あらすじ
第31話は、李必が林九郎に掌握されている状況下で、檀碁の安全と引き換えに太子謀仮の証拠集めを強製的に承諾させられる様子を描いています。林九郎は姚汝能に李必を監視させ、檀碁を人質として残しました。しかし、李必は内心では別の計画を練っており、任務完瞭後に林九郎の罪を暴くつもりでした。
その頃、張小敬は徐賓を見つけ、林九郎が一連の事件に関与しているという重要な情報を得ます。同時に、林九郎は自身の安全と計画の遂行を確実にするため、様々な手を打ちます。元載に李必の証拠入手への同行を命じ、また不測の事態に備えて姚汝能に檀碁の抹殺を指示しました。
李必はあらゆる手段を用いて逃走に成功し、右驍衛に対抗するため龍虎軍の助力を得ようとします。そして最終的に、李必は郭力士に助けを求め、一方林九郎は聖上に供状を提出することで自らの立場を固めようと画策します。
ネタバレ
龍波は、国師・毛順の家族を人質に取り、協力を強要した。龍波が伏火雷を運び込むと、毛順は職人たちを立ち退かせ、龍波と共に興慶宮へ向かった。
一方、林九郎は李必を捕らえようとしたが、李必は太子の謀仮の証拠を集めることで一時的に身の安全を確保しようと申し出た。裴尚書は李必の逃亡を懸念したが、李必は林九郎への忠誠を誓い、署名押印後に解放された。
林九郎は姚汝能に李必の監視を命じ、檀碁を右相府に人質として残した。李必は檀碁に別れを告げ、互いに励まし合った後、苦渋の決断で彼女を後にした。元載は林九郎に李必への警戒を促し、甘守誠に護送をさせるよう進言したが、林九郎は右相府の安全を考慮し、元載自身に同行させた。さらに、林九郎は姚汝能に機会があれば檀碁を始末するよう指示した。
張小敬は紙坊で徐賓を見つけ、林九郎の資産に関する情報を得て、彼が太子を陥れようとしていると確信した。徐賓は真相究明を張小敬に依頼したが、張小敬は長安の民を救うため、龍波と伏火雷の捜索を優先し、靖安司に戻って捜査を続けることにした。同時に、右相府へ向かった李必の身を案じた。
林九郎は、李必に証拠を探させることで彼の忠誠心と元載の能力を試そうとしていた。右相府では、甘守誠が檀碁を買収しようとしたが、拒絶され侮辱されたため、怒りにまかせて手を出そうとしたところを姚汝能に止められた。姚汝能は檀碁に希望を捨てるよう説得を試みた。元載は王蘊秀を連れて李必に近づき、李必を殺すよう唆したが、王蘊秀はすぐには動かなかった。李必は劉記書肆で手がかりを探し、暗号を使って守捉郎の仲間と連絡を取った。しかし、元載は異変に気づき、右驍衛に書肆への突入を命じ、両者は衝突した。李必は混乱に乗じて逃走し、父と陳玄礼将軍の繋がりを盾に龍虎軍の保護を受け、郭利仕に助けを求めた。
李必の逃亡を知った林九郎は、裴尚書に何孚と李必の供述書を皇帝に提出するよう指示した。李必は郭利仕に状況を説明し、寧王孫がそれを記録し、皇帝に直接報告することを決めた。一方、檀碁の危機を知った張小敬は不安に駆られた。元載は林九郎に報告に戻ったが、林九郎は既に李必の逃亡による影響を受けないよう手を打っていた。
第31話の感想
第31話は、登場人物たちの思惑が複雑に絡み合い、緊張感が増す展開でした。特に、李必の脱出劇は手に汗握るものがありました。林九郎の策略によって窮地に追い込まれる李必ですが、機転と大胆な行動で危機を脱する姿は、彼の知略の高さを改めて示しています。一方、林九郎は冷酷なまでの計算高さで李必を追い詰め、その老獪さが際立っていました。二人の知恵比べは、今後の展開を大きく左右しそうです。
また、張小敬と檀碁の関係にも変化が見られました。檀碁が人質となることで、張小敬の焦燥感が増し、二人の絆の深さが感じられます。長安の危機を救うという大義と、大切な仲間を守るという私情の間で葛藤する張小敬の姿は、人間味あふれる描写でした。
龍波と毛順の共謀も不気味な影を落としています。伏火雷という危険な武器を手にした彼らの目的が何なのか、今後の展開が非常に気になります。
つづく