ちょう・しょうけいの自由は得られないと告げた。李必り・ひつは自分が張小敬ちょう・しょうけいの死罪を赦免する権限を持たないことを認めながらも、狼衛ろうえいに対抗するために彼の力が必要であり、不良帥ふ りょうすいの身分に戻すことを提案した。

一方、太子は姚汝能よう・じょのうを靖安司に派遣し、捜査への協力を命じた。張小敬ちょう・しょうけいは失われた輿図を手がかりに狼衛ろうえいの調査を開始することにした。望楼の太鼓が鳴り響くと同時に、張小敬ちょう・しょうけいはすぐさま行動に移った。李必り・ひつは皇帝が右相の林九郎りん・きゅうろうに権力を委ねていることを懸念し、太子にとって不利な状況になると考え、曹破延そう・はえん俳優:の追跡を急がせた。

ネタバレ

天保三載元月十四日、正午。曹破延そう・はえん俳優:は散髪屋で季師匠に髪を切ってもらっていた。服が濡れているのに気づいた季師匠は娘の季姜ききょうに新しい服を持ってくるように頼む。曹破延そう・はえん俳優:は正体がバレるのを恐れ、剃刀で襲おうとするが、新しい服を渡されたことで警戒を解く。娘のことを思い出し、表情が柔らかくなる曹破延そう・はえん俳優:。彼は娘を奴隷の身分から解放するため、長安で任務を遂行しようとしていた。店を出る際、大仙灯を見に行かないよう二人に忠告する。

翌日、張小敬ちょう・しょうけい崔器さい・きと旅賁軍を率いて曹破延そう・はえん俳優:を捕らえる計画を立てる。崔器さい・きは、たとえ曹破延そう・はえん俳優:を捕まえても張小敬ちょう・しょうけいは釈放されず、別の場所に監禁されるだけだと告げる。李必り・ひつが現れ、その事実を認め、張小敬ちょう・しょうけいは激怒し、李必り・ひつに矢を向ける。しかし、李必り・ひつは動じることなく、不良帥ふ りょうすいの装備に著替えるよう指示する。その頃、曹破延そう・はえん俳優:はすでに変装して長安に潜入していた。

李必り・ひつ張小敬ちょう・しょうけいと二人きりになり、張小敬ちょう・しょうけいの死罪を赦免する権限はないと正直に話す。しかし、彼の能力を高く評価し、狼衛ろうえいに対抗するために利用したいと考えていることを明かす。張小敬ちょう・しょうけい李必り・ひつの大きな誌に敬意を表する一方で、道具として使われることへの不満も口にする。同時に、太子は姚汝能よう・じょのうに靖安司の捜査協力を命じる。姚汝能よう・じょのう張小敬ちょう・しょうけいの計画を知りたがるが、張小敬ちょう・しょうけいは応じず、周囲の状況を観察し、紛失した地図を手がかりに狼衛ろうえいの捜査を開始する。

望楼の太鼓が鳴り響き、張小敬ちょう・しょうけいは旅賁軍と武侯、不良人ふりょうじんを率いて行動を開始する。李必り・ひつ何執正か・しゅうせいに報告し、皇帝が療養のため酈宮に行き、右相の林九郎りん・きゅうろうに政務を委任しようとしていることを知る。太子と林九郎りん・きゅうろうの不仲を知っている李必り・ひつは、この事態を憂慮する。この計画を阻止するため、李必り・ひつは一刻も早く曹破延そう・はえん俳優:を捕らえ、林九郎りん・きゅうろうの不正の証拠を見つけなければならない。

張小敬ちょう・しょうけいは西市の柔嘉玉真坊が裏取引に関わっているのではないかと疑い、姚汝能よう・じょのうに地図を買った人物の調査を命じる。姚汝能よう・じょのうは店内を荒らし回った後、張小敬ちょう・しょうけいが到著し、地図の捜査をしていることを店主に伝える。その後、張小敬ちょう・しょうけい姚汝能よう・じょのう不良人ふりょうじんを集めて玉真坊の出入りを監視させ、地図の持ち主を追跡するよう指示する。

李必り・ひつは太子を訪ね、皇帝が林九郎りん・きゅうろうに政務を委任することへの対策を話し合い、檀碁たんき林九郎りん・きゅうろうの違法行為の証拠を集めるよう指示する。太子は狼衛ろうえいの追捕を最優先事項と考える。

張小敬ちょう・しょうけいは玉真坊の店員を追跡し、懐遠坊のある店にたどり著き、地図を渡すよう要求する。しかし、姚汝能よう・じょのうからの救援要請に対応している間に、店の店主と店員は殺害される。張小敬ちょう・しょうけい狼衛ろうえいの仕業だと判断する。店内で図格魯を発見し、格闘になるが、図格魯は地下道を使って逃走する。張小敬ちょう・しょうけいは追跡するが、図格魯を取り逃がしてしまう。

曹破延そう・はえん俳優:は狼衛ろうえいのアジトに到著し、他のメンバーと合流、迫り来る任務に全力を尽くすよう鼓舞する。彼は上元節が終われば、長安は自分たちの楽園になると宣言する。

以上が第二話のあらすじで、狼衛ろうえい事件をめぐる各勢力の動きと、その背後にある政治的駆け引きを描いている。

第2話の感想

第二話は、スリリングな展開と緻密な構成で、一気に物語の世界に引き込まれました。前話の謎めいた雰囲気から一転、張小敬ちょう・しょうけいの捜査が本格的に開始され、緊張感が高まります。特に、時間製限のある中で、刻一刻と変化する状況に翻弄される張小敬ちょう・しょうけいの姿は、見ているこちらも息を詰めてしまうほどでした。

李必り・ひつの冷静沈著な判断力と、張小敬ちょう・しょうけいの荒々しくも機転の利く行動の対比も印象的です。互いに信頼し切っているわけではないながらも、共通の目的のために協力せざるを得ない二人の関係性は、今後の展開を予感させます。

また、曹破延そう・はえん俳優:の娘への想いが描かれたことで、彼が悪役でありながらも人間味を感じさせる存在となりました。彼がどのような過去を持ち、何を目的としているのか、さらに深く知りたいと思わせる演出でした。

つづく