あらすじ

第二十五話では、張小敬ちょう・しょうけい檀碁たんき、そして靖安司の間の緊迫した状況が描かれています。

檀碁たんき伊斯いすは劉記書肆の外で張小敬ちょう・しょうけいを待っている間に、靖安司から異様な「格殺勿論」の密令が出されたことを知ります。危険を察知した檀碁たんき張小敬ちょう・しょうけいに知らせようとしますが、その一方で伊斯いす守捉郎しゅそくろうに見つかってしまいます。しかし、ちょうどその時、火災を知らせる笛の音が響き渡り、伊斯いすは難を逃れます。

一方、李必り・ひつ何孚か・ふの対立は激化し、何孚か・ふ李必り・ひつの計画を暴露し、太子を陥れると脅迫します。李必り・ひつは深い憂慮に囚われます。

張小敬ちょう・しょうけい檀碁たんき守捉郎しゅそくろうに追われ、張小敬ちょう・しょうけいは多勢に無勢ながらも奮戦し、守捉郎しゅそくろうの一人を人質にして窮地を脱しようとします。

その頃、檀碁たんきの要請を受けた胖羅ぱんら不良人ふりょうじんを率いて張小敬ちょう・しょうけいの救援に向かいます。不良人ふりょうじんたちは張小敬ちょう・しょうけいに過去の恨みを抱いていましたが、それでも彼を逃がすために協力します。

更に、吉温きつ・おんは三羽令を発令し、張小敬ちょう・しょうけいの捕縛を命じます。姚汝能よう・じょのう張小敬ちょう・しょうけいを弁護しようと試みますが、脅迫を受けてしまいます。元載げん・さい張小敬ちょう・しょうけいの捕縛に向かうよう命じられ、王蘊秀おう・うんしゅうはこれに不満を表します。

ネタバレ

劉記書肆の前で張小敬ちょう・しょうけいを待つ檀碁たんき伊斯いす。突如、靖安司からの緊迫した太鼓の音が響き渡る。異変を察知した檀碁たんきは、伊スに屋上へ登り近くの望楼を確認するように指示する。武侯たちの密語を解読できる伊スは、「格殺勿論」の命令が出ていることを知る。檀碁たんきは靖安司に危険が迫っていると考え、張小敬ちょう・しょうけいに知らせようと決意。同時に伊スには逃げるよう促すが、伊スは残ると言い、パルクールのような身のこなしを見せるも、待ち構えていた守捉郎しゅそくろうたちの真ん中に落ちてしまう。守捉郎しゅそくろうたちが伊スに襲いかかろうとしたその時、劉記書肆から火師に異変があったという知らせが入り、彼らはそちらへ向かう。

一方、龍波は太鼓の音を聞き、李必り・ひつにその意味を尋ねる。しかし李必り・ひつが答える前に、何孚か・ふが現れ、望楼からの伝言で張小敬ちょう・しょうけいの全城手配が命じられたと報告、自らの計画の完璧さを得意げに語る。両親の復讐のために狂人を装っていたことを明かす何孚か・ふに対し、李必り・ひつは長安の民の命を顧みない行為を非難する。何孚か・ふは太子に関する秘密を暴露すると脅し、李必り・ひつの支配から逃れる。

張小敬ちょう・しょうけい檀碁たんきと共に追手から逃げる途中、火師からの手がかりを失ったため、檀碁たんきに靖安司へ戻り李必り・ひつに助けを求めるよう指示する。守捉郎しゅそくろうに包囲された張小敬ちょう・しょうけいは、激しい戦闘の末、一人を人質に取るも脱出は葉わない。

檀碁たんきは急ぎ近くの武侯の詰め所に駆け込み、夫が捕まったと嘘をつき、胖羅ぱんらに助けを求める。胖羅ぱんら不良人ふりょうじんたちは檀碁たんきの話を信じ、協力を約束する。

龍波のもとでは、何孚か・ふ李必り・ひつの対立が続く。何孚か・ふは太子を陥れる計画を企て、蚍蜉たちに三倍の報酬を約束して協力を得ようとする。何孚か・ふの態度に不満を持った龍波は、彼の目をくり抜くと脅し、服従させる。

その後、胖羅ぱんらに率いられた不良人ふりょうじんたちは、戦闘中の張小敬ちょう・しょうけいを発見する。かつては敵対していた不良人ふりょうじんたちも、今は張小敬ちょう・しょうけいに協力することを選ぶ。伝令の武侯が吉温きつ・おんの出した三羽令を伝え、張小敬ちょう・しょうけいの逮捕を命じるが、張小敬ちょう・しょうけいは武侯を威嚇して追い払い、檀碁たんき李必り・ひつのもとへ向かうよう指示する。

姚汝能よう・じょのう吉温きつ・おん張小敬ちょう・しょうけいが無実だと説得を試みるが、吉温きつ・おんは聞き入れず、余計なことをするなと警告する。吉温きつ・おん元載げん・さいに平康坊での張小敬ちょう・しょうけいの逮捕を命じ、一時間の期限を与える。

最後に、姚汝能よう・じょのうは殺害された同僚の遺体を見て悲嘆ににらみ、徐賓じょ・ひんの首からネックレスを外し、形見として手に取る。

この回は、緊迫の追跡劇、複雑な人間関係、様々な勢力の争いを描きながら、背後で蠢く陰謀をさらに深く掘り下げている。

第25話の感想

第25話は、息もつかせぬ展開で、手に汗握るストーリーでした。特に張小敬ちょう・しょうけいの逃亡劇は圧巻で、守捉郎しゅそくろうとの戦闘シーンは緊迫感に満ち溢れていました。窮地に陥りながらも、機転と武芸を駆使して生き延びようとする彼の姿は、まさに「死地を駆け抜ける」という言葉がぴったりです。

檀碁たんきの機転と行動力も光っていました。伊スを逃がそうとしたり、胖羅ぱんらに助けを求める際に咄嗟に嘘をついたり、と困難な状況でも冷静さを失わず、張小敬ちょう・しょうけいを救うために行動する姿は、彼女の強い意誌と愛情を感じさせます。

一方、何孚か・ふの狂気じみた言動は、物語に不気味な影を落としています。両親の復讐という目的のためとはいえ、長安の民の命を軽視する彼の姿は、恐ろしさを感じさせます。龍波との駆け引きや、太子を陥れようとする計画など、彼の行動は今後の展開に大きな影響を与えそうです。

つづく