あらすじ
第13話は、李蓉が自らの権力基盤を築こうと奮闘する様子を描いています。彼女は更なる権力を得るため皇帝の後ろ盾を求め、様々な人間関係や出来事を巧みに利用していきます。
名門貴族による牽製に対し、李蓉はいくつもの手を打ちます。裴文宣と共に皇帝に権限の付与を願い出る、秦真真に偽装死をさせて荀川と名を変え自分の護衛とする、そして秦家の冤罪を芝居によって世間に暴露し民衆の怒りを煽ることで皇帝に督察司の設置と捜査の許可を迫る、等です。
同時に、李蓉は蘇容卿との関係も整理します。このことに裴文宣は少なからず嫉妬心を抱きます。
ネタバレ
早朝、李蓉と裴文宣は宮殿の外で皇帝の召見を待っていた。李蓉は裴文宣に蘇容卿と茶楼で会う約束を取り付けてくれるよう頼むが、裴文宣は場所に難色を示し、ロマンチックすぎるとぼやく。一方、鳳鳴は秦真真の居場所を見つけ、李川に秦家に更なる危険が及ばないように姿を現さないよう警告する。
李蓉と裴文宣は皇帝に更なる権限を求めるが、皇帝は即答を避け、考慮する時間を求め、娘との過去の温かい思い出を回想し、かつて娘に贈った品を取り出す。
二人が退出後、福来は李蓉に、彼女の提出した奏状が承認され、三つの県の封地が与えられると伝える。李蓉はこれを好機と捉え、秦家の力を利用して貴族と自身の勢力の均衡を図ろうと考える。
李蓉は秦真真に会い、前世で秦真真が亡くなった後、李川が深く悲しんだことを話す。そして、秦真真を西北に送り、監察司の支部を設立させ、秦臨の西北における兵権の安定化を図る計画を明かす。安全のため、秦真真には偽装死をさせ、「荀川」という新たな身分で李蓉の護衛として仕えさせることにする。
蘇容卿は秦家の調査を命じられる。李川は秦真真に会うため薬を持って来るが、秦真真は姿を現すことができず、二人は形見を通してのみ想いを伝え合う。
夜、李蓉が眠っているのを見た裴文宣は、優しく彼女を抱きかかえてベッドに運ぶ。翌日、目覚めた李蓉は朝廷の様子を尋ね、蘇容卿に会うことを決める。皆のために奔走する李蓉の姿に裴文宣は心を痛めるが、彼女の決意が固いことを悟る。しかし、蘇容卿に面会を断られた李蓉は、自分がまだ彼に想いを寄せていることに気付く。
新たな家長の擁立のため、李蓉は聚財館の上官雅を訪ねる。上官雅は李蓉の提案を受け入れる。公主府に戻った李蓉は静蘭に、京華一の劇団を集め、街頭で秦家の冤罪を暴く芝居を上演するよう命じる。
劇の上演により、民衆は貴族による庶民への陥れに憤慨する。計画通り、秦真真は公主府前で血書を掲げ、李蓉に公正な裁きを求め、柱に頭をぶつけて偽装死する。李蓉は血書を持って皇帝に謁見し、皇帝はこの機に貴族を弾圧し、李蓉による督察司の設立と捜査を許可する。
上官旭は李蓉に余計なことに関わるなと警告するが、彼女は真相究明の意誌を曲げない。勅命と令牌を得た李蓉は再び上官雅を呼び、改名した秦真真――荀川を紹介する。
李蓉、裴文宣、荀川は刑部で巻宗を閲覧しようとするが、役人に阻まれる。李蓉は荀川に役人を脅すよう合図し、裴文宣はその隙に書庫へ忍び込む。李蓉はわざと手を傷つけ、役人の仕業だと偽り、蘇容卿の同情を買う。蘇容卿が李蓉の手当てをしているところを目撃した裴文宣は嫉妬し、李蓉の手を引いてその場を立ち去り、自ら手当てをし直し、蘇容卿のハンカチを荀川が拾うのを阻止する。
第13話の感想
第13話は、李蓉の周到な計画性と行動力、そして複雑な人間関係が際立つエピソードでした。秦家の冤罪を晴らすため、偽装死や劇団を使った大掛かりな演出など、緻密に練られた策略は見事でした。特に、秦真真を「荀川」として自身の護衛に仕立て上げるという大胆な発想は、李蓉の機転と決断力の高さを示しています。
一方、李蓉の心情も繊細に描かれていました。蘇容卿への未練を自覚する場面や、裴文宣の優しさに触れる場面からは、彼女の心の揺らぎが感じられます。権力闘争の渦中にありながらも、人間らしい感情を失わない李蓉の姿に共感しました。
また、李川と秦真真の切ない再会シーンも印象的でした。直接会うことは葉わずとも、形見を通して想いを伝え合う二人の姿は、胸を締め付けられるものがありました。二人の今後の展開が気になります。
つづく