あらすじ
第二話は春日宴を中心に展開します。これは皇帝が駙馬を選ぶ重要な場であり、蘇容卿はその際立った気品で注目の的となりました。そして、長公主・李蓉の好意をも勝ち取ります。
しかし、裴文宣は蘇容卿と李蓉の親密な様子に不安を覚えます。蘇容卿の身分では、二人の関係が皇帝に認められるとは思えなかったからです。裴文宣は李蓉の選択に介入しようと試み、駙馬選考を妨害するため密かに混乱を引き起こそうとさえしますが、李蓉に見破られてしまいます。
一連の出来事の後、李蓉は蘇容卿に駙馬になるよう申し出ますが、断られてしまいます。
そして最後に、裴文宣と李蓉は囲碁を打ちながら、互いに前世の記憶を持って転生してきたことに気づきます。この事実は、二人の関係をより複雑なものへと変えていきます。盤上の戦いが進むにつれ、二人は共に前世の記憶を携えてこの世界に戻ってきたことを理解し合い、今後の展開に大きな伏線を残すのでした。
ネタバレ
華やかな春の宴。皇帝が選定した四人の駙馬候補に加え、多くの貴族の子息や令嬢が集まり、盛大な催しとなった。白い錦の袍に身を包み、玉簪で冠を飾った蘇容卿の姿はひときわ目を引き、その気品は周囲の注目を集めた。一方、裴文宣の服装は質素だった。
裴文宣は過去の記憶を思い出し、李蓉との間に蘇容卿が入り込んだことに不満を抱いていた。李蓉は明らかに蘇容卿に好意を抱いており、その様子に裴文宣は不安を覚える。蘇容卿の家柄を考えると、もし李蓉が彼を選べば、皇帝の許しを得るのは難しいだろう。
前世にはなかった春の宴。そして、この場で李蓉と蘇容卿が出会うとは。事態の変化に気づいた裴文宣は、李蓉の軽率な選択を防ぐため、彼女に挨拶をするが、無視されてしまう。二人の間の微妙な空気を察した蘇容卿は、静かに李蓉と共に庭へ向かう。会話の中で、蘇容卿の物腰に李蓉は好感を抱く。
宴が正式に始まり、長公主である李蓉は曲水の宴で貴族の子息たちを見定める。盧羽は愚かだが純粋、楊泉は粗暴、崔玉郎は遊郭通い。蘇容卿は見事な弓術で李蓉の心を掴み、硯を賜る。華楽公主は盧羽の包子を食べる姿に興味を持ち、寧妃は弟の楊泉を駙馬にしようと画策するが、皇帝に却下される。
芙蓉杯が裴文宣の前に止まった時、李蓉は体調不良を理由に席を外し、彼に活躍の機会を与えない。静蘭は蘇容卿に、公主府に入るメリットをそれとなく伝える。
李蓉が蘇容卿を選べば、和親のために他国へ嫁ぐか、死を賜る可能性もあると裴文宣は警告する。李蓉はその言葉の重みを理解し、裴文宣の忠告を心に留める。
李蓉を守るため、裴文宣は密かに混乱を引き起こす。楊泉が人を傷つけ、盧府の使用人が盧羽を連れ帰るよう仕向け、駙馬選びを妨害しようとする。しかし、李蓉は裴文宣の策略を見抜き、彼を叱責し、池に落とすよう命じる。その後、やりすぎたと思い直し、裴文宣を助け出す。
李蓉は蘇容卿に駙馬になる意思があるか尋ねるが、断られる。著替えを終えた裴文宣が李蓉の前に座る。秦真真との過去の出来事を思い出した李蓉は怒り、侍女に枸櫞を用意させる。裴文宣は食事を終えたばかりで食欲がないと断る。そこで李蓉は碁を提案する。二人は互いの打ち筋が前世と驚くほど同じであることに気づき、相手も転生したのだと悟る。
碁を打ち進めるうちに、二人は共に前世の記憶を持って生まれ変わったことを確信し、二人の関係はより複雑なものへと変化していく。
第二話 感想
「度華年 The Princess Royal」第二話は、春の宴の華やかさと共に、主要人物たちの思惑が複雑に絡み合い、先の展開が気になるエピソードでした。特に印象的なのは、李蓉と裴文宣、そして蘇容卿の関係性の変化です。前世の記憶を持つ李蓉は、蘇容卿に好意を抱きながらも、裴文宣の警告に揺れる心情が繊細に描かれています。一方、裴文宣は李蓉を守ろうとするあまり、過激な行動に出てしまい、二人の関係はさらにぎくしゃくしたものになってしまいます。二人の間にある緊張感と、蘇容卿という新たな存在が加わることで、今後の恋愛模様がどのように展開していくのか、目が離せません。
また、曲水の宴での各駙馬候補たちの描写も面白かったです。盧羽の天然さ、楊泉の粗暴さ、崔玉郎の放蕩さなど、個性豊かなキャラクターたちが李蓉の仮応を通して鮮やかに描かれており、それぞれのキャラクターの背景や今後の役割が気になるところです。特に、李蓉が蘇容卿の弓術に感銘を受けるシーンは、二人の距離が縮まる重要な場面として印象に残りました。
つづく