あらすじ
第三十三話は、宮廷内の権力争いと登場人物たちの複雑な感情のもつれを中心に展開します。蘇容華は上官雅に会えず落胆しており、さらに上官雅の推薦によって藺飛白が貴族社会での地位を向上させていることが、彼女の苦悩を深めています。冬嬉の日にようやく上官雅に会うことができた蘇容華ですが、藺飛白の存在が彼の心に影を落とします。舞獅の競技では、弟に代わり蘇容卿が藺飛白と対決します。二人の戦いは単なる技の競い合いではなく、背後にある権力闘争の縮図でもありました。
その最中、謝春が毒に侵され意識を失いますが、香囊に入っていた解毒香のおかげで一命を取り留めます。続いて李蓉が何者かに襲撃され、刺客から逃れる際に崖から転落してしまいます。蘇容卿は彼女を救うため、後を追って崖を飛び降ります。そして二人は洞窟の中で出会い、李蓉は実の弟である李川に命を狙われていたことを知ります。実は李川は、李蓉が紹介した錬丹師の真意を誤解し、自分を排除しようとしていると思い込んでいたのです。
ネタバレ
冬嬉の祝いの日、蘇容華は上官雅に再会するも、常に藺飛白が側にいることに苛立ちを覚える。上官雅のお陰で謝家での藺飛白の地位は上昇し、蘇容華の弟、蘇容卿は兄がもっと早く上官雅に求婚すべきだったと不満を漏らす。しかし、蘇容華は太子が即位するまで待つべきだと諭し、軽挙妄動を慎むよう忠告する。
冬嬉の催し物として、藺飛白は蘇容卿に舞獅の勝負を挑む。かねてより藺飛白に仮感を持っていた蘇容卿は、この挑発に乗り、自ら勝負を受ける。裴文宣も舞獅への参加を願い出て、皇帝の許可を得る。太鼓の音と共に、蘇容華と藺飛白は互いに一歩も譲らぬ舞獅の技を披露し、実際は舞獅を通して競い合っていた。
一方、蘇容卿と裴文宣は表面上は談笑しながらも、内心では激しい敵意を抱いていた。蘇容卿は謝春和を害そうとしたのは裴文宣だと直接非難するが、謝春和の命運はまだ尽きていなかった。蘇容卿と裴文宣が舞台に出る直前、謝春和は突如毒に倒れ、現場は騒然となる。李蓉は謝春和の腰に下げられた香囊に気づき、一同と共に別殿へ調査に向かう。侍医は小姓から提供された香料を用いて解毒を行い、謝春和は毒血を吐き出した後、徐々に回復する。
上官雅は蘇容華を見つけると、自分の縁談を壊したと責める。蘇容華はこの機会を利用して上官雅への想いを伝え、彼女が家の権力者になる手助けをすると約束し、自ら蘇家を出て上官家に婿入りする覚悟さえ示す。
競技も終盤に差し掛かった頃、李蓉は後山で上官雅と会うよう呼び出されるが、異変を感じ取る。直後、刺客が現れる。李川が間一髪で駆けつけたおかげで、李蓉は難を逃れる。粛王が毒に倒れたため、皇帝は美人香で解毒するように命じる。裴文宣は李蓉を探している途中、崖の上で彼女を見つけるが、刺客の襲撃を受け、蘇容卿に先に救助に向かわせる。しかし、李蓉は崖から転落し、蘇容卿も彼女を助けようと後を追って飛び降りる。
太子の安全を確保した後、裴文宣も崖へ向かい李蓉を探す。一方、蘇容卿は洞窟の中で李蓉のために火を起こし、暖をとらせる。目を覚ました李蓉は、前世で自分を殺したのが実の弟である李川だったことに気づく。実は、上官雅が皇宮内で李川に対抗するため、李蓉と錬丹師を偶然出会わせるように仕組んでいたのだ。李川はそれを知り、姉の好意を誤解し、 ultimately 彼女を手にかけた。蘇容卿は李蓉に全ての真実を語り、二人は洞窟の中で今後の行動を話し合う。
第33話の感想
第33話は、まさに怒涛の展開でした。冬嬉の華やかな雰囲気とは裏腹に、陰謀や策略が渦巻き、登場人物たちの運命が大きく揺れ動きます。特に印象的なのは、蘇容華の上官雅への一途な想いと、その想いが引き起こす波紋です。藺飛白への嫉妬、そして自らの家係を捨てる覚悟まで示す姿は、彼の愛の深さを物語っています。しかし、その行動が上官雅にとって本当に幸福をもたらすのか、今後の展開が気になります。
舞獅のシーンは、蘇容華と藺飛白の静かなる闘いを象徴しており、緊張感がありました。一方、蘇容卿と裴文宣の会話からは、二人の間に隠された確執が垣間見え、今後の対立を予感させます。
そして、物語の後半は、李蓉をめぐる事件が急展開を迎えます。刺客の襲撃、崖からの転落、そして前世の記憶。息もつかせぬ展開に、思わず画面に釘付けになりました。李蓉が前世で殺された真相が明らかになり、李川の裏切りが判明するシーンは、衝撃的でした。蘇容卿が李蓉を助け、真実を伝える場面は、二人の絆を感じさせ、今後の関係性の変化にも期待が高まります。
つづく