あらすじ
第28話は、李蓉と崔玉郎の複雑な関係を中心に展開します。蕭平章の悪事を暴くためには崔玉郎しかいないと考えた李蓉は、彼に柔妃の側近に潜入するよう指示し、毒薬を用いてその忠誠を確保しました。裴文宣の策略によって崔玉郎は窮地に陥りますが、李蓉の指示に従い、皇帝に太子を弾劾するという大胆な行動に出ます。この一件は朝廷に大きな波紋を広げ、崔玉郎自身も罰を受けますが、各勢力の注目を集めるという目的は達成されます。
李蓉は崔玉郎の行動を利用して柔妃を欺き、同時に蘇容卿の行動に困惑を示し、宮廷闘争における知謀と複雑な人間模様を浮き彫りにします。
さらに、李蓉は太子・李川への支持と理解を示し、権力争いの中での彼女の立場と、人間味あふれる心情を垣間見せます。
ネタバレ
李蓉は崔玉郎と会い、彼から蕭平章が柔妃の親族で不正をしていること、そして自らの野心のために李蓉を利用したいという本音を聞き出す。李蓉は崔玉郎の真意を探りながら、秦家の事件での自分の手腕を見込んでの接近だと確認する。そして、柔妃のスパイとなるよう命じ、毒薬で彼を操ることに。
この一部始終を目撃した裴文宣は、崔玉郎に嫌がらせをする。一方、蘇容卿は失脚し、王厚文にも見放され、怒りを露わにする。柔妃は親族の不祥事の対応に追われる。
翌日、裴文宣は李蓉に冷たく接する。李蓉の指示通り、崔玉郎は根拠のない理由で太子・李川を弾劾する。皇帝は李川を宗廟に跪かせ仮省を促す。崔玉郎は減俸処分となるが、李蓉は彼の行動に満足する。
柔妃は崔玉郎を懐柔しようと試みるが、李蓉の指示で断られる。皇后は崔玉郎を懲らしめようとするが、李川に止められる。李蓉は李川に、崔玉郎は自分の配下であり、柔妃の勢力が拡大する前に排除する計画だと明かす。そして、李川の孤独を理解し、無条件で支えることを伝える。
柔妃は崔玉郎を監視し、皇後の意図を探ろうとする。李蓉は李川と崔玉郎を会わせ、皇后が崔玉郎を抱き込もうとしているように見せかける。柔妃は再び崔玉郎に接触し、更なる好条件を提示する。
李蓉は街で、民に施しをする蘇容卿と出会い、前世の彼を思い出し複雑な気持ちになる。蘇容卿は李蓉に何か疑問があるかと尋ね、李蓉は二人の未来には死別しかないと暗示する。そこに裴文宣が現れ、嫉妬心を露わにする。
その後、李蓉は陳厚照を呼び出し、蘇家から買収されていた事実を聞き出す。そして、陳厚照を逃亡させ、溺死に見せかける工作をする。崔玉郎は柔妃に寝返り、陳厚照の“死”の真相を明かし、この事件を利用しようと企む。
第28話の感想
第28話は、李蓉の冷徹な策略家ぶりが際立つ回だったと言えるでしょう。崔玉郎を毒で操り、柔妃の懐に送り込む様は、まさに冷酷非情。目的のためには手段を選ばない彼女の姿勢は、見ていてゾクゾクするほどの迫力があります。
特に印象的だったのは、李川とのやりとり。孤独な太子の心を理解し、支える言葉をかけながらも、その裏では彼を利用して柔妃を追い詰める計画を進めている。この二面性は、李蓉というキャラクターの複雑さを浮き彫りにしています。
一方、蘇容卿との再会シーンは、切ない余韻を残しました。前世の記憶を持つ李蓉にとって、蘇容卿は特別な存在。しかし、二人の未来には死別しかないと暗示する彼女の言葉は、今後の展開を予感させ、不安をかき立てます。
つづく
