あらすじ

第十一話は七夕の後宮の宴と太子の妃選びを中心に展開します。皇后は太子にふさわしい妃を選ぶため宴を催し、適齢期の女性たちを多数招待しました。その中には香料の調合に長けた秦真真チン・ジェンジェンの姿もありました。李川リー・チュアン秦真真チン・ジェンジェンに想いを告白しますが、彼女は宮廷生活ではなく純粋な愛情を求めているため、理性的に断ります。一方、李蓉リー・ロンは妃選びを妨害するため宴に参加し、裴文宣ペイ・ウェンシュエンと協力して結果に影響を与えようと画策します。上官雅シャン・グワンヤーは宮廷に入って寵愛を争う意思がないことをはっきりと表明し、李蓉リー・ロンはこれに安堵します。

妃選びは香袋の出来栄えを競う形で進められ、李蓉リー・ロン秦真真チン・ジェンジェン上官雅シャン・グワンヤーがそれぞれ上位三名に入ります。皇帝こうてい秦真真チン・ジェンジェンに目を留めますが、彼女はあえて目立たないように振る舞います。最終的に、李蓉リー・ロン裴文宣ペイ・ウェンシュエンは誤解を解き、関係を修復します。そして秦真真チン・ジェンジェンは宮廷生活への嫌悪感をはっきりと伝え、李川リー・チュアンを失望させます。

ネタバレ

七夕を前に、皇后主催の宴が後宮で開かれることになった。表向きは太子妃選び、実際は后妃たちの思惑が渦巻く場となる。皇后は上官雅シャン・グワンヤーを、依柔妃ロウ・ヒは香料に詳しい娘を推挙し、皇帝こうていの寵愛を得ようと画策していた。

李蓉リー・ロンは事態を事前に察知し、行動を起こす。一方、李川リー・チュアン秦真真チン・ジェンジェンに想いを伝え、宮廷の困難も共に乗り越えたいと告げる。だが、秦真真チン・ジェンジェン李川リー・チュアンの太子という立場を受け入れられず、純粋な愛情を求めていた。彼女は李川リー・チュアンとの別れを予感し、剣術の稽古を申し込むが、李川リー・チュアンの気持ちは届かない。

七夕当日、裴文宣ペイ・ウェンシュエン李蓉リー・ロンは宮中へ。男女は別々の席となり、李蓉リー・ロンは御花園へ。そこで上官雅シャン・グワンヤーと蘇家の娘に出会う。上官雅シャン・グワンヤーは宮廷での争いに関わる意思がないことを表明し、李蓉リー・ロンは安堵する。李蓉リー・ロンの目的は妃選びを阻止し、運命を変えることだった。

宴で、李蓉リー・ロンは既婚者でありながら香料作りの競技に参加。秦真真チン・ジェンジェンも妃になる意思がないことが分かる。皇后と柔妃ロウ・ヒの思惑が交錯する中、李蓉リー・ロン裴文宣ペイ・ウェンシュエンに密かに状況を伝えようとするが、柔妃ロウ・ヒに阻まれてしまう。

皇帝こうていの隣に座る李川リー・チュアンは、今日の妃選びの結果を既に悟り、上官雅シャン・グワンヤーが選ばれるであろうことに重苦しい気持ちを抱いていた。競技では香囊に名前はなく番号のみ。李蓉リー・ロンからの伝言は届かなかったものの、裴文宣ペイ・ウェンシュエンは彼女が仕込んだ白檀の香りに気づき、李川リー・チュアンに三番の香囊を選ばせる。

結果、李蓉リー・ロン秦真真チン・ジェンジェン上官雅シャン・グワンヤーが上位三名に。皇帝こうてい李蓉リー・ロンの腕前を褒め、秦真真チン・ジェンジェンにも目を留めるが、彼女は皇族からの過剰な関心を避ける。この一件で、李蓉リー・ロン秦真真チン・ジェンジェンの信頼は深まり、李蓉リー・ロン上官雅シャン・グワンヤーにも好感を抱く。しかし、李蓉リー・ロン秦真真チン・ジェンジェン裴文宣ペイ・ウェンシュエンに特別な感情があると勘違いし、裴文宣ペイ・ウェンシュエンとの政略結婚と将来の離縁について話してしまう。秦真真チン・ジェンジェンは困惑する。

その後、李川リー・チュアン秦真真チン・ジェンジェンに会うが、彼女は宮廷生活にも李川リー・チュアンの立場にも興味がないとはっきり告げる。落胆した李川リー・チュアンは去っていく。李蓉リー・ロン裴文宣ペイ・ウェンシュエン秦真真チン・ジェンジェンへの想いを伝えるよう促すが、裴文宣ペイ・ウェンシュエンは怒りながら秦真真チン・ジェンジェンへの好意を否定し、李蓉リー・ロンへの愛を告白する。李蓉リー・ロンは驚きを隠せない。最後は、李蓉リー・ロンが雨の中裴文宣ペイ・ウェンシュエンを追いかけ、誤解を解き、二人の仲は修復されるのだった。

第11話の感想

七夕の宴を舞台に、それぞれの思惑が交錯する第11話。太子妃選びという一大イベントを通して、登場人物たちの複雑な感情が鮮やかに描かれていました。特に印象的だったのは、李蓉リー・ロンの機転と裴文宣ペイ・ウェンシュエンとの息の合った連携プレー。香料選びの場面は、緊迫感がありながらも、二人の信頼関係が垣間見える見事な演出でした。

李蓉リー・ロンは、運命を変えるために行動を起こし、見事目的を達成します。しかし、秦真真チン・ジェンジェン裴文宣ペイ・ウェンシュエンの関係を誤解してしまう場面は、彼女の繊細さゆえの行動とはいえ、少しもどかしい気持ちになりました。一方、秦真真チン・ジェンジェンは、李川リー・チュアンからの好意を毅然と断り、自分の意思を貫く姿が印象的でした。宮廷のしがらみに囚われず、自由を求める彼女の姿勢には共感できます。

つづく