あらすじ
第32話は、李必が何執正と檀棋を救うために奔走する様子を描いています。李必は、郭力士に聖上への嘆願を依頼し、何執正を救い太子への累を及ぼさないようにしようとします。郭力士は当初反対しますが、最終的には李必の説得に応じ、何執正を灯宴に間に合わせることを約束します。一方、張小敬は檀棋を救うため、危険を冒して暗道を通る決意をします。李必は太子に林九郎の罪を説明し、檀棋救出への協力を要請します。太子の心は李必の熱意に動かされ、ついに承諾します。
林九郎は何執正とその弟子たちを殺すと脅しますが、聖上の命令により、何執正を灯宴に出席させることを余儀なくされます。その頃、檀棋は姚汝能に偽装殺害され埋葬されますが、実際には生きていました。元載はこれに気づき、檀棋を再び葬ろうとしますが、姚汝能は身を挺して彼女を守ります。そして、張小敬は苦労の末に暗道を見つけ、そこに李必も駆けつけ、棺の中の檀棋を救出することに成功し、危機を脱します。このエピソードは、様々な勢力間の複雑な駆け引きと、主人公たちが正義と仲間のために奮闘する姿を描いています。
ネタバレ
李必は郭利仕に何執正の助命を嘆願するが、郭利仕は彼が林九郎暗殺計画に関与していた証拠を掴んでいた。李必は太子への疑惑を避けるため、何執正に聖上への直訴を勧めるも、郭利仕はそれを却下し、李必のこれ以上の介入を禁じた。李必は聖上が林九郎と太子の争いを利用し、皇権強化を図っているのではないかと推測し、郭利仕の不興を買う。そして、林九郎の台頭は大唐の危機につながると警告する。熟慮の末、郭利仕は聖上に嘆願し、何執正の灯宴出席を確約する。李必は張小敬の助命も願うが、死罪人への嘆願は無意味だと郭利仕に一蹴される。
一方、張小敬は檀碁救出を決意し、徐賓の助言で右相府から李香香宅へ繋がる秘密通路の存在を知る。張小敬はすぐさま行動を開始し、徐賓は職工たちを安全な場所へ避難させた。
李必は太子に謁見し、供状への署名は強要されたものだと説明し、林九郎が三司大印を掌握している事実を明かす。檀碁の救出を依頼するが、太子は難色を示す。しかし、李必の忠誠の誓いを受け、ついに承諾する。その頃、林九郎は何執正を捕らえ、弟子たち共々処刑すると脅迫していた。何執正は太子への証言を拒否し、林九郎の怒りを買う。そこに郭利仕が聖上の勅命を伝え、林九郎に布衣での灯宴出席を命じる。太子も同じく布衣で出席すると聞き、林九郎はやむなく何執正を解放する。
李四方は甘守誠に林九郎の護衛を指示し、姚汝能には檀碁の抹殺を命じる。姚汝能は檀碁を扼殺したように見せかけ、埋葬する。元載は不審に思い、檀碁を探し出し、姚汝能の芝居を見破る。右驍衛が到著した時、檀碁はまだ意識を取り戻しておらず、姚汝能は応戦を余儀なくされる。元載は隙を見て檀碁の生存を確認し、密かに立ち去る。姚汝能は重傷を負う。
張小敬は李香香宅に辿り著き、秘密通路の場所を問い詰める。李香香は最初は張小敬をからかうが、彼の真意を知り、情報を提供する。張小敬は通路へと進む。
元載は姚汝能を拷問し、黒幕を白状させようとするが、姚汝能は独断での行動だと主張する。元載は右驍衛に檀碁の生き埋めを命じる。檀碁は自力で脱出しようとするが、体力の限界で意識が朦朧とする。薄れゆく意識の中、檀碁は張小敬の姿を幻視し、心の中で短い会話を交わす。絶望の淵に立たされた檀碁を、李必が救出する。
第32話の感想
第32話は、まさに息詰まる展開の連続でした。それぞれのキャラクターの思惑が複雑に絡み合い、緊張感が途切れることなく、画面に釘付けになりました。
特に印象的だったのは、張小敬の檀碁への一途な想い。死罪を覚悟の上で、秘密通路を辿り、彼女を救い出そうとする姿は、胸を打つものがありました。李香香とのやり取りも、緊迫した状況ながらも、どこかユーモラスで、良いアクセントになっていました。
一方、李必は太子と林九郎の間で板挟みになりながらも、冷静に状況を分析し、行動を起こしていきます。何執正を救うために郭利仕に嘆願する場面、太子に林九郎の陰謀を明かす場面など、彼の知性と胆力が際立っていました。
つづく