あらすじ
第35話は、長安の賑やかな上元節の祝賀と、窮地に陥った張小敬の物語を中心に展開します。
聖上は上元節を祝う詔を発しますが、長安の街は不穏な空気に包まれています。龍波は聖上暗殺を企て、李必はそれを阻止しようとしますが、逆に気絶させられてしまいます。檀碁は張小敬を救うため、嚴羽幻に助力を求め、許鶴子が聖上に近づくのを阻止することを条件に協力を得ます。
一方、張小敬は小勃律大使館事件への関与で捕らえられますが、聞染を守るため自ら罪を認めます。朝廷では、太子と林九郎が張小敬の行動を巡り互いを非難し、何執正は小勃律大使館建設の裏に隠された不正を暴きます。
最終的に、嚴羽幻の尽力により、聖上は一時的に張小敬の罪を問わず、「蚍蜉」の捕縛作戦への参加を許可します。張小敬は晁分の助けを借り、興慶宮へ通じる秘密の通路を見つけ、龍波の陰謀を阻止しようとします。元載もまた関連の命令を受け、興慶宮へ急ぎ警告を発しようとしています。
ネタバレ
上元節の到来に、長安の民衆は歓喜に沸いていた。皇帝は民と共に祝うと詔を出したのだ。季姜は太上玄元皇帝について尋ね、師から老子のことだと教わる。一方、龍波は李必に皇帝暗殺計画を明かし、その名を後世に残すと宣言する。
檀碁は張小敬の助命嘆願のため、嚴羽幻に頼ろうとする。しかし、嚴羽幻は多くの嘆願を受けており、厳しい規則を設けていたため、死刑囚の助命は拒否された。檀碁が張小敬の恋人だと知ると、嚴羽幻は協力を承諾する。ただし、檀碁は許鶴子が皇帝に近づくのを阻止し、自身の地位と影響力を維持するよう要求された。
李必は龍波を説得しようとするが、聞き入れられず逆に気絶させられてしまう。同時に、元載は右驍衛を率いて晁分の家を包囲するも、突入には躊躇していた。張小敬は伊斯を救出し、晁分から興慶宮への秘密の通路の情報を得て、龍波の計画を阻止しようと動き出す。
朝廷では、小勃律の使節に関する報告を受け、皇帝は貢物が再開される見込みに満足していた。しかし、太子は靖安司が狼衛を捕らえられなかったことを咎められる。何執正は使節館建設における不正を暴露し、林九郎と永王が対立する。永王は責任を張小敬に押し付けようとするが、太子は張小敬が長安を救った功績を挙げる。
檀碁は張小敬のために自ら皇帝に嘆願することを決意し、嚴羽幻の手の者に捕らえられるよう仕向け、自身との関係を断ち切ろうとする。嚴羽幻の仲介により、皇帝は一時的に張小敬の罪を不問にし、蚍蜉の逮捕を命じる。同時に、張小敬は水路から興慶宮に侵入し、魚腸は計画通り水門を開けて道を封鎖する。
元載は三羽文書を受け取る。林九郎と太子が連名であることに疑問を抱きながらも、指示に従い、張小敬を興慶宮へ送り、爆発の可能性を警告する。龍波は蚍蜉たちに麒麟臂を起動させ、灯楼を爆破し皇帝を殺害しようと企んでいた。李必は龍波が毛順を脅迫していた事実を突き止め、問い詰めると、龍波は計画を認める。
最後に、許鶴子は花車の上で演舞を披露し、人々の注目を集める。張小敬は彼女に広場へ連れて行ってくれるよう頼む。許鶴子の舞が最高潮に達し、熱狂する観客に紛れ、張小敬は次の行動に移ろうとしていた。
第35話の感想
第35話は、上元節の祝賀ムードと緊迫した陰謀が交錯する、息詰まる展開でした。華やかな祭りの裏で、龍波の恐るべき計画が著々と進行し、張小敬は時間との闘いを強いられます。
特に印象的なのは、檀碁の機転と覚悟です。愛する張小敬を救うため、自ら危険を冒し、周到な計画で皇帝への嘆願を実現させます。彼女の強い意誌と深い愛情が胸を打ちました。
一方、龍波の冷酷さと狂気も際立っていました。皇帝暗殺という大それた計画を淡々と実行しようとする姿は、まさに悪の権化と言えるでしょう。李必との対峙シーンでは、その狂気的なまでの信念がひしひしと伝わってきました。
つづく