あらすじ
第二十一話は、張小敬と檀棋が殺し屋を追跡し、魚腸との衝突を中心とした物語です。魚腸は聞染に侮辱されたことに激怒し、龍波と口論となり、ついには龍波によって追放されてしまいます。
一方、張小敬、檀棋、伊斯は普遮長老が殺害されているのを発見し、彼が狼衛の首領・右刹であることを確認します。普遮を殺した殺し屋の追跡の中で、張小敬はその殺し屋が守捉郎に所属していることを突き止め、尋問を通して雇い主が火師であることを明らかにします。
魚腸は景寺に侵入し、口封じのために殺人を犯そうとしますが、張小敬に阻止されます。そして、殺し屋は檀棋の説得に応じて火師の居場所を明かした後に息絶えます。
激動の一日を共に過ごした張小敬と檀棋の間には、深い絆が芽生え始めていました。
ネタバレ
第21話、怒涛の展開だった。まず、魚腸は聞染が無事に帰ってきたことに激怒し、平手打ちまでしてしまう。聞染が張小敬のために探りを入れていると疑い、邪魔をすれば殺すと脅迫。龍波は聞染を娘同然に可愛がっており、この脅迫を聞きつけると激昂。魚腸の手首の銅銭を火鉢に投げ込み、取引を破棄して彼女を追い出す。魚腸は焼けた銅銭を火中から取り出し、龍波への忠誠を誓って去っていった。
一方、伊斯に連れられて普遮長老の住処を訪れた張小敬と檀碁は、長老が既に殺されているのを発見する。張小敬は門外の殺し屋と交戦するが、倒された隙に殺し屋は窓から逃走。追跡するも、殺し屋は群衆に銭をばら撒いて混乱を引き起こし、見失ってしまう。
景寺に戻ると、檀碁は普遮の僧侶としての身分証が偽造だと気付く。張小敬は遺体を調べ、普遮が狼衛の首領、右刹だと確信する。殺し屋をおびき出すため、檀碁は伊斯に右刹の咳を真価させる。殺し屋は右刹が生きていると思い込み、その場を去る。
林九郎は右刹の正体を知り、狼衛が自身への脅威になると危惧し、吉温を通して李必に右刹を捕らえて尋問するよう命じる。同時に、檀碁と伊斯は普遮の遺体を運ぶ馬車を仕掛けるが、実際には中に張小敬が隠れていた。案の定、殺し屋が馬車を襲撃。しかし、待ち構えていた張小敬に捕らえられる。殺し屋は雇い主が火師だと明かし、息絶える。
魚腸は景寺に侵入し、僧侶たちを虐殺する。張小敬は魚腸と戦い、その間に檀碁は殺し屋から真相を聞き出す。殺し屋は情報を伝え終えると死亡。張小敬は魚腸を捕らえるが、殺さずに龍波と聞染の居場所を聞き出そうとする。
伊斯は僧侶たちの遺体を処理し、郭利仕に助けを求める。郭利仕は禁軍を派遣して捜査を開始させる。張小敬は檀碁に守捉郎の生活について語り、檀碁は守捉城で隠遁生活を送ることを提案する。二人は互いに惹かれ合い、短い時間ながらも共に過ごす中で充実感と安らぎを感じる。張小敬は檀碁にこれまでの非礼を詫び、檀碁はそれを理解し、二人の絆はより深まるのだった。
第21話の感想
第21話は、息つく暇もない怒涛の展開で、登場人物たちの様々な感情が交錯する見応えのあるエピソードでした。特に印象的だったのは、魚腸の龍波への異常なまでの忠誠心です。聞染への嫉妬と、龍波の計画への強い執著が、彼女の狂気的な行動に繋がっていることが見て取れます。焼けた銅銭を握りしめるシーンは、彼女の悲痛な覚悟が伝わってきて、胸が締め付けられるようでした。
また、張小敬と檀碁の関係性の変化も注目すべき点です。これまで任務に集中していた二人が、互いに心を通わせることで、人間らしい温かさを取り戻していく様子が丁寧に描かれています。守捉城での穏やかな生活を夢見るシーンは、これまでの過酷な運命を考えると、切なくも美しいと感じました。二人の未来がどうなるのか、非常に気になります。
つづく