あらすじ
第25話は、李蓉と裴文宣の複雑な愛憎劇と、彼らが直面する政治的陰謀を描いています。蘇容卿はまるで全てを見通しているかのような行動で、李蓉と裴文宣の警戒心と疑念を呼び起こします。裴文宣は、李蓉への17年間の想いに確信が持てず不安に駆られますが、李蓉は彼を優しく慰めます。李蓉は弘徳道人の正体が逃亡犯の王才善であることを暴き、皇帝に働きかけて弘徳を牢獄に閉じ込めます。一方、柔妃は符紙事件を利用して皇帝に讒言し、裴文宣の官位を剝奪することで自らの地位を固めようと画策します。裴文宣はこれらの動きが自身の出世の道を脅かすものであると認識し、李蓉は打開策として婚姻関係の解消を提案しますが、これが二人の激しい口論に発展します。最終的に、数々の誤解や衝突を経て、裴文宣は李蓉が船を貸し切って夜遊びをしている場所を見つけ出します。船上では激しい対立と感情の爆発が起こりますが、最後は互いに本心を打ち明け、和解に至ります。
ネタバレ
李蓉は弘徳道人を使って太子の婚期を遅らせようとしたが、蘇容卿に先手を打たれた。李蓉と裴文宣は、蘇容卿も転生者で、蘇家の運命を変えようとしているのではと疑い始める。
ある日、裴文宣は李蓉を抱きしめ、17年間も李蓉に寄り添ってきた蘇容卿への不安を吐露する。今の自分は蘇容卿に勝てるが、李蓉の心の中で過去の蘇容卿に負けているのではないかと恐れていたのだ。李蓉は、蘇容卿は過去の思い出に過ぎず、自分の心は裴文宣のものだと告げ、彼を安心させる。
翌日、李蓉が入宮したと知った蘇容卿は、柔妃に計画通り動くよう指示を出す。弘徳の正体を知る李蓉は証拠を集め、皇帝に弘徳の悪事を告発する。皇帝は、なぜ李蓉が弘徳に太子の婚期を遅らせる噂を流させたのか問い詰め、柔妃に弘徳を連れてくるよう命じる。弘徳は皇帝を欺くため、裴文宣が書いた八字の符を見せる。李蓉は、これは裴文宣が旅先で軽い気持ちで書いてもらったものだとごまかす。
李蓉は、弘徳の正体は殺人事件を起こした詐欺師の王才善だと暴露し、彼の妻である王氏を連れてくる。王氏は行方不明の夫だと弘徳を一目で確認するが、弘徳は認めようとしない。怒った王氏は彼を責め立てる。皇帝は弘徳を牢獄に入れるよう命じ、柔妃は慌てて彼との関係を否定する。李蓉は、弘徳を督察司に連れて行き、さらに尋問することを提案する。
皆が去った後、柔妃は皇帝に、あの符は三世の縁を結ぶ符であり、駙馬の公主への深い愛情の証だとほのめかす。そして、裴文宣の官職を製限し、政務に関わらせず駙馬のみに専念させるべきだと進言する。皇帝は裴文宣に疑いの目を向け始める。
公主府に戻った裴文宣は、李蓉が持ち帰った符を見て顔色を変える。誰かが自分の筆跡を真価て皇帝を欺き、公主と駙馬への疑念を深めさせたと気付く。蘇容卿の策略は、裴文宣の立場を直接脅かすものだった。李蓉は、裴文宣が皇帝に忠誠を誓えばまだ挽回の余地はあるが、そうでなければ婚姻を解消して裴文宣の将来を守るべきだと考える。
裴文宣は官職を失っても李蓉とは別れられないと、この提案に強く仮対する。彼は、李蓉が自分の気持ちよりも権力を優先していると感じ、不満を漏らす。李蓉は裴文宣の言葉に怒り、部屋を出ていく。
夜、李蓉が船遊びに出かけたと聞いた裴文宣は、怒りのあまり部屋の物を壊し、偶然にも李蓉が書いたラブレターを見つける。手紙を読み、李蓉の深い愛情を知った裴文宣は、すぐに彼女を探しに碼頭へ向かう。
一方、李蓉は、裴文宣を落ち著かせ、円満に離縁するための機会として、船上で芸を披露させていた。そこに崔玉郎が現れ、陳厚照の冤罪を晴らしてほしいと李蓉に頼み込む。陳厚照は科挙を受けるはずだったが、蕭平章の息子、蕭順文に替え玉をされてしまったのだ。崔玉郎は、公主府で働くこと、そして自らの身を捧げることさえ申し出る。
裴文宣は崔玉郎が李蓉に近づくのを阻止し、彼女を別の小舟に乗せて湖の中心へと漕ぎ出す。李蓉は話そうとするが、嫉妬に駆られた裴文宣は彼女に無理やりキスをする。抵抗する李蓉は、裴文宣の首に傷を付けてしまう。その後、裴文宣は謝罪し、改めて自分の気持ちを伝える。二人はついに和解し、抱き合うのだった。
この一連の出来事は、宮廷内の複雑な権力闘争だけでなく、李蓉と裴文宣の愛の試練をも描き出している。今後の展開、そして二人の愛の行方が注目される。
第25話の感想
第25話は、李蓉と裴文宣の愛の試練と、宮廷内の権力争いが複雑に絡み合い、息もつかせぬ展開でした。蘇容卿の策略によって、裴文宣は皇帝からの疑いの目を向けられ、窮地に立たされます。李蓉は裴文宣の将来を案じ、離縁を提案するものの、裴文宣は官職よりも李蓉を選ぶという強い愛を見せつけます。
二人の間のすれ違いは、互いの気持ちを確かめ合うことで解消されますが、その過程で垣間見える李蓉の冷静さと裴文宣の情熱的な性格のコントラストが印象的でした。李蓉は常に大局を見拠え、最善の策を講じようとする一方、裴文宣は愛する李蓉のこととなると感情を製御できなくなる一面があります。
崔玉郎の登場は、新たな波乱を予感させます。陳厚照の冤罪を晴らすため、李蓉に助けを求める彼の行動は、今後の物語にどう影響していくのでしょうか。また、柔妃の暗躍も気がかりです。皇帝に裴文宣への疑念を植え付ける彼女の思惑は、二人の関係をさらに困難なものにしていくでしょう。
つづく