あらすじ
第四十話は、宮廷闘争のクライマックスと結末を描いています。李蓉は裴文宣と無事に合流し、秦臨が蕭肅を排除し、その軍隊を掌握したことを知ります。
一方、寝宮では蘇容卿が皇帝に玉璽を渡すよう迫り、手に入れた後、逃亡を図ります。しかし、裴文宣に追跡され、その最中、柔妃が皇帝を刺します。柔妃は矢に射抜かれ命を落とし、華楽公主は精神に異常をきたします。
裴文宣と蘇容卿は未央宮で死闘を繰り広げ、最後は裴文宣が勝利します。蘇容卿は李蓉に愛を告白した後、火中で自尽します。皇帝は崩御する前に李川に国を託しますが、李川は隠遁を選び、李蓉を監国長公主に任命し、国政を委ねます。
三年後、李蓉は大夏初の女帝として即位し、裴文宣と再婚、共に国の繁栄に尽力していくのでした。
ネタバレ
李蓉と裴文宣はついに再会し、固く抱き合った。荀川と李川も到著し、秦臨が蕭肅を討ち、その軍を吸収して華京へ向かっていることを伝える。
一方、蘇容卿は寝宮で玉璽を探していた。柔妃は匕首で皇帝を脅し、玉璽の場所を聞き出そうとする。皇帝は柔妃の行動を滑稽で哀れだと感じ、最終的に柔妃は逆上して皇帝を刺してしまう。皇帝はやむを得ず玉璽が仕掛けのある箱に隠されていることを明かす。蘇容卿は玉璽を見つけ、遺詔に印を押す。その時、李蓉たちが寝宮に突入し、蘇容卿は遺詔を持って逃走、裴文宣が追いかける。
寝宮では、李蓉と李川は柔妃とその息子と対峙する。柔妃は李蓉を殺そうと刀を振りかざすが、華楽公主は母に止めさせ、李蓉に命乞いをする。しかし、柔妃は聞き入れず、李蓉に襲いかかる。その時、一本の矢が窓を突き破り、柔妃に命中する。
李蓉は皇帝の治療を御医に任せ、その場を離れる。家族を失った華楽は精神的に崩壊し、母妃の寝宮へと泣き笑いしながら向かう。
裴文宣は蘇容卿を未央宮の奥深くまで追いかけ、激しい戦いを繰り広げる。両者とも傷を負い、互いに非難し合う。裴文宣は、蘇容卿がかつて李蓉と結婚し、李川を助ける道を選べたにも関わらず、対立の道を選んだことを責める。これは40年にわたる暗闘の後、初めての直接対決だった。
激闘の末、裴文宣は蘇容卿を刺す。蘇容卿は李蓉への愛を告白し、負けを認め、李蓉が幸せなら悔いはないと語る。彼は古琴のもとへ這い寄り演奏を始め、そして大火が燃え上がる。裴文宣は李蓉を連れて脱出する。上官雅と蘇容華が到著した時には、未央宮は既に炎に包まれていた。
瀕死の皇帝は、李川に同じ轍を踏まず、真の自由人になるよう言い残し、息を引き取る。宦官が崩御を告げ、一同は跪拝する。
3年後、李川は本来即位するはずだったが、修行に入り政務から身を引くことを選び、李蓉を監国長公主、裴文宣を右相、上官雅らを輔政大臣に任命する。李川は姉である李蓉に国を託し、民のために良い政治を行うよう手紙で伝える。
李蓉は重責を受け入れ、大夏初の女君主となり、国の繁栄に尽力する。徳旭元年、李蓉と裴文宣は再び結婚式を挙げ、共に余生を過ごすことを誓い合う。
第40話の感想
「度華年 The Princess Royal」の最終回、第40話は、様々な感情が渦巻く、感動的な結末でした。40話を通して積み重ねられてきた愛憎、権力闘争、そしてそれぞれのキャラクターの成長が、この最終回で一気に収束していきます。
特に印象的だったのは、蘇容卿の最期です。長年の野望を抱き、李蓉への愛と憎しみを複雑に抱えながら生きてきた彼が、最後に見せた穏やかな表情、そして李蓉の幸せを願う言葉は、彼の心の葛藤を表しているようで、胸を締め付けられました。彼の最期は、炎に包まれる未央宮と共に、壮絶で美しく、まさに彼の生き様を象徴するようでした。
また、李川が即位を辞退し、李蓉に国を託すシーンも印象的でした。皇帝という重責から解放され、真の自由を求めた彼の選択は、これまでの彼の苦悩を物語っています。そして、大夏初の女君主となった李蓉の力強い姿は、新たな時代の幕開けを感じさせ、希望に満ち溢れていました。
裴文宣と李蓉の再会のシーン、そしてラストの結婚式は、これまでの苦難を乗り越えた二人だからこそ感じられる、深い愛情と絆が表現されており、見ているこちらも温かい気持ちになりました。