あらすじ
第二十四話は、張小敬と李必それぞれの動きを中心に展開します。張小敬はかつての仲間、丁老三と平康坊の劉記書肆で再会し、波斯寺の右刹殺害事件の黒幕に関する情報を聞き出そうとしますが、丁老三は守捉郎としての信条を曲げず、口を割りません。そして、彼は別の守捉郎の手によって命を落とします。
一方、李必は龍波たちを街まで尾行しますが、見つかり、木製の仮面を被せられてしまいます。靖安司は火災に見舞われ、姚汝能は李必を見つけ出すことができず、林九郎は靖安司の指揮を執り、犯人逮捕を迫られます。新たに靖安司司丞に任命された吉温は、張小敬を内通者だと断定し、全城に彼の捜索を命じます。
ネタバレ
元月十四日亥の刻、李必は龍波と魚腸らが靖安司の秘密通路から逃げるのを見届け、すぐさま追跡を開始した。一方、張小敬と檀碁、伊斯は平康坊の劉記書肆へと辿り著いた。周囲に人影がないことを確認した後、張小敬は軽く扉を叩き、殺し屋から受け取った十字蓮花のペンダントを門の隙間から差し入れた。扉を開けたのは、なんと第八団の旧友、丁老三、つまり火師だった。丁老三は金で殺しを請け負う守捉郎になった経緯を語り、酒と肉を張小敬に振る舞ったが、張小敬は気が気でなかった。彼は波斯寺右刹殺害の黒幕の情報を知りたがっていた。長安の数十万の民の命がかかっていると何度も訴える張小敬に対し、丁老三は守捉郎の信条を盾に情報を明かさず、第八団の団旗を渡すのみだった。
その頃、龍波は負傷した魚腸を蚍蜉たちと共に逃亡させ、靖安司に火を放った。火の手は瞬く間に広がり、生き残った役人たちは消火と負傷者の救助に追われた。姚汝能は煙の中、李必を探し回ったが見つからず、焼け野原を前に絶望に打ちひしがれた。
李必は龍波一行を追跡し街に出るも、見つかり木製の仮面を被せられた。張小敬は丁老三に黒幕の情報提供を迫り続けた。丁老三は餓死した家族のことを思い出し、感情的になるも口を割らず、逆に張小敬に自分たちに加わるよう勧めた。その時、郭利仕は右相府へ聖上の勅命を伝えに来た。林九郎に靖安司を接収し、犯人逮捕を命じたのだ。林九郎は不本意ながらも命令を受け入れ、すぐに吉温を靖安司へ派遣した。
靖安司内は悲鳴に包まれていたが、元載は王蘊秀に愛を告白し、吉温に協力して張小敬を陥れるよう仕向けた。吉温は新たな靖安司司丞に就任すると、張小敬を内通者と断定し、王蘊秀の証言を証拠として提示した。姚汝能はこれに異議を唱えるも、元載の脅迫に屈するしかなかった。吉温は直ちに張小敬の全城手配を命じた。
書肆に戻ると、張小敬は再び丁老三に黒幕について問い詰めた。ついに丁老三は張小敬と共に命を懸けることを決意し、第八団の兄弟たちの名にかけて誓った。しかし、その言葉が終わるや否や、別の守捉郎に殺されてしまった。事態の深刻さを悟った張小敬は、檀碁と伊斯を遠ざけ、丁老三と二人だけで話をするつもりだったのだ。伊斯は檀碁が張小敬に想いを寄せていることを見抜いていたが、檀碁は何も答えなかった。
第24話 感想:緊迫と裏切り、深まる謎
第24話は、まさに息詰まる展開でした。靖安司の炎上、李必の追跡、張小敬と丁老三の再会、そして衝撃の結末と、目まぐるしく変化する状況に釘付けになりました。
特に印象的だったのは、張小敬と丁老三の再会シーンです。かつての戦友との再会は、喜びよりも苦悩に満ちていました。丁老三の置かれた立場、守捉郎としての信条、そして張小敬の必死の説得。それぞれの正義がぶつかり合い、見ているこちらも胸が締め付けられるようでした。第八団の旗を渡すシーンは、丁老三の揺れる心境を象徴しているようで、深く心に刻まれました。
そして、クライマックスの丁老三の死。あまりにも突然の出来事に、言葉を失いました。張小敬の目の前で、信頼を誓った友が殺されるという残酷な結末。この出来事が、張小敬にどのような影響を与えるのか、今後の展開がますます気になります。
つづく